御影瑛路のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ"神栖麗奈"に関わった青年達の一部始終を、オムニバス形式で書き連ねた作品。各章ごとに話は完結しているものの、時間軸は章の流れに沿っている。
ふと気付くと、"神栖麗奈"は此処にいる。
「おかしいぐらいに美しい」彼女は、登場人物らにとって欠かせない存在となっている。そこにはさまざまな事情が含まれている。あるときは唯一無二の親友。あるときは家族を殺害した犯人。また、あるときは共にこの世界を救う救世主。彼女は一体何者なのか。本作のテーマはそこにある。
本編では、"神栖麗奈"という現象を視るために、"神栖麗奈"という名前を知ることと、自分にとっての美人のイデアが人間の神栖麗奈と似ているという条件が必要だと述べられている。そこに、「常識」というフィルターをはずした狂人のみにしか視えない、という条件を改めて追加したい。
ここで、私は二つ目の条件に疑問を持った。
登場人物によって
気になるのは、"神栖麗奈"が美人のイデアであるならば、全ての人に
とって美人のイデアは"神栖麗奈"となるのか、という点である。
私はイデアについて深くは知らない。イデアと理想像はほぼ同義、程度の
理解しかしていない。私はこの作品を読むまで、全人類が共通して同じ
イデアを持っていると思っていた。ならば、"神栖麗奈"の名を知った者は
全員彼女を認識し、取り込まれなければおかしい。この矛盾に対して、
「狂人にのみ視える」という条件を持ち出すのは納得できない。
もし、個人によってイデアは多少姿形が変わるのであれば、この疑問は消える。イデアについて詳しく調べ、また読み直したい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ解釈が一通りではない、いろいろと考えさせられる、そんな文章が随所に散らばっていて文学らしさが多少垣間見える。
秋田に刺殺されて意識が薄れていく最後、時雄は今まで聞こえていた鎖の音が他の誰でもない、自分自身を縛りあげている鎖の音であることを確信する。鎖とはいわゆる常識、共通認識、固定概念といったものを指し、それらを遵守している優等生ほど「鎖に縛られている」と表現する。つまり、今までずっと鎖に縛られている人達を嫌悪していた、殺人願望を常に抱いていた時雄もまた、ステレオタイプの枠組みに当てはまっていた人だったことになる。
私は時雄がどうして鎖に縛られていたのかがわからなかった。友人いわく、殺人に憧れてはいたものの実際は人を殺さない、殺人というステップまで足を踏み出せなかった「常識」に囚われていたからという可能性がある。しかし、時雄が最後のセリフを言うまでの流れの中で時雄が人を殺せなくて後悔をした場面は記憶の限りない。
機会があればまたもう一度、そこの部分だけでも読み返したい。 -
Posted by ブクログ
世間のレビューの低さは御影瑛路の今までの作風が好きだったからでであとがきでこの作者はこういう側面もあり、好き勝手出来て楽しい、自分らしい作品になったと語っている。
アリスというメインヒロイン、読んでいて口の悪さが「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」の桐野と「ゼロの使い魔」のルイズ、喋りの頭の良さが「化物語」の八九寺真宵を彷彿とさせた。主人公がアリスを助けるシーンなど話の構成、もっていき方など非常に「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」に雰囲気が似ていると思った。
アリスの口の悪さは癖になるし、会話は思わず笑ってしまうセリフばかり。非常におもしろかったし感動もさせてもらった。あとチョコちゃんてキャラ、「リア充なう」ってセリフ可愛すぎっ!
次に続巻が出たら発売日に買ってしまうと思う。 -
Posted by ブクログ
仕事中、どうしても気分転換したくてこの本を手に取りました。
……正直、今までは敬遠してましたです。
タイトルはいかにも曲者っぽく、イラストは申し分ない、加えて作者の名前が「そっち系」である事を示唆している……。
多分良作なんだとは思うんですが、余りにもはまりすぎて逆に地雷の可能性を疑ったというか。
絶賛されてる分底が浅いとがっかりするよなぁ的な、そんな予防線。
タイトル詐欺とかも警戒してて近づかなかった理由です、別に読まなくても何か減る訳じゃないし。
……結論、余分な心配でしたね。
「そこまで」曲者かって言われるとそうでもないですが、良い展開を見せてくれたと思います。
謎の構成も心情描写も丁寧です、時間をかけただろうなぁ……というのが全体を通した印象。
ミステリー云々を抜きにしても、心情系のラノベとしては一度読んでみてもいいんじゃないでしょうか。 -
Posted by ブクログ
読み終わってからだいぶ時間があいてしまった。そのためにちゃんとかけないかとおもうのでご了承。
さて、この本の内容は「繰り返しの日々の果てに、再び星野一輝の前に現れた音無麻理亜。しかし、ふたりで過ごす穏やかな時間は長くは続かない。一輝の周辺で不思議な事が起き始めたのだ。送った記憶のない告白メール、断絶する記憶、「自分ではない自分」が引き起こす事件、死体。そして、携帯電話に残された宣戦布告―『ボクはアンタを壊す。アンタが大切にしているものを全部壊す。“箱”を手にしたボクは、アンタから全てを奪える』“所有者”が一輝に向ける “悪意の理由”と“願い”とは…?緊迫の第二巻」です。
一巻を読み終わったあとにこの本の続きがきにいなっていたわけなんですが、まぁ心配もいらなかったといったところでしょうか。この人の作品はおもしろいけど執筆がそのぶん遅いから。
まぁそりゃ日常に返してくれるわけがない。
この本を読んでいておもったのは、自分がもしこうなったらということ。信頼していた友人が気がつかないうちにはなれていくということがとんでもなく恐ろしいことだと感じた。
「自分ではない自分」と紹介ではかいてあるのだが、これはそのまんま自分が自分でいられる時間が日に日に減っていくということ。自分じゃない時間が増えて言って、その減った分ほかの「自分じゃない自分」の時間になるということ。「自分じゃない自分」は星野一輝をのっとろうとしているので、星野一輝の体をつかって星野一輝のまわりの人間から離れていく。
今回は、しょうじき自分はそんなにだなと思いましたね。箱の持ち主がバレバレだったようなきがします。一人だけ不自然でしたもん。 -
Posted by ブクログ
誰かに成り代わるという行為は矛盾を内包する
その「誰か」に成り切ってしまうと「自分」が消失する
しかし「自分」を維持したままでは「誰か」になれない
徐々に存在を乗っ取られていく中での一輝と音無の共闘は
今回は時間制限ありと言う事で緊迫したものでした
だからか、つい音無が本音を漏らしてしまうのがいいですね
「もう、見失うな」
最後のデレも、ごちそうさまって感じで
しかし願望機としての『箱』を巡るこの物語は、今回も重いです
人の弱さにつけ込みそれを浮き彫りにするという骨子はいささかもぶれず
シナリオは最後までどろどろと泥臭い
読んでいる最中はずっと苦虫をかみつぶしているようでした
バッドエンドにはならないんですけどね
最後の最後で大嶺から飛び出した爆弾発言
既に3巻が発売になっているので、いずれ読もうと思いまする
今回は口絵の音無と桐野にもえもえ