松原隆彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
スピ系の話を読むとよく「人間の思考が現実の世界をかえる。それは最近の量子力学では常識となっている」といった趣旨のことが書かれている。では最新の量子力学とはなんだ、ということでわかりやすい本を探していたら良書に巡り合えた。
数式も難しい計算もいっさい出さずに、ニュートン力学から相対性理論、量子物理学などの考え方が出てきた背景やその意味をわかりやすく書いている。
なんとなくわかっているつもりだった相対性理論についてもニュートン力学との対比などとても腹落ちする説明。
スピ系の本の言う「思考」(この本では観察という言葉で表している)が物理的現象を固定することについても記載あり。その不思議さとまだまだわ -
Posted by ブクログ
研究を進めれば進めるほど新たな謎が出てくるのが学問の世界。
が、宇宙論の分野では、新たな謎が出てくると同時にSF(本来の意味でのSF)とみまごうばかりの理論が展開される。
その最たるものが
「宇宙は一つではないのでは?」
というもの。
量子論の観測問題。
ビックバンの後のインフレーションが人間にとって、あまりに都合よく止まったこと。
物理の様々な定数が人間が存在しうるように調整されたと思えるほど、あまりに絶妙な値であること。
これらを考えると、他にも「宇宙」があるのでは、という考えもよぎるが、今の段階でそれを証明する方法はない。
本書は、これらの事やその前提となる事について、平易に解説 -
Posted by ブクログ
私が投稿している『NHK短歌』の第3週の永田紅さんの”理科のことば”で羽ばたくの次回のテーマが「宇宙」だったので参考に読んでみました。
私は宇宙について学校で学んだ記憶がまるでないのですが「宇宙」は物理学に含まれる学問分野なんですね。私は高校が私立の女子校でなんと物理の授業がなかったのです。
この本はよくわからないところが多々ありましたが、面白かったです。
面白いと思ったのは宇宙のどこかに地球と同じ星があって自分と似たような(全く同じではない)人間がいるかもしれない。とか「タイムパラドックス」という言葉も出てきて物理法則にあることだと初めて知りました。
そういうのは小説の中にだけある言葉だ -
Posted by ブクログ
宇宙論の物理学者によるシリーズ3作目、今回は時間について。説明が上手でうまくまとめられており、すぐに読めてしまう。ボルツマン脳や世界五分前仮説、エクピロティック宇宙論など、様々な興味深い思考実験も紹介。宇宙がビッグフリーズの状態になると何も変化が起きないので時間も意味をなさないとのこと。このシナリオが一番現実に近いのかもしれない。
宇宙の年齢138億年てのは膨張スピードから単純に逆算されてるだけ、と説明されてるが、膨張スピード自体が常に変化してるこがどう加味されてるのか詳細が気になった。
ダークエネルギーは宇宙の加速膨張をうまく説明できるというだけでしか存在意義がなく、証拠も何もないとのことだ