松原隆彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
著者の松原隆彦氏は、統計的宇宙論を専門とし、宇宙に関する一般向け書籍も多数著している科学者。
著者は冒頭で、本書について「主に文系出身者など、これまでほとんど物理学には縁がなかったという人々に向けて書かれた物理学の入門書である。・・・物理学とはどのようなものなのか、数式だけでなく難しい図表も一切使わず、ひたすら言葉だけで書くことにした」と語っている。
そして、まず、物理学の目的(本質)を「複雑で予測不可能にも思える現実の現象について、そこに秩序を見出すことにある」とし、物理学の研究・進歩の歴史を辿る形で、コペルニクスの地動説に始まり、ガリレオの天体観測、ニュートンの運動法則、原子論と更に微小な世界、ハイゼンベルクの行列力学、シュレディンガー方程式と波動力学、量子力学に対するコペンハーゲン解釈、アインシュタインの相対性理論、マックスウェル方程式、未完成の量子重力理論等々、物理学がこれまでに何を解明してきたのかを解説している。
そして、最後に、「本書で最も伝えたかったことは、この世界が人間の常識的な感覚で思うようなものにはなっていない、という事実だ。・・・その理由は物理学者にもよくわかっていないのだが、自然はなぜか美しい理論によって説明できるように作られているようなのだ。・・・人間の見た目通りの世界は、本当の世界の姿なのではなく、そうではない何か別の世界のようなものから現れ出てきたようなのだ。そうでなければ、見た目通りの雑多な世界の中に、どこでも成り立つ物理法則というものを見つけることはできないだろう」とし、“目に見える世界は幻想か?”と言っているのである。
私はまさに著者がターゲットとした文系出身者であり、これまでに佐藤勝彦氏らの物理学・宇宙論関係の新書を数冊読んでいる程度で、正直なところ本書の説明についていけない部分は多々あったが、物理学の歴史の大きな流れを掴み、著者が物理学の未来に期するものを感じることはできたように思う。
(2017年4月了) -
Posted by ブクログ
物理学には縁もゆかりもない私が読み切れたので、数式・図表ナシを謳っていて、なおかつ分かりやすさがあると思う。
純粋に世界は「何」で成り立っているのか。
それを追究してゆくと、そこには人の限界を感じさせられる壁がある。
人には見えないモノを、どう考えるのか。
数字に置き換えていくことで、掴み取った真実もまた、時代の認識が必要であったり、ある日突然嘘であることを証明されたりする。
それでも、人が考えることって、何かとてつもない仕組みのように思う。
見えないモノを見るために、27kmもの加速器を世界が協力して創り上げてしまう。
それでも未知の部分があって、人間の持ち得る資源を使うような方法では、全てを明らかにすることは出来ないのかもしれない。