松原隆彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「宇宙ハンパねえ……」
と、途中からずっと思っていました(笑)
宇宙って自分が思っていた以上に"SF”の世界だったんだなあ(意味通じるでしょうか?)
少し前に話題になったニュートリノや重力波、あるいは、ワームホールやビックバン、ブラックホールやダークマターといったお馴染みの用語たち。
そうした用語の解説から見えてくるのは、自分のちっぽけな常識が通用しない宇宙の姿です。
光がまっすぐに進めない世界。
時間も空間もない世界。
この次元とちがう次元にあるかもしれない、平行世界の宇宙。
SF小説や映画にはちょくちょく触れているので、こうした可能性があることは、なんとなく知っていました。でも「あくまでフィクションの話だろうな」とも頭の片隅では、思っていました。
それがこの本の、難しさを極力排した、平易な語り口のおかげで、事実や可能性の一端を、確かに感じられるのです。
だからこそ、宇宙は思っている以上に「SFしてる」と、自分は思ったのです。
さらにこの本の思考は広がっていきます。物理学の理論はいつのまにか、未来や運命はあらかじめ決まっているのか、という問いに。
そして時間や空間の話は、最終的には存在や認識といった、哲学的なところにまで行き着きます。
語り口こそは平易なのですが、ここに至るまでの思考は、かなり難しい……
この本の全体の自分の理解度は多めに見積もっても、3割あるかどうか……
その上、読んでから日が経ってるので、説明できることはほとんどありません。たぶん後2、3回読めば、5~6割くらいにはいくかなあ(希望的観測)
それでも、この本を読んでいるときは面白かった! さっきも書きましたが、SF小説や映画の世界の可能性が存在することは分かりましたし、
難しい理論を、理系がからきしの自分にもなんとなく納得させ、論を進める筆は、本当にすごいと思います!
本の内容は、理解できるに越したことはないです。でも時に理解できなくとも、ワクワクしながら本を読み進めることができるのだなあ、ということに、自分でも驚きました。
それがこの本の持つ力であり、宇宙の無限の可能性の一端なのではないか、と思います。 -
Posted by ブクログ
宇宙の大規模構造についての観測や、データを定量化・解析する方法について、まさに松原先生の専門分野をまとめた内容。観測の精度向上やデータ規模が宇宙観を変革させる可能性があることが分かるが、数学や各種相関関数、専門用語を使って説明されるため難易度は高い。フーリエ級数展開・パワースペクトル・スカラー場・インフラトン・トポロジー・ジーナス曲線など、あまり馴染みの無いものが多い。宇宙の空間曲率がゼロからわずかにズレているのか、一般相対性理論が大規模構造の重力作用にも高い精度で一致するのか、ニュートリノの質量が解明されるのか、今後の研究結果が楽しみ。 宇宙の晴れ上がり前のプラズマ原子由来の圧力がバリオン音響振動を起こし、その痕跡を観測する内容は初見。
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Posted by ブクログ
最新の宇宙に関する研究を、一般人にも分かるように説明した本。著者は物理学の教授である。
世の中にはこういった研究に一生を捧げる人がいるのか…と感心した。物理学の世界では、数式などを用いて現象を説明でき、観測によって証明されることによって、初めて真実と見なされるようだ。本書の目的は、宇宙について、現在どこまで分かっていて、何が分かっていないのか、をはっきりさせることである。
すごいのは、数式などを全く使わずに、理論というか概念的かつ現実的にイメージしやすいように説明されていることである。それでも後半部分の時間とは何か、空間とは何か、人間に認識されることによってはじめて存在するのか、という議論の部分は論理的ではあっても理解が難しかった。
著者によると、量子論と相対性理論が発見されて世界のあり方が変わったという。個人的に知らなかったのは、月の重要性である。月が存在しなければ、重力も全く異なっており、潮の満ち引きもなく、1日は8時間になり、人類は存在できなかったという。それでは我々人類が存在するのは偶然なのか、必然なのか?
その答えを導くのは読者である。 -
Posted by ブクログ
数学も物理も統計学も、兎に角数字には弱い文系なんだけれども、この手の理系の書物に引かれてしまう。世の中には自分の思い通りに出来る何か根本的な法則があるのではないか?もしその法則を知って、理解したら、もしかしたら成功してお金持ちになるのではないか?という邪な考えでついつい惹かれるのが、この本で解かれている相対性理論や量子力学。物理の本なのに数学音痴が目を回す数式が一切出ることなく、なんとなく解った気にさせてくれる。当たり前だけど著者の物理の知識、その理解度、そして文章力が半端ないものだからだろう。ついつい読み進めるスピードに加速がついてしまった。しかし、相対性理論から量子力学の深遠な世界へページが移る後半は、ニュートン力学の世界でいうところの慣性の法則で、解ったようで解ってないままスルスルと読み進めてしまった。そうブラックホールに引き込まれた。
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Posted by ブクログ
宇宙は今、どこまで理解できていて、何が次の問題なのかということが、わかりやすく書かれている。わかりやすく書かれてはいるが、10次元とか量子の揺らぎとか、日常で捉えられない観念はやっぱり理解が難しい。とりあえず、宇宙の始まりの方は、エネルギーが高すぎて、今の物理では想像できないらしい。宇宙の70%を占める未知のエネルギー、ダークエネルギーの存在も不思議。一番面白かったのは、ブラックホールに突っ込んだらどうなるかの話。自転がなければものすごい重力で麺状に伸びて素粒子レベルまでばらばらになるらしい。自転があればどっかにワープするらしい。でも外で見ている人は、時空が歪みすぎて、ブラックホール前で止まっているようにしかみえないらしい。物理は面白そう。
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Posted by ブクログ
「宇宙」は想像を絶する世界という表現では全く表現が追いつかない世界で、ただただ呆然としてしまう。この本のおかげで、これから夜の星々を眺める時は今までとはまた違った感じで眺めることができそうだ。
あまりにもものすごい世界なので、ちょっとだけ本からピックアップするにとどめたい。
〈本から〉
太陽が直径10cmとすれば、太陽にいちばん近い恒星(プロシキマ・ケンタウリ)はタイ王国のどこかにあるビー玉に相当する(日本から見て)。
宇宙は138億年前に始まった。(略)
1年を1円の厚みである1.5mmとしてみよう。138億円分の1円玉を積み重ねていくと約2万kmにもなる。これはちょうど地球を半周する距離で、北極から赤道を通過して南極に到達する。つまり、1年に1.5mmだけしか動かない極端に遅い歩みでも、138億年経てば地球を半周してしまうほどの時間なのだ。ちなみに、同じスケールでは人間の一生は10~15cm程度でしかない。
宇宙カレンダー
(略)
ビッグバンの時刻を1月1日0時とし、現在の時刻を12月31日24時とする。(略)宇宙カレンダーの1秒は、現実時間の約438年に対応する。(略)
12月30日の朝6時半ごろ、巨大隕石がユカタン半島に衝突して地球環境を激変させた。時を同じくして恐竜を含む大量の生物が絶滅した。(略)
人類が誕生したのは、大晦日の夜になってからだ。12月31日21時ごろに猿人が誕生し・・(略)。
宇宙カレンダーでは人の平均寿命は0.2秒にしかすぎない。(略) -
Posted by ブクログ
最終盤にさしかかるまで、工夫している例えは違うけれども、どこかで聞いたはなしばかりだった。
一つ言えることは、科学者が主張しているからと言って、どんな理論(仮説)も盲信は禁物と言うことか。
しかし、最終盤は、多世界に対して、情報宇宙が出てきたあたりから、俄然、面白かった。
・時空間そのものに単純に量子論をあてはめる試みはうまくいっていない。
・宇宙に通常の量子論の考え方を当てはめると、宇宙の誕生自体は、現実と非現実の間にある確率的な重ね合わせ状態となる。そして、それが観測されたときに実際の宇宙として、現実化することになるが、これが大きな問題になる。観測者とは一体誰なのか。
・ホィーラーの参加型人間原理
・ホーキングのトップダウン型宇宙