松原隆彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
世の中を物理で語るにあたって、さまざまな「パラメータ」が存在する。
光速度であったり重力定数であったり、プランク定数であったり。
そもそも物理は法則を表すもので、その「パラメータ」がなぜその値なのかを説明する術は持っておらず、他の値であった可能性は否定もできない。
だが、パラメータの値が現状のものと異なっていれば、この世界は今我々が見ているようなものではあり得なかった。
結果的にその丁度いいパラメータがなんでその値なのかは誰にも分からない。
そんな話を数式を使わず、初学者にも面白おかしく伝えるのが目的であろうが、なんせ文章が全く面白おかしくないので全然伝わらない。
他の著者の本で、4つの定数に限って同じような説明をしていたものを読んだことがあってそっちの方がずっと面白かった記憶があるのだが、なんでこんなにいっぱいパラメータを持ち出して中途半端な展開にしてるのかと思ったのだけど、雑誌の連載記事か。
展開にツッコミが足らず、数式を使わないで散文的になりすぎるのもあってか、理系出身の酔っ払いが酒屋で文系女子に得意げに語っているような程度の本になってしまった気がする。 -
Posted by ブクログ
無限自体が人間の理解を超えるテーマであり、相対性理論や量子論で説明せずに抽象的な観念のみで突き詰められないテーマであることは分かるが、両論の基礎を多少理解したことを前提に説明されているため、特にミクロを扱い目に見えにくく馴染みの薄い量子論についてはほとんど理解できず、素人相手には難しすぎる本であった。本書では当たり前のように無限や多次元が取り上げられており、2次元の住人が3次元を想像できないように、3次元の自分が4次元を理解できない中で、無限や多次元を想像することの面白さを感じた。自分は無限や宇宙の広さなど想像できないことを考える時に、人智を超える理解を哲学観や宗教観に求めてしまうが、本書を理解することは出来なかったものの、それらを考える材料として本書に面白さを感じられた。
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Posted by ブクログ
普段は完全に趣味でビジネス書を読むことが多いのだが、たまにこういう本も読みたくなる。
タイトルは、直球の『宇宙とは何か』だ。
子供の頃は当たり前に「なんだろう」って思っていたことが、大人になると考えなくなるものだ。
それが年齢を重ね、50代後半になった今になって、改めて興味が湧いてくるとは。
勿論、物理の難しい話は分からないし、数式だって読めもしない。(本書に数式は出てこない)
それでも、単純な知的好奇心とでも言おうか、何の役に立つのか分からない(もしくは、私にとっては役立たない)話が、最近は特に面白く感じてしまう。
歳を取ったことだけが影響しているとも思えないのだが、損得やコスパだけで計れない価値というか、そういうものに意味を感じられるようになったというか。
単なる自己満足ではあるのだが、不思議なもの、面白そうなものに、ついつい手を伸ばしてしまう自分がいる。
つまり、書籍との出会いも「一期一会」だと思って、乱読を繰り返している。
相変わらず普段は平凡に仕事をしているのだが、私のような人間にとっては「宇宙」は相当に遠い存在なのは間違いない。
日々の業務では、当然ながら目の前の仕事に向き合っている訳だが、そこでは光の速さも、ダークマターも、マルチバースも、まったく不要なことだ。
しかし本書を読み進めるうちに、何となく発想というか、物事の見え方というか、異なる視点から対象物を見てみるとか、そういう点は人生に役立つような気がしており、自分に都合よく解釈している訳である。
幼少期の頃に抱いた「宇宙ってなんだろう」という素朴な疑問は、勿論古代の人々も全く同じように考えていたはずである。
本書は、まさにその物語から始まり、天動説から地動説、万有引力、相対性理論、量子論、超ひも理論、ビックバン、そしてマルチバース理論へと、我々を知の冒険に案内してくれる。
数式が出てこないため、文系の私でもスラスラ読めた訳であるが、こうして歴史を追って「宇宙とは何か」を見てみると、単なる物理学の歴史ではなく、探求の底流に流れる「哲学」的な部分が見えてくる。
学問というよりも、「真理は何か」という答えを純粋に追い求め続ける姿勢が、何とも心地よい。
普段仕事していると、生活のためとか、人より良く見られたい、とか、真理とは程遠い感情の中で日々を過ごしている。
忙しくても思い切って立ち止まって、「この真理は何だ?」と問うことは、実は今の現代社会こそ必要なんじゃないか。
(あくまでも個人の感想。自分自身への言い訳、忠告なのかもしれない)
科学的なのに、いかにも哲学っぽくて印象に残っているのが、「人間原理」という考え方だ。
物理学の常識では、自然法則は人間とは無関係に存在すると考えられてきたらしい。
しかし、調べれば調べるほどに、宇宙の物理定数(例えば重力の強さや電子の質量など)は、驚くほど「人間が存在できるように」微調整されているのだという。
もしこれらの数値がわずかでも違っていると、星も生まれなければ、当然生命も誕生しなかったというのだから、不思議でしょうがない。
地球という惑星も、太陽からの距離がドンピシャで、地軸の傾きや、衛星で月があることや、何から何まであまりにも我々にとって都合よく出来ていることが、むしろ「この状況は何なのだ?」という気持ちを増幅させてしまう。
「宇宙とは、あまりにも人間にとって都合よく作られている」
この一文に触れたとき、意外なことではあるが、心が熱くなってしまったのだ。
それを言ってしまえば何でもアリになってしまうし、科学的とはとても言えないのだが、調べれば調べるほど、すべての辻褄が合うように偶然が重なり合っている様相に、奇跡を通り越して「神様の仕業」と思えてしまう。
日常的に我々が生きている世界は、「生産性」や「効率」、そして「KPI(=Key Performance Indicator=重要業績評価指標)」に支配されている。
AIの進化はすさまじく、人間とコストで比較すれば、おのずと仕事は機械に代替されていることが想像できる。
そうなった時に、人間は不要になるのだろうか。
それが宇宙にとって、正しい姿なのだろうか。
「人間がいるからこそ、宇宙は宇宙として認識される」
この視点が、「もし企業組織にも通じる真理だとしたら」と、そんなことを考えてしまう。
会社というシステムに、社員が部品として組み込まれているのでは決してない。
一人ひとりの「人間」がそこに存在することで、会社も(そして宇宙も)意味を持つ。
普段は全く違うことを考えているのだが、本書に触れたことで、こんなところまで思考が飛躍してしまうのだから、不思議なものだ。
むしろ今の自分に必要なのは、こういった「俯瞰の視点」なのかもしれない。
今後も仕事をしていく上で、残りの時間を意識する年齢になったが、宇宙の年齢に比べれば、それもほんの一瞬の瞬き程度のことだ。
一瞬だからこそ、時間を大切に。
あまりにも都合よく作られた世界の中で、当たり前であるが、精一杯生きろということか。
普段はビジネス書ばかりなのだが、たまにはこうして視点を一気に「宇宙」へと広げ、日常の縮尺を変えてみる読書も悪くないと思う。
(2025/8/1) -
Posted by ブクログ
タイトル通り、本書は物理学に関して、私のような初心者が抱きがちな疑問にダイジェストで答えてくれる。
とても面白いと感じる一方で、量子論が、直感的に「分かった」と感じにくい分野であることも理解できた。「分かった」という感覚は、既存の感覚や概念が新しい知識と結びついたときに生じるが、量子の世界は私たちが普段認識する世界とかけ離れているため、頭では「そういうものか」と納得できても、心から「分かった」とは感じにくい。
特に、「シュレーディンガーの猫」で有名な「観測されるまでは複数の可能性が共存する状態」という考え方には、肌感覚として納得しがたいものがある。「いや、いくら何でもそれは。。」という感想しか出てこない。
こんな当たり前のことで大袈裟な、、と物理の知識を持つ方々には鼻で笑われるかもしれないが、私にとっては、この世界の奥深さを垣間見たようにすら思った。自身の仕事の専門性とは無関係だし、知らなくとも日常に支障を来さないが、世界の見え方に大きな影響を与えてくれる。時間が許す限り、この分野について継続的に学んでいこうと思う。
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Posted by ブクログ
現代物理学で答えのない問い、宇宙は無限か有限か、をタイトルに据えている。理論の展開に興味を持ち、読み始めるが、深遠なテーマを更に印象付ける結果に終わる。無限とは?その概念理解にページが割かれていくが、どれだけの読者が議論に追随できているのだろうか。思考容量を遥かに超えるイメージ力が要求される。宇宙の始まりにも触れているが、量子ゆらぎと光速を超えるインフレーション、時間と空間が生まれる、不確定性原理に象徴されるように同時並行世界、測定して初めて確定する宇宙という人間原理など、これまで考えられてきた推論が紹介されているが、初級者以外には物足りない内容に終わっているのが残念である。
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Posted by ブクログ
前作に引き続き興味深かった。普段使っているスマホ、絶対に欠かせない医療、電力供給など…。生活の中に多くの物理学が応用され、意識せずともそれを利用していることがよくわかる。
今回は「日常」がテーマなため、日常のツールの仕組みと物理学、どちらの説明もされているのだが、前作より更に端折っている箇所があるため、結局よくわからなくなるお話がチラホラあった。この本では概要を掴んで、もっと知りたければ自分で調べるのが良さそう。
それにしても、地球がここまでわたしたちに都合よくできていると、宇宙の人間原理にも説得力がでる。奇跡と奇跡と奇跡と奇跡と…無数の奇跡が重なって、とんでもない確率で今があるのが少し怖い。 -
Posted by ブクログ
一問一答形式で書かれており、内容もわかりやすかった。読みながら思わず、「へえ〜」とか「ああ〜」と声が出た。
わかりやすくするために、かなり抽象度を高めて、詳細を端折りまくっていると思うので、人によってはかなりむず痒いかもしれない。
もともと宇宙に関する読みたい本があったのだが、基本的な法則や現在の物理学でメジャーとされる議論の概要をわかっていないこともあり、読み進められず困っていたので、とっかかりとしてこの本はかなり良かった。
他の物理学に関する本も少しずつ読んでいきたいと思えたのも、この本の効果だと思う。
それにしても、よくSFなんかで時空が歪むとか、別の世界線なんかが出てきて「なぜこうもみんな似た様な不思議なことを思いつくのか?」と思っていたが、実際に物理学の説として存在していることを知り、現実と同じくらい、この世の創作も奥が深いな〜という気持ちになった。