Posted by ブクログ
2019年12月14日
宇宙の大規模構造についての観測や、データを定量化・解析する方法について、まさに松原先生の専門分野をまとめた内容。観測の精度向上やデータ規模が宇宙観を変革させる可能性があることが分かるが、数学や各種相関関数、専門用語を使って説明されるため難易度は高い。フーリエ級数展開・パワースペクトル・スカラー場・イ...続きを読むンフラトン・トポロジー・ジーナス曲線など、あまり馴染みの無いものが多い。宇宙の空間曲率がゼロからわずかにズレているのか、一般相対性理論が大規模構造の重力作用にも高い精度で一致するのか、ニュートリノの質量が解明されるのか、今後の研究結果が楽しみ。 宇宙の晴れ上がり前のプラズマ原子由来の圧力がバリオン音響振動を起こし、その痕跡を観測する内容は初見。