美奈川護のレビュー一覧
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「大人向けライトノベル」というMW文庫の立ち位置が良くわかる作品
ただこの作品はMW文庫だからライトノベルのように「見るひとには」見えるのであって
一般文庫(と「見られている」ところ)から出せば何も違いはない
そもそも「少女」「少年」でもなく「職業婦人」でも「Lady」でもなく
「青春」とくくられるでもなくて
「教養」を経ず「大人」でないと思っている世代に対することばがないのが問題
女性の場合はここに「Girl」であり「女子」と冠するだろうが
越谷オサム『ボーナス・トラック』とかはなんと呼んだら良いかわからない
よくみればミステリだのホラーだのでごまかしている現代もので
学生世代の上世代を扱 -
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気持ちを緩めたまま安心して読める、穏やかな感じの本でした。また、久しくプラネタリウムに行っていないので、久しぶりに行って見たくなりました。どこかで星の魔女にあえるといいと期待しつつ。
デジタル版のプラネタリウムを初めて見たとき、球状のドームに映し出される映像に迫力を感じつつ、プラネタリウムという言葉で思い浮かぶ神秘的な雰囲気とはちょっと違うかなという印象でした。よりエンターテイメントに近い感じで、完成度は高いけど、同じプログラムは一度見ればいいかなという感じ。
解説員の話による投影はその時の話題とかいろいろ考えられて面白いけれど、天文とか天体観測とか興味で調べだすと、話される内容もおおよそ -
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なんとも、いい余韻だ。
うん、面白かった。
タイトルや序章を読んで絵画関係のお話らしいと思った時、そう言えば作者のデビュー作もファンタジー仕立てではあるけれど絵画に関係するお話だったなと思いだした。
その時のお話は面白くはあったけど、どこか世界にベールが掛かった様なもどかしい気分になったのを覚えている。
それから行く年も経ち、メディアワークスに書き出してからの作品はどれもとても面白くて、お気に入りの作者の一人になったわけだけど、そんな作者が再び絵画を扱うのかとちょっと感慨深かった。
実際には絵画だけじゃなく写真やオペラや陶芸に題材を取り、しかも芸術そのものと言うよりといわゆる人情話的な展開 -
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花火師という特殊な職業故に起こる衝突、苦悩を軸に主人公の成長を描いたお仕事小説
花火師は一瞬にその人生の全てを賭ける。
この本の主人公は過去のある事件がきっかけで家業である花火師から逃げ続けている。そんな彼が、だんだんと逃げ続けていた過去と向き合っていく姿が花火と共に描かれていく。
物語の中で大きな役割を果たす、花火の描写は音や光、色のみではなく、振動といった部分まで含まれ描写されている。その為、過去に見た花火を思い浮かべることができる。さらに、普段知ろうともしない花火の雑学もわかりやすく、また自然に解説され、物語の背景が容易に理解できた。
主人公の回りを取り囲む登場人物たちもそれぞれに -
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この季節に読むのがピッタリなのは、美奈川護さんの書かれた「ギンカムロ」という一冊。花火職人を主人公とした物語だが、花火職人の一家だけではなく、花火に関連した町全体の悲しみや苦しみや喜びや幸せを描いた物語だ。
《あらすじ》
幼い頃に実家の花火工場で起きた爆発事故で両親を亡くし、父と同じ花火職人お祖父に育てられた昇一は、高校卒業後に生まれ育った町を飛びだし東京でアルバイトをしながら一人暮らしを続けていた。そのまま東京に住み続けるつもりだった昇一の元に、ある日届いた祖父からの電話。何かあったのかと驚きながら四年ぶりに帰郷した昇一の前に、祖父の元で花火職人として修業中の風間絢がいた。12年前に起 -
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花火師さんのお話。
恥ずかしながら、この本を読んで花火に名前があることを知りました。
「昇群光小花付五重芯引先銀乱」という本書の肝になる花火ですが、まるで呪文のような名前です。
この名前はその花火の一生を表す名前なんだそうです。
そして、何よりタイトルにもなっている銀冠(ギンカムロ)。
鎮魂の花火ということで、花火一つに込められた想いを紐解くと、郷愁のような、寂しさのような、哀しみのような…なんとも言えない思いが込み上げてきます。
銀冠、多分今までにも見たことはあると思うのですが、今度はちゃんと意識をもって見てみたい花火です。
この本は小説、あくまでフィクションですが、それでもこの -
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ネタバレ評価:☆4.5
商店街の個性的なメンバーで贈る「音楽とそれを愛する人々の物語」、シリーズ最終巻。
第一、第二章は今まで通り、竜ヶ坂商店街の人々の物語。第一の駒沢と先生の、音楽が起こした必然にはウルっときた・・・こういう話には弱い(ノд`)
そして第三・第4章では七緒と羽多野仁美の関係にも一つの決着が。
徐々に謎が明らかになっていく作りは相変わらず上手い。
母の想い、その真相を知って恐怖すら感じていた七緒ですが、世界を変えうる唯一の音楽をもってして響介達ドラフィルメンバーをまとめ上げて自らの生き方・信念を示す演奏シーンは圧巻でした!
響介もまた、音楽人としての自分なりの在り方を見つける -
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ネタバレ評価:☆4.5
商店街の個性的なメンバーで贈る「音楽とそれを愛する人々の物語」待望のシリーズ第2弾が登場!
音楽で繋がっている住民達の温かい、微笑ましいエピソードは健在。
3章の幸と840日毎に帰ってくるピアニストの母親の話が特に好きかな。
今回は響介と七緒の家族について焦点を当てて物語は進行していく。
徐々に謎が明かされていって先が気になるつくりになっているので凄く読みやすい。
1巻でもそうでしたが、割と予想外な展開もあって驚かされるんですよね。そことそこが繋がってるの!?みたいな。
物語が終盤に向けて収束して盛り上がっていく構成はお見事!
演奏シーンの迫力も流石ですね。
あとがきで -
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季節は巡り、次の竜ヶ坂祭りに向けて練習するメンバーたち
そんな中、七緒の育て親であり、彼女を見捨てたはずの女性一ノ瀬真澄から奇妙な依頼、呪われたヴァイオリンチェリーニの鑑定が舞い込んだ。
商店街の個性的な音楽好きが奏でる物語の最終章
最後のオーケストラシーンはホントに素晴らしいですね!
音という文章で表せないものを上手く表していると思います。
いつも読んだ後に思うんだけど、ここで奏でられる楽曲をしってから読むと深みが全然変わるんだろうなと思うんですけど、今回も忘れて読み始めてしまいました(笑)
今回は1章ずつ単独で繋がりがなかったのがちょっと残念だけど、いい作品でした! -
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バイクが乗れる人を! と求人を張ってみたら
自転車が乗れる自称イケメン、他称犬に似ている人が。
またも連続短編ではありますが、すでに始まりがあれです。
うっかり、どうした?! と言いたくなるような風景。
多分そんな落ちだろう、とは思いましたが。
そう、毎回自費で帰宅している彼女の預金は
一体どうなっているのでしょうか?w
とりあえず、47都道府県制覇する勢いで
あちらこちら走ってもらいたいものですが
多分これで最後?
きっとそのせいでこんな怪奇現象が! と思っていたのに
まったくもって改善されない、その現象。
しかも今回はやたらに過去が…。
とりあえずあれですね。
試験会場(?)の親父は、 -
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上司を殴ったので、会社を退職。
そして紹介された職場は、荷物を運ぶ会社だったのだが
やたらに個性的すぎるメンバーが。
負けず嫌いだったら…いや、口で勝とうとする性格なら
完全に無理な就職試験(笑)
ある意味踊らされてるというか、ばれてるというか。
しかもオカメインコも従業員。
ほっぺのピンクが耳だったという
どうでもいい情報も仕入れてしまいました。
連続短編で、計4つの荷物運び。
しかし内2つは…代金もらえたんですか? と
聞きたい仕事内容。
いや、これでそれを話すのは無粋というものだと
よく分かっておりますけどね?w
感情を纏った荷物を持つと、扉を開けたとたん
物理的なものを無視して、