美奈川護のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
母は、家にお客様がみえると、
父の歌に私のピアノ伴奏で、音楽のおもてなしをさせるのが好きでした。
若い頃、声楽を習わせてもらったと言う割に、リズムが全くとれないひとだったので
音楽に人一倍、憧れがあったのでしょうか。
私も小学生くらいまでは、母に言われるまま張り切ってピアノを弾いていたのですが
中学生くらいになると、反抗期も手伝って、
お客様みんながみんな、音楽が好きな人ばかりじゃないのに、と
いやいや演奏することが多くなってきて。。。
ある日、父に言われたのです。
「おまえの伴奏、この頃歌いにくいぞ」って。
そうですよね、いやいや弾いている伴奏で、気持ちよく歌えるわけがない。
両親との仲が劇的に悪くなる、というようなことはなかったけれど
この言葉が若かりし頃の私にはかなりトラウマになっていて
父の歌の伴奏をすることは長い間ありませんでした。
でも、実は数年前、故郷の小さなホールで、
父の歌に私のピアノ、娘のクラリネットで、三世代のコンサートをしたのです。
離れて住んでいるので、父との合わせ練習はたった1日しかできなかったけれど
亡くなった母の写真をポケットに入れて歌う父の声と私のピアノが
本番のステージで重なった瞬間、過去の「音楽のおもてなし」に纏わる
いろんな拘りがほどけて、音楽でまた家族が繋がった、と思いました。
そんなことを思い出した、今回の『ドラフィル!2』。
モンタギュー家とキャピュレット家のごとく、寄ると触るとケンカする
祖父たちを仲直りさせようとするけなげな孫がいたり
(あちらの孫娘へのほのかな下心があるあたりも、まるでロミオとジュリエット♪)
同じフレーズを840回繰り返す、サティの珍曲『ヴェクサシオン』を
1日1フレーズ、2年数か月かけて、追悼の想いをこめて弾く母の真意に
やっと思い至る娘がいたり
前作から引きずってきた、母に対する七緒の拘り、
父に対する響介の反発を、音楽がゆるやかにほどいて
赦し、赦され、繋がっていく喜びを、竜ヶ坂商店街オーケストラが高らかに奏でます。
音楽への信頼と愛情を、賑やかに楽しく伝えてくれる1冊です♪ -
Posted by ブクログ
フルートは和菓子屋の若奥さん。
オーボエとクラリネットは、喫茶「ぴっころ」の熱愛夫婦。
(ピッコロ担当じゃないのはご愛嬌☆)
ホルンはペットショップの主人で、トロンボーンは魚屋さん。
トランペットは葬儀屋のご隠居、コントラバスはスナックのママ。
毎日エンドレスで『ニュルンベルクのマイスタージンガー』が
スピーカーから高らかに流れる、竜ヶ坂商店街。
メンバーのほとんどが商店街の老若男女で、
練習時間に急な変更があっても、商店街を端から端まで
順繰りに走って呼びかければ、あっという間に連絡が行き渡ってしまう
竜ヶ坂商店街オーケストラ、素敵です♪
期待されて音大に進んだはいいけれど、コンクール入賞歴もないまま卒業し
ニートになりかけていた響介が、コンマスとして召喚され
謎めいた車椅子の指揮者、七緒に翻弄されながら、
オーケストラという大きな家族の一員となっていくのですが
音楽を通して、商店街の面々の悩みが解決される微笑ましい展開の中、
父の期待に添うようなプロのオケで活躍する力がないことを自覚する響介の苦しさや
天賦の才能に恵まれたのに、事故で楽器を諦めたらしい七緒の謎解きも
丁寧に描かれて、ハラハラさせられます。
コンクールで優勝したり、プロのオーケストラに所属して
マエストロの指揮で難曲を演奏するのも、もちろんすばらしいけれど
音楽で得られるよろこびには、もっと人それぞれの、いろんなかたちがあっていい。
ワーグナーの数ある歌劇の中で唯一ハッピーエンドを迎える
『ニュルベルクのマイスタージンガー』の輝かしいメロディを胸に
それぞれの家業を地道に営みながら、音楽を愛し、音楽で繋がって
自分たちの音楽をうたい続ける、竜ヶ坂商店街のマイスタージンガーたちに
「ブラボー!」と精一杯の賞賛の声をかけたくなる1冊です。 -
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上司を殴って会社をやめた元OL。
次の仕事は、
バイク便配達会社のハンドキャリー。
あれは椅子にキャスターがついてたから、
飛んでいっただけなのよ。
なんて犬歯を見せて笑う、陶子。
転職先には、
オカメインコの大谷さん
永遠の18さい沙織さん
人間カーナビ菅原さん
そして
なんだかマイナスイオンの出ていそうな社長如月。
ビジネス書類やら、
個人的な荷物まで何でもはこぶ運び屋さん。
託された荷物には、
とっても切実な気持ちが宿っていて。
手から手へ。
人から人へ。
やさぐれていた陶子が、
どうしても走らずにはいられないような
荷物と人ばかり。
あなたはどこに行きたいの?
声にならない声を届ける仕事。
読みやすくてさらっとしてました。
最短時間はうまくできるかわからないけど、
こんな仕事、素敵だなあと。
でも間違いなくヒールでは走れない。苦笑 -
Posted by ブクログ
クラシック音楽はまったく無知だけど、興味だけはあって手に取った作品。
すごく面白かった!
中盤は若干だれたり、展開がみえみえだったりしたけど、そんなもんどうでもよくなるくらい演奏のシーンが素晴らしかった。
序盤の七緒の指揮に引きずられるシーンと、ラストの本番のシーン。
どちらも場面がはっきりと思い浮かび、曲まで聞こえてきたかと思えるほどでした。
また、終盤にかけて印象的なセリフもちらほら。
引用したセリフは場面とも相まって、鳥肌物だったね。
作者の音楽への愛が満ち溢れた作品。
僕みたいに音楽に無知な人でも十分に楽しめるけど、特にクラシックに携わってきた人に読んでもらいたいな。 -
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■荷物を持って全国を駆ける!バイク便会社のワーキングコメディ
上司をぶん殴って一流商社を辞めた、吉原陶子24歳。いきなり目覚めた「ある能力」に相変わらず振り回されながらもバイク便会社・ユーザービスの風変わりな同僚たちとともに、手渡しで荷物を運ぶ「ハンドキャリー便」担当として騒がしい日々を送っていた。自転車メッセンジャー便担当の天然新人が加入したり、社長がスリ被害に遭ったり、過去に一件だけ起こった「配送事故」問題が再浮上してきたりと、事件が絶えない中……陶子自身にまさかの引き抜き話が降って湧き、大きな岐路に立たされることに――!?荷物を巡って東奔西走! 異色のワーキングコメディ第2弾。 -
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■誰かの想いがこもった荷物を運ぶため――吉原陶子24歳、全国を駆ける!
上司をぶん殴って一流商社を辞めた元OL、吉原陶子。同僚のツテであるバイク便運営会社に身を置くことになるが……職場の人々はとんでもなく個性的なメンツばかりだった!常に寝ぐせがついたままの社長・如月。強面で口の悪い“人間カーナビ”・菅野。少女趣味な女性ライダー・さおりん。そして、宣伝部長・大谷さん(オカメインコ)――。若干引きつつも長距離の荷物を手持ちで運ぶ「ハンドキャリー便」担当として仕事を始めた陶子だったが、あるときそんな彼らの個性をも凌駕する「ある能力」を身につけてしまい――!?荷物をめぐって東奔西走! 異色のヒューマンドラマ。