椎名誠のレビュー一覧
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シーナ氏の手による最新の、そしておそらくは最後の私小説。
前編(「大きな約束」)も良かったが、その後編となる本書もとても良かった。
これはなんというのだろう。大好きなシーナ氏の手による文章を読み進めるだけで、しみじみ読書のタノシミとシアワセを味わえる至福のひと時。いつまでも読み続けていたい。そう思わせてくれる、僕にとっては稀有な著者の一人なのだ。
本作(前編・後編とも)は、ある意味、大ベストセラー「岳物語」の後日譚。岳物語で小中学生だった主人公の岳が、19歳で米国西海岸に渡り、結婚し、子供も出来て、そして15年ぶりに家族で帰国することになった。そしてその大きな流れと並行して、著者・シーナ氏も還 -
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あっはっは!久々に読んだけどやっぱり面白いな。
北海道をキャンプで巡り、その期間の食事を「物乞い」とすることをルールと課したものの、メンバー地元民へのの過剰な交渉により「飽食グルメ」旅になってしまったというオチではあるけども、北海道の海の幸を中心に美味しいものをガツガツ食らう男どもの荒々しい旅を一緒に体験できたようでたのしかったです。とりあえず釧路のタンメン屋『仁』には行ってみたいし、『ウトロ漁業婦人部食堂』には近づかないようにしようと思います。
椎名誠の本は高校生の時読み漁って以来で、その内容はあまり思い出せないけど、だいぶ大人になってもそのクセのある乱暴な文章は覚えているし椎名節は未だ健 -
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人生のトップ3に入るダイスキな著者の私小説。
2009年の刊行だから、シーナ氏65歳時。なんと、今のオレと同い年じゃんか!
そう考えると、なんだか感慨深い。そして今年2024年にはシーナ氏80歳なのだ!
そして本書。
鮮烈かつ圧倒的感動に咽んだ伝説的私小説「岳物語」から幾星霜。岳も父親となり、シーナ氏は「じいじい」になった。なんともほのぼのとした情景が浮かぶ。そして本書の印象も、彼の実年齢に即した枯れ感というか、達観を感じさせる雰囲気と語り口を感じさせるのが、大のファンの一人としては、なんとなく寂しい気もしないでもない。
もう一作の続編の方も一気に読めそうだ。楽しみ。 -
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昔、国語の問題集の本文で、岳物語や岳物語2が使われていたのを記憶している。
岳は、自分というものをちゃんと持っていて、自分で考えて、やってみて、どんどん進んでいける強くて楽しい子だ。
岳を取り巻く人たちもみんなユニークで、頭でっかちよりも自分で体験してつかみとっていく実力を大切にして生きている、という印象をもった。
人の魅力とは、その体験の厚みで輝きが磨かれていく。
そんな気がした。
親と子はすれ違って、距離が出来ていくけれど、そういうぶつかる経験があるから、他者の立場に思いをはせることのできる人間となるのだろう、と思う。
いつまでも時間や感情を共有することは難しい。
しかし、無邪気に笑いあ -
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以前に読んだ時の岳物語は息子さんとのこと、 私的なことが描かれていて、なんとなく新鮮に読めた、という記憶がありました。
でも、今読んでみると印象がかなり変わっていることに気づきました。
今、自分の子供が、この中に書かれている岳少年と大体同じ年だし、 どうしても親の視点で読んでしまうのです。
昔は、たはは、とおかしかっただけのところが、
今読んでみると、 ”おとう、椎名誠”と同じようにハラハラドキドキしたり、不安になったり、
息子に捨てられる心配な気持ちが理解できたりして、
以前よりもかなりのめりこんで読んでしまいました。
最後の方で、岳少年が海に落ちた、と報告するところがあって、