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モンゴルでの映画「白い馬」の撮影で過ごした大草原でのロケ暮らし。北海道でクロカンスキーで山に入り、雪洞を掘ってチゲ鍋宴会。椎名誠の忙しくもたのしい生活が満載のエッセイ、赤マントシリーズ第五弾。巻末には電子書籍版の追加として「対談 椎名誠×目黒考二」「電子書籍版あとがき」「椎名誠の人生年表」を掲載。
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Posted by ブクログ
やはり、何度読んでも椎名誠のエッセイは面白いな〜と思える作品。 ちなみにタイトルの【ネコの亡命】は、本文中に少しだけ触れられる程度であって、このエッセイ集はほ とんどネコのことなど書いていない。そこがまた椎名誠らしくていいなぁ。 久しぶりに本を開いて1行目から笑った。タイトルは「野シャブ三昧」...続きを読む。けして怪しい話ではなくて、北 海道の別荘で野菜シャブシャブをしたという話である。 僕が椎名誠のエッセイを読んでいつも感心するのは、タイトルのつけ方だ。僕は本当にキャッチコピーと か、タイトルとか、ネーミングとかのつけ方センスがない人種なのでいつも椎名誠の本を手に取るたび に、いいな、すごいセンスだな、と指を咥えて羨ましがる習慣がついている。 この【ネコの亡命】【野シャブ三昧】を含め、そのほかにも【なめこの朝】【牛丼的な一日】【大日本ゴ ミ出し問題】【どっちがエライか】【さめざめと泣く女】【新幹線悶々苛々男】【にっぽんの夏 醤油の 夏】など、タイトルを見ただけでなぜだか興味をそそられるエッセイが目白押しなのだ。 このタイトルを見ただけでは内容がわからないので興味を引く、という点がミソだ。普通のタイトルで内 容がわからないのでは、そのエッセイ自体に興味を持ってもらえず読まれない可能性が高いのだが、なん だか気になるタイトルで目を引く、関心を惹きつけるというのは作家としてなくてはならない力量のひと つだと思う。 で、肝心のエッセイの内容は言わずもがなで面白い。相変らずの旅三昧。先日ここで紹介した国井律子も そうだが、旅っていいなぁ、憧れるなぁと思うこと間違いない。そして自分も旅に出たくなる。 カメラを抱えて旅に出て、文章を綴っていく。そんな生活に憧れを抱きつつも、まだまだそんなことは出 来ない自分の力量を嘆きつついつかは・・・と思う今日この頃でした。
本作は椎名誠さんが週刊誌に連載されたエッセイをまとめたもので、時期的には30年近く前に書かれたものとなります。ただエッセイとは言いましても椎名さんがアクティブに行動されていた頃(今でも十分アクティブではありますが)のものですので、北海道の別荘で大雪と格闘するエピソードや、映画撮影でモンゴルに長期間滞...続きを読む在した際の記録などがメインになっておりまして、旅行記と呼んでもそれほど違和感はないと思います。それで表題作の「ネコの亡命」はタイトルだけ見るとスパイ小説みたいで何だか意味ありげですが、これもモンゴル滞在時のお話で単にモンゴルでは猫は働かない動物なので日本のように愛玩用の目的で可愛がられることはなく、いつも足蹴にされているということです。なので猫たちは国境を越えてロシアや中国に移動しているのではないかという他愛のないお話で、何でこれを表題作として選んだのかは不明なのですが、まあそれを言うと椎名さんのエッセイ作品のタイトルは全部そんな感じではあるのですが。
赤マントシリーズ第5弾。『週刊文春』1993年12月2日号~1994年9月22日掲載分をまとめたもの。前半は日本国内を旅している話。後半は映画撮影のためモンゴル滞在の話。今からちょうど20年前の世相を垣間見ることができて、あのころはそうだったよな~と忘れかけていた風景を思い出させてくれて興味深い。た...続きを読むとえば、「北海道内ではYS-11が現役で飛んでいた」「新幹線のグリーン車は同じ車両内で喫煙席と禁煙席が分かれていた。当然禁煙席も煙だらけで意味がなかった」「雪国都市でスパイクタイヤが塵被害のため禁止されスタッドレスに」「冬の新幹線や飛行機はガンガンに暖房が効いていた。新幹線の温度計は29度。旅客は汗をダラダラ流してガマンしていた」「ゴミ袋の半透明化はこのころ」「ガソリンスタンドで客寄せのために市松模様の旗を店員が振り回していた」などなど。あー、そういうのあったあったと平成初期の日本の風景が蘇ってきて楽しかった。日々忙しくてストレスまみれでヨレヨレになっている今日このごろに、椎名作品で癒やされるのはささやかなヨロコビのひとつである。
僕がはじめて椎名誠の作品を読んだのは高校生の時だった。 その頃は、主に怪しい探検隊シリーズを中心的に読んでいた。この作品は某週刊誌の連載エッセイをまとめたものである。 赤マントシリーズとでもいうのだろうか。 エッセイごとに添えられている沢野ひとしのイラストもなんともいい味を出している。 寿司でいう所...続きを読むのわさび的役割を出していて椎名誠の文章をさらに味わい深くしている。 (05/2/5)
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