蓮實重彦のレビュー一覧

  • ショットとは何か
    自分にはまだ早い本だった。でも確実に大事なことが詰まっているという気配を感じた。筆者の語り口が面白く、映画の大体のストーリーの説明がとても分かりやすい。
    ここで紹介されたたくさんの映画を見ることがとても楽しみ。
  • ジョン・フォード論
    蓮實重彦によるジョン・フォード論。いつも通りの蓮實重彦節でジョン・フォードの主要作品を中心に、馬、投げるとこと、囚われによる自由、白いエプロンなどなどについて語りつつ、ジョン・フォードの映画の魅力を語る。当然ながら映画の魅力とはストーリーに還元されるものではなく、その映像、映像の連なりなどにあるわけ...続きを読む
  • 監督 小津安二郎〔増補決定版〕
    読みやすさ ★★★★
    面白さ ★★★★
    ためになった度 ★★★★★

    自分にとって、折りに触れて再読する本。難解と言われることもある蓮實の著作の中でも、相当わかりやすい部類に入る。何より、蓮實の小津に対するリスペクトがすごい。小津ファンに限らず、すべての映画ファンに読んでほしい一冊。
  • 監督 小津安二郎〔増補決定版〕
     小津の研究本は数多出ている。フランスでも人気だという。ローアングルなども言われ尽くしている。だからこそ実際に映画を見るのが一番。「東京物語」が傑作なのは周知だか、自分はカラー作品になってからの小津が好き。くすんだ赤をワンポイントにした画面がいい。また、今となっては貴重な昭和の衣装、街並み、会話が逆...続きを読む
  • ハリウッド映画史講義 ──翳りの歴史のために
    1920年代からのアメリカ史と映画史の話。絢爛豪華なハリウッドのイメージを解体して、非米活動委員会、スタジオ買収、監督の亡命などを翳りとして書く。おもしろい。映画からTVへ、そしてまたTVからネットへ、それらがサブスク映画へ、という現代を蓮實はどう書くんだろう。最新のものも読みたい。
  • 監督 小津安二郎〔増補決定版〕

    本当に時間がかかったが、ようやくこの大書を読破した。明らかにこの本を読む前と比べて映画の見方が変わった、というかふくらんだ。これまでのように説話論的な機能のみを求めて画面に注意を向けていると、見えていないものがあまりに多くなってしまいかねない、そんなリスクをはじめて認識した。
    「記念写真をとって...続きを読む
  • 見るレッスン~映画史特別講義~
    筆者初の新書だけに読みやすい。そして筆者が同時代の映画と常に対峙していることが素晴らしい。この本を読み、出てくる映画も観てみて、なんとなく「驚きと安心とが巧みに塩梅されているものが映画」という感覚が理解できるようになってきた。
  • 見るレッスン~映画史特別講義~
    蓮實さんの、映画をめぐるとりとめもないよもやま話、という趣き。特別に理論的だったり体系的だったりするところは一切なく、もうほんとに随想。いろいろ思い違いもあったりするみたいだけど、まぁでも世のほとんどの人に、蓮實さんのこういうリラックスした放談など聞く機会はないわけだし、意見の当否はまた別として先達...続きを読む
  • 伯爵夫人(新潮文庫)
    あまりにも幻想的かつ非現実的で滑稽。終始甘美かつ卑猥で淫らな戦闘の奇譚。
    伯爵夫人の口から語られることの真偽は如何にせよ、翻弄と籠絡と幻惑の一夜はするりと展開する。時が過ぎれば夢幻の如くその奇譚は薄れゆき、経験と記憶と現実が同化していく。
  • 伯爵夫人(新潮文庫)
    衝撃的な小説でした!
    今まで読んだことがない世界観と、文章のリズムが独特で、小説の世界にのめり込んでしまいます。
    が、作者の異色過ぎる世界観には到底理解が追いつかず、ぜひ再読したいと思います。
  • ハリウッド映画史講義 ──翳りの歴史のために
    蓮實重彦入門として良いかはわからないけど、文章は読みやすいほうだと思う。これからシネマヴェーラでこの本を土台にした特集もやるようだし、読んでおいて損はないです。
  • 監督 小津安二郎〔増補決定版〕
    映画を観るための新しい視点を提供してくれる、未だに強度の保った映画批評本。蓮實さんの本の中でも読みやすい。
  • 表層批評宣言
    高校生のときに読んで、何と手厳しい本かと思いました。40を過ぎて読み直してみると著者が書くようにエンタテインメントとして楽しく読めました。文体は真似したくなるほど魅力的です。
  • 表層批評宣言
    書かれている内容よりも、ただ紙面を流れていくハスミ節に圧倒されよう。といいながら、読むたびにハスミンであった昔の自分を恥ずかしながら思い出す、ある意味、青春の一冊。
  • 笑犬楼vs.偽伯爵
    お互い尊敬し合う表現者。
    過去の芸術作品に関する広範な記憶と繋ぎ合わせられる連想力。
    喫煙と一人息子の逝去。
    違うと思ったら意見をぶつける自分への率直さ。
  • 見るレッスン~映画史特別講義~
    手放しで褒めるものと、こき下ろすものの差がハッキリしてた。どっちの評価でも、名前が挙げられていたものはみたいな

    ロメールはわたくしの殺人リストの上位におりますってわろた
  • ショットとは何か
    映画そのものと映画にまつわる知識に圧倒され呆然とする。つまりまったく着いていけないのだが、映画の見方として大変刺激を受けた。そして表紙にもなっている「殺し屋ネルソン」も早速視聴してみたが、面白さが今ひとつわからなくて情けなくなっただけだった。簡単に撃ち殺すし、ネルソン。
    ーショットとは何かー 掴めた...続きを読む
  • ジョン・フォード論
    蓮實重彦さんのライフワークとも言える「ジョン・フォード論」がついに出版された。何年か前にもう一つのライフワーク「ボヴァリー夫人論」もでている。

    この2冊がでることはないだろうと勝手に思っていたのだが、本当に本になって驚きだ。

    さて、「ジョンフォード論」であるが、残念ながら、ジョン・フォードの映画...続きを読む
  • ショットとは何か
    蓮實重彦さんのライフワークの一つである「ジョン・フォード論」がついに出版されたのを知り、それを読むための準備運動として、こちらを読んでみました。

    インタビュー形式をとっているので、読みやすいかなと思ったのですが、やはりこれは「ショット」論なんですね。

    観たことのない映画、観ていても言及されている...続きを読む
  • 見るレッスン~映画史特別講義~
    著者の好みをオブラートに包むことなく、ストレートに表現し、見るべき監督、見るべきショット、見るべきカメラマン、を提示している。とはいえ、まずは好き嫌いせず多くの映画を見るべきだと解く本。
    まだまだ未見の作品が山のようにある。最近の日本映画で、本書に登場した作品で見てみたいと思ったものを列記しておく。...続きを読む