蓮實重彦のレビュー一覧

  • 見るレッスン~映画史特別講義~

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    冒頭で、映画を見る際重要なのが、自分が異質なものに晒されたと感じることだという。自分の好きなものを自由に見ればいいが、優れた映画はハッとする瞬間が必ずあるため、それを逃してはならない。このことをふまえて、著者は本書で邦画、洋画問わず、たとえ巨匠であったとしても、忖度なしに作品を褒めたり貶したりする。最後に改めて映画とは一体なにかと語る。

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    2025年11月22日
  • 見るレッスン~映画史特別講義~

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    蓮實重彦のストレートな物言いがとにかく面白い
    ただ、それは自分が蓮實重彦と映画の見方や好みが似ており挙げられる作品や監督を知っているからで、映画をあまり知らない人が読んで面白いと思うかは分からない

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    2025年10月18日
  • ショットとは何か

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    とても面白くて勉強になる。
    私は無学なのでドゥルーズや映画論はまるで分からないし、この本の理論の話もよくわかったとはとても言えないのですが、自分の中では持ち得なかった新たな映画の見方を学ぶことができました。

    とはいえ、私にはやはりゴールドウィンガールズは無個性の団体にしか思えないし、御大がカンターやバスビー・バークレイのどの辺りの運動性を多少でも評価されているのかや、タルコフスキーの雪はロシアでのタルコフスキーの情景なのだろうから同じように比べるものなのかもよく分からないのですが・・・・。

    御大の本を読むとクラシック映画の見たことのない多々の映画がどんなに素晴らしいものなのだろうとワクワク

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    2025年09月22日
  • 笑犬楼vs.偽伯爵

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    お互い尊敬し合う表現者。
    過去の芸術作品に関する広範な記憶と繋ぎ合わせられる連想力。
    喫煙と一人息子の逝去。
    違うと思ったら意見をぶつける自分への率直さ。

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    2023年02月28日
  • 見るレッスン~映画史特別講義~

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    手放しで褒めるものと、こき下ろすものの差がハッキリしてた。どっちの評価でも、名前が挙げられていたものはみたいな。「ロメールはわたくしの殺人リストの上位におります」ってわろた。

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    2025年03月31日
  • ショットとは何か

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    映画そのものと映画にまつわる知識に圧倒され呆然とする。つまりまったく着いていけないのだが、映画の見方として大変刺激を受けた。そして表紙にもなっている「殺し屋ネルソン」も早速視聴してみたが、面白さが今ひとつわからなくて情けなくなっただけだった。簡単に撃ち殺すし、ネルソン。
    ーショットとは何かー 掴めたとは言えない。

    デヴィッドボードウェルの「180度の規則」に対する見解に執拗に噛みついてる項はとても面白かった。

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    2023年01月22日
  • ジョン・フォード論

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    蓮實重彦さんのライフワークとも言える「ジョン・フォード論」がついに出版された。何年か前にもう一つのライフワーク「ボヴァリー夫人論」もでている。

    この2冊がでることはないだろうと勝手に思っていたのだが、本当に本になって驚きだ。

    さて、「ジョンフォード論」であるが、残念ながら、ジョン・フォードの映画はみたことがなく、もしかすると1つか、2つはみたのかもしれないが、記憶にはのこっていない。

    そんな状態で読んでどうなると思いつつ、読んでみた。映画に関する本としては、もう一つの「主著」ともいえる「監督 小津安二郎」をほぼ映画をみてない状態で読んで、それ以降、小津安二郎のみることができる全作品をみる

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    2023年01月08日
  • ショットとは何か

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    蓮實重彦さんのライフワークの一つである「ジョン・フォード論」がついに出版されたのを知り、それを読むための準備運動として、こちらを読んでみました。

    インタビュー形式をとっているので、読みやすいかなと思ったのですが、やはりこれは「ショット」論なんですね。

    観たことのない映画、観ていても言及されているショットをほとんど覚えていない映画、名前も聞いたことのない映画の話が矢継ぎ早にでてきて、久しぶりの蓮實さんの映画論ワールドを堪能しました。

    映画の「ショット」という概念について語っているわけですが、内容としては、これまでの蓮實さん的な映画をみる視点が変わるわけではなく、これまで同様の話しがショット

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    2022年09月07日
  • 見るレッスン~映画史特別講義~

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    著者の好みをオブラートに包むことなく、ストレートに表現し、見るべき監督、見るべきショット、見るべきカメラマン、を提示している。とはいえ、まずは好き嫌いせず多くの映画を見るべきだと解く本。
    まだまだ未見の作品が山のようにある。最近の日本映画で、本書に登場した作品で見てみたいと思ったものを列記しておく。

    溺れるナイフ
    よこがお
    淵に立つ
    旅のおわり、世界のはじまり
    嵐電
    きみの鳥はうたえる
    ホットギミック
    寝ても覚めても

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    2022年05月08日
  • 帝国の陰謀

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    インテリを気取るための本としては、ギリギリ自分のような凡人でもついていけるレベル。読んでいて刺激はあったし、決して無駄な時間を過ごした、との後悔も引き起こさなかった。
    むしろ不勉強で詳しくなかった第二帝政期に興味を持てたことは収穫でした。

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    2022年01月12日
  • 見るレッスン~映画史特別講義~

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    今まで著者の書籍は手に取ったことがあるものの、私にとってあまりに難解で、通して読むことができなかった。
    本書は著者自身初の新書で、比較的読みやすい部類に入ると思われる。
    俳優やスタッフの名前(特にフランスが多い)で知らない者も多く、著者の知識の深さ・広さには驚かされた。
    映画のあらすじには関心が無いようで、むしろカメラワークへの言及が多く、そうしたところを映画では見るのか、と勉強になった。
    ドキュメンタリー映画を撮る小森はるか氏という名前も初めて目にし、今後の映画選びの参考にすることもできた。
    とはいえ、時には有名な映画監督、俳優らを徹底的にこき下ろすこともしている。それだけはあまり好きにはな

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    2021年11月02日
  • 見るレッスン~映画史特別講義~

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    いつもは難解で読みづらいけど、口頭筆記の新書で読みやすかった。知らなかった映画作家を知ることができるし、辛辣に批判されてるのがすごいなぁと思う。失われたプリントを捜索してこそ、映画批評家だという気概はすごい。ここで紹介されてる映画を少しづつ見ていきたい。

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    2021年04月05日
  • 見るレッスン~映画史特別講義~

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    蓮實重彦ってめちゃくちゃアカデミックの権化みたいに思っていたけど、
    インタビューを元に文章が構成されているせいか、読みやすかった。

    MCUから山戸監督までバッサバッサと斬っていく。
    かと思えば、三宅唱監督や濱口監督はベタ褒めで、ストレートな映画ファンじゃんって思った。

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    2021年02月07日
  • 見るレッスン~映画史特別講義~

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    はっきり基準があって斬っているのはいい。さすが筋金入り。いいと思っていないのに世間的な評価の高い監督らには実に辛辣。

    1ヶ所脱字を見つけてしまった。

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    2021年01月12日
  • 見るレッスン~映画史特別講義~

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    (01)
    新書というからには、映画の「現在」(*02)を扱っている。ハリウッドのデヴィッド・ロウリーやケリー・ライヒャルトといった作家を挙げ、邦画では、濱口竜介や三宅唱、小森はるか、小田香といった面々を推している。しかし、こうした現代の注目作家を並べた上で、映画史として振り返る素振りをもって、映画の誕生から起こってきたこととそれについての見解を、上映時間、サイズ、トーキー、ショット、運動、ドキュメンタリーとフィクション、キャメラマンや美術といった分類で述べ立てている(*03)。ヌーベルバーグの頃に、フランスに留学中であった著者は、その映画体験を語り、批評誌「カイエ・デュ・シネマ」への批評も加え

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    2020年12月30日
  • ハリウッド映画史講義 ──翳りの歴史のために

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    ハリウッド黄金期(最盛期)とヌーヴェルヴァーグ
    或いは、光が何であり、翳りが何であるか
    映画は、30年代後半のハリウッド映画最盛期に映画が約束してくれた無意識の喜びを、もはや保証してくれない。いまそれを映画に求めることは、時代錯誤の振る舞いでしかないだろう。
    陶酔へと誘うものではなく、たえざる覚醒へと導く不幸な対象としての映画。
    人々は、50年代作家たちとともに、映画には歴史があり、また歴史が映画をつくるというごく当たり前の事実を身をもって学んだのだ。そのことに自覚的たりうるものだけが、なお映画を撮り、なお映画を見ることが許されている。

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    2020年03月10日
  • 伯爵夫人(新潮文庫)

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    極めて難解。強烈な猥褻表現に囚われて非難する向きもありそうだが、一読でそちらに重点がないことは明らか。全ての性的表現が強烈ではあるものの、極めて陳腐であり、それが飽くことなく繰り返されていることから、意図的であることが見て取れる。そしてまた、伯爵夫人が回想してみせる戦争場面なども、これ見よがしの繰り返しになっている。これは意図的に繰り返しを重ねることで意図的に『嘘くさい』表現を作り出しているのだろう。

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    2020年02月13日
  • 監督 小津安二郎〔増補決定版〕

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    (01)
    小津の作家論ではあるが,映画論,ひいては視覚芸術論としても読める.
    各作品についてそれぞれ論究してまとめたわけではないし,小津の生い立ちや人生から作品に現れたものを観察したわけでもない.映画を視覚そのまままに見えてくるものを,徹頭徹尾,ひたすらに記述しようという試みである.
    また,黒澤,溝口,成瀬といった同時代の映画作家たちとの比較や,小津が大きな影響を受けたハリウッド映画との比較を主題においたものでもない.
    その観照と記述を突き詰めたとき,映画が映画だりうる限界を本書は発見している.著者は,小津の映画に見られる衣食住(*02)の特徴的な現われ方から説き起こし,映画に起こっている運動

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    2019年11月28日
  • 伯爵夫人(新潮文庫)

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    あけすけな官能と戦争とが入れ替り立ち替りで全てが虚のような、でも戦争は現実なのだということを歴史で学んで知っているからこそのやるせなさというか…言葉にするのが難しい。
    すごい疾走感とドタバタともいえるエロと不意に容赦なくとどめをさしてくるこの感じ、解説も書いている筒井康隆を読む感覚と通じるところがあって、とても好きだった。

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    2019年01月09日
  • ハリウッド映画史講義 ──翳りの歴史のために

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    光あるところには影がある。絢爛豪華な大作のそばには多くのB級映画が存在し、それらは決して低予算、低俗なものではなかった。そんな映画史の一面に光をあてた労作。

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    2018年04月07日