蓮實重彦のレビュー一覧

  • 帝国の陰謀
    インテリを気取るための本としては、ギリギリ自分のような凡人でもついていけるレベル。読んでいて刺激はあったし、決して無駄な時間を過ごした、との後悔も引き起こさなかった。
    むしろ不勉強で詳しくなかった第二帝政期に興味を持てたことは収穫でした。
  • 見るレッスン~映画史特別講義~
    今まで著者の書籍は手に取ったことがあるものの、私にとってあまりに難解で、通して読むことができなかった。
    本書は著者自身初の新書で、比較的読みやすい部類に入ると思われる。
    俳優やスタッフの名前(特にフランスが多い)で知らない者も多く、著者の知識の深さ・広さには驚かされた。
    映画のあらすじには関心が無い...続きを読む
  • 見るレッスン~映画史特別講義~
    いつもは難解で読みづらいけど、口頭筆記の新書で読みやすかった。知らなかった映画作家を知ることができるし、辛辣に批判されてるのがすごいなぁと思う。失われたプリントを捜索してこそ、映画批評家だという気概はすごい。ここで紹介されてる映画を少しづつ見ていきたい。
  • 見るレッスン~映画史特別講義~
    蓮實重彦ってめちゃくちゃアカデミックの権化みたいに思っていたけど、
    インタビューを元に文章が構成されているせいか、読みやすかった。

    MCUから山戸監督までバッサバッサと斬っていく。
    かと思えば、三宅唱監督や濱口監督はベタ褒めで、ストレートな映画ファンじゃんって思った。
  • 見るレッスン~映画史特別講義~
    はっきり基準があって斬っているのはいい。さすが筋金入り。いいと思っていないのに世間的な評価の高い監督らには実に辛辣。

    1ヶ所脱字を見つけてしまった。
  • 見るレッスン~映画史特別講義~
    (01)
    新書というからには、映画の「現在」(*02)を扱っている。ハリウッドのデヴィッド・ロウリーやケリー・ライヒャルトといった作家を挙げ、邦画では、濱口竜介や三宅唱、小森はるか、小田香といった面々を推している。しかし、こうした現代の注目作家を並べた上で、映画史として振り返る素振りをもって、映画の...続きを読む
  • ハリウッド映画史講義 ──翳りの歴史のために
    ハリウッド黄金期(最盛期)とヌーヴェルヴァーグ
    或いは、光が何であり、翳りが何であるか
    映画は、30年代後半のハリウッド映画最盛期に映画が約束してくれた無意識の喜びを、もはや保証してくれない。いまそれを映画に求めることは、時代錯誤の振る舞いでしかないだろう。
    陶酔へと誘うものではなく、たえざる覚醒へ...続きを読む
  • 伯爵夫人(新潮文庫)
    極めて難解。強烈な猥褻表現に囚われて非難する向きもありそうだが、一読でそちらに重点がないことは明らか。全ての性的表現が強烈ではあるものの、極めて陳腐であり、それが飽くことなく繰り返されていることから、意図的であることが見て取れる。そしてまた、伯爵夫人が回想してみせる戦争場面なども、これ見よがしの繰り...続きを読む
  • 監督 小津安二郎〔増補決定版〕
    (01)
    小津の作家論ではあるが,映画論,ひいては視覚芸術論としても読める.
    各作品についてそれぞれ論究してまとめたわけではないし,小津の生い立ちや人生から作品に現れたものを観察したわけでもない.映画を視覚そのまままに見えてくるものを,徹頭徹尾,ひたすらに記述しようという試みである.
    また,黒澤,溝...続きを読む
  • 伯爵夫人(新潮文庫)
    あけすけな官能と戦争とが入れ替り立ち替りで全てが虚のような、でも戦争は現実なのだということを歴史で学んで知っているからこそのやるせなさというか…言葉にするのが難しい。
    すごい疾走感とドタバタともいえるエロと不意に容赦なくとどめをさしてくるこの感じ、解説も書いている筒井康隆を読む感覚と通じるところがあ...続きを読む
  • ハリウッド映画史講義 ──翳りの歴史のために
    光あるところには影がある。絢爛豪華な大作のそばには多くのB級映画が存在し、それらは決して低予算、低俗なものではなかった。そんな映画史の一面に光をあてた労作。
  • 表層批評宣言
    リアル本棚の一番左上の端にいつもある。
    大学時代に読んで「まえがき」にヤラレた。
    徹底的な表層批評は、書く側ー読む側の構造力学をシンプルにした。
    ナカミは、読まなくてもイイ。
    「まえがき」だけ読んでみるといい。

    それは、読む側の勝手なのだから。
  • 笑犬楼vs.偽伯爵
    口の汚い頑固な爺さん2人の罵り合いを期待していたのに、見事にうらぎられる!
    互いに気を遣い合うかの如き美辞麗句の数々!

    それにしても、蓮實さんが「◯◯させていただく」表現を連発していることに、ガッカリしました…。
  • 齟齬の誘惑
    難しくてとばしたところもあり。

    最後の文庫本にあたってで、大学やイベントの挨拶で、あえて普通の型にはまったことを言わないようにしてたということで納得。

    知識と経験から、こうも物事を違うこと角度捉え方、表現ができるのかとため息がでる...

    塔から寄港地へ。
  • ショットとは何か
    あらゆる映画を見て、そこにあるショットの良し悪しを具体のシーンを引き合いに出しながら説明する本。まだまだ自分は映画詳しいと言えないなと思った。
  • 笑犬楼vs.偽伯爵
    すこし驚いたのが、筒井が最近「二件の出版社に断られた」と書いてた部分。コンプラが厳しいといった文脈だったが、筒井康隆の小説でも断られるんだといった感じ。

    内容の半分近くは大江健三郎の話が占める。
    年寄りのふたりなので内容も戦前から最近まで幅広く、固有名詞も多いが、わからなくても語り口が軽快で口語調...続きを読む
  • ハリウッド映画史講義 ──翳りの歴史のために
    1935年以降のアメリカ映画史をつづった教養書。いろいろと勉強になるが、人名がたくさん出てくるのと、文章が読みづらいので、じっくり読まないと途中でわからなくなる。キューブリックとコッポラに関する記述が興味深かった。
  • 伯爵夫人(新潮文庫)
    著者(元東大総長)の作品は初読みとなりましたが、本作の評価は分かれるんだろうなぁ...

    テーマは「戦争とエロ」、帝大受験を控えた二朗とその前に現れた和装の女。「金玉潰し」の凄技で男を懲らしめるという妖艶な伯爵夫人のW主演作品。





    説明
    内容紹介
    ばふりばふりとまわる回転扉の向こう、帝大受験...続きを読む
  • 見るレッスン~映画史特別講義~
    映画の見方の本。著者は映画評論家。
    映画評論も色々あるが、この本では映画の作り手、プロデューサーや監督カメラマンについて、著者の考え方を記す。 前半は日本映画について述べているが、自分は最近の日本映画をほとんど見ていないので話が全くわからなかった。読み進めても、見てない映画、知らない映画監督の話ばか...続きを読む
  • 見るレッスン~映画史特別講義~
    こういうのがダサいのはわかってるんだけど、濱口竜介と三宅唱がめちゃくちゃ褒められてて、蜷川美花や山戸結希の悪口が書かれてるのを見て気持ちよくなってしまった。