蓮實重彦のレビュー一覧
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著者が東大総長だったときの入学式や卒業式の式辞、各種式典やシンポジウムでの祝辞や挨拶、広報誌等への寄稿文、それに小津映画に関する講演等をまとめた一冊。
著者はあとがきで「入学式の式辞なり祝辞なり来賓挨拶なりを、そのつど真剣かつ真摯に書いていたということができようかと思う」としているが、確かにその通りだと思う。(自分もあいさつ文の案を結構書いたりしたので、本書収録の文章を読んで、それを実感した。)
特に印象に残ったのは、大学の歴史とこれからの大学の在り方について論じたところ。中世ヨーロッパに成立した、神学や形而上学を学問の中心に据えていた「第一世代の大学」、これはその背後に「神」や「真理」のような超越的な秩序を備えていた。次に、19世紀前半、国民国家の近代化にふさわしい制度として生まれた大学、ここでは人間が知識の主体として位置付けられ、真実の位置が大学に移行するという転回が起こった。それを象徴するのが縦の垂直の構造である「塔」。それに対し、これから求められるものはネットワーク型の横の組織、人の交流のある「寄港地としての大学」、それを「第三世代の大学」、と著者は名付ける。
このように東京大学総長として著者が語っていたのが、およそ四半世紀前。大学法人化等大学を取り巻く環境はだいぶ変化しているようだが、外部にいる自分のような人間には、その内情は良く分からないものの、少なくとも大学全体としては良い話はほとんど聞かない。日本の研究・教育はどうなっていくのだろうか。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ著者(元東大総長)の作品は初読みとなりましたが、本作の評価は分かれるんだろうなぁ...
テーマは「戦争とエロ」、帝大受験を控えた二朗とその前に現れた和装の女。「金玉潰し」の凄技で男を懲らしめるという妖艶な伯爵夫人のW主演作品。
説明
内容紹介
ばふりばふりとまわる回転扉の向こう、帝大受験を控えた二朗の前に現れた和装の女。「金玉潰し」の凄技で男を懲らしめるという妖艶な〈伯爵夫人〉が、二朗に授けた性と闘争の手ほどきとは。ボブヘアーの従妹・蓬子や魅惑的な女たちも従え、戦時下の帝都に虚実周到に張り巡らされた物語が蠢く。東大総長も務めた文芸批評の大家が80歳で突如発表し、読書界を騒然とさせた三島由紀夫賞受賞作。
内容(「BOOK」データベースより)
ばふりばふりとまわる回転扉の向こう、帝大受験を控えた二朗の前に現れた和装の女。「金玉潰し」の凄技で男を懲らしめるという妖艶な“伯爵夫人”が、二朗に授けた性と闘争の手ほどきとは。ボブヘアーの従妹・蓬子や魅惑的な女たちも従え、戦時下の帝都に虚実周到に張り巡らされた物語が蠢く。東大総長も務めた文芸批評の大家が80歳で突如発表し、読書界を騒然とさせた三島由紀夫賞受賞作。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
蓮實/重彦
1936(昭和11)年東京生れ。東京大学文学部仏文学科卒業。’85年、映画雑誌「リュミエール」の創刊編集長、’97(平成9)年から2001年まで第26代東京大学総長を務める。文芸批評、映画批評から小説まで執筆活動は多岐にわたる。’77年『反=日本語論』で読売文学賞、’89年『凡庸な芸術家の肖像 マクシム・デュ・カン論』で芸術選奨文部大臣賞、’83年『監督 小津安二郎』(仏訳)で映画書翻訳最高賞、’16年『伯爵夫人』で三島由紀夫賞をそれぞれ受賞。著書多数。’99年、芸術文化コマンドゥール勲章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) -
Posted by ブクログ
映画の見方の本。著者は映画評論家。
映画評論も色々あるが、この本では映画の作り手、プロデューサーや監督カメラマンについて、著者の考え方を記す。 前半は日本映画について述べているが、自分は最近の日本映画をほとんど見ていないので話が全くわからなかった。読み進めても、見てない映画、知らない映画監督の話ばかり。この本の内容を理解するには、古今東西の映画を何でも見ている事が前提で、よほどの映画マニアでないと 難しいように思う。また著者は好き嫌いもはっきりしていて、自分がいい映画だなと思っていたものが、残酷なくらいけなされていたりする。自分の好みを押し付ける講義というのは、講義になるのか。参考になる話やエピソードもあって面白い部分はあったけれど、見るレッスンというタイトルが何なのか、最後までよく分からなかった。