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私もシロさんのごはんが待ってる家に帰りたい…。
堅実を絵に描いたような弁護士・筧史朗とお気楽に見える美容師・矢吹賢二は、「シロさん」「ケンジ」と呼び合う40代のゲイカップル。そしてシロさんは、近所のスーパーマーケットの底値を把握し、無駄なお金を使わずに日々の食事を栄養バランスよく作ることを楽しんでいる。そんな二人の日常が食生活を軸にして描かれた作品、と聞いたらもしかすると、自分とは似ても似つかぬ人生なのかなぁ?と思う人もいるかもしれません。作品の中では実際、カミングアウトに対するシロさんとケンジの考え方の違いやゲイコミュニティならではのお話も出てきます。でも、体形の変化や老眼に加齢を実感したり、親の病気に直面して改めて親に対する感情が揺さぶられたり、美味しいごはんを好きな人と食べたりするような、誰にでも起こり得る日常も、大げさでこそないけれど、淡々と積み重なっていくのがこの作品のじんわり素敵なところ。おまけに、お話としてもおもしろい上に、レシピ本を超越したメニュー決定本でもあるのです。しかも、気取りのないおうちごはんにぴったりなものばかり。単品料理は作れるけど、一汁三菜を用意するとなったら途端にどこから手を付けていいかわからなくなるあなたに絶対おすすめです。
Posted by ブクログ
シロさんが、大晦日、実家に帰った時、久しぶりに母親の作るトンカツを食べた。普段シロさんはトンカツなんて、カロリーが高くて手間のかかるもの作らない。「久しぶりにおいしかった。」と言ったら!母親も「普段お父さんと二人ならトンカツなんて食べないけど、あなたが帰ってきたから食べられたのよ。」。滲みるなあ。この会話。旦那の実家の母親もきっとそうだと思う。久しぶりに帰る子供や孫のためにがっつり料理を作ってくれる。面倒だけど、幸せなのかもしれない。
それに、「トンカツのとき、卵に水を混ぜで溶いておくと、卵1個で、豚肉900gくらいまで付けられる」とか「切り干し大根の煮物には甘みを入れなくても、照りが出るまで完全に水分を飛ばすと、切り干し大根の甘みだけで良い。最後にぐっと味が濃くなるから、しょうゆは少なめで」というような、手抜きで、余分な調味料を使わない、素材の味を引き出す母の知恵!流石です。
今巻もどれも美味しそうだったけど、一番読んでいて満腹感を得られるのは、「おいし〜い!」と言うときのケンジの幸せそうな顔だな。その料理を美味しく食べてくれる人がいてこそ、作っていて幸せなんだ。相手が異性でも同性でも、パートナーってほんとに大事だよね。
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