書店でふと目に留まった一冊が『カウンセリングとは何か』でした。
ドイツでカウンセリングの仕事をしている友人の顔が浮かび、数ページめくってみたところ、とても興味を惹かれ、その場で購入しました。
読み進めていくうちに、登場人物の語りと自分の過去が重なり、思わず涙がこぼれてしまいました。
この本は単なる理論書ではなく、読者自身の記憶や感情を静かに呼び覚ましてくれる力を持っていると感じました。
とくに印象に残ったのは、「人間関係のつまずきの根っこには、親との関係や幼少期の経験がある」という視点です。
その言葉に触れたとき、私は「今の私は、また新しい自分に出会えるかもしれない」と感じました。
本書を読み進める中で、私は長いあいだ抱えてきた「過去の解釈」が変化していくのを実感しました。
それまでの私は、
・母に否定された子ども
・価値のない自分
・ひとりで耐えるしかなかった私
という物語の中で生きてきたように思います。
その物語は、現在の遠距離恋愛にも影響していました。
仕事でプレッシャーを感じる日々の中で、「寂しい時にもう少し連絡が欲しい」と彼に伝えましたが、関係は大きく変わりませんでした。
そのとき感じた「頼れない」「後回しにされている」「わかってもらえない」という苦しさは、実は過去から続く感覚だったのだと気づきました。
しかしその後、『親子の法則』という本のワークに取り組むことで、母との関係を違う角度から見ることができました。
母は私に厳しい言葉を向けたことがありました。それでも同時に、母子家庭という環境の中で必死に生きていた人でもあったのだと理解できました。そして私は、気づかないうちに確かに母から愛されてもいたのだと実感しました。
この気づきが腑に落ちた瞬間、胸の奥がふっと軽くなり、長年背負っていた重りが少し外れた感覚がありました。
今振り返ると、苦しかった過去は決して無駄ではありませんでした。
その経験を通して、私は
・自分の感情に気づく力
・他者に共感する力
・自分を振り返る力
を育ててきたのだと思います。
そして何より、今の私はもう「ただ傷ついた子ども」ではありません。
気づき、選び直し、前に進んでいける大人になりつつあると感じています。
心は、今とても静かです。
それは諦めではなく、安心に近い静けさです。
もし過去に痛みを抱えている方がいらっしゃるなら、その痛みを無理に消そうとしなくていいし、無理に許す必要もないと思います。
ただ、見る角度を少し変えるだけで、人生の物語は優しく変わるのかもしれません。
私は『カウンセリングとは何か』と出会えて本当によかったです。そして自分の心と向き合えてよかったと思っています。
本書は『親子の法則』ととても相性が良いと感じました。両方を合わせて読むことで、自分の過去と現在をより深く理解できるように思います。