小林朋道の作品一覧
「小林朋道」の「苦しいとき脳に効く動物行動学」「絵でわかる動物の行動と心理」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
『先生!』シリーズの著者によるエッセイ。
エッセイといっても、日常を切り売りするようなそれではなく『先生!』シリーズの根幹というか根っこの部分を丁寧に紐解いて、その上で新たに編み上げたような内容。
『先生!』シリーズは大学教授としての立ち位置が強く出てくるが、こちらの本はあくまで動物行動学者としての著者の軌跡と立ち位置を主体にしている。
私がまだ学生だった30年くらい前、動物行動学というものはもっと客観的な視点と思考で取り組むものだという主張が多かった。感情を交えないことが学術的だとされていた訳だが、小林朋道氏はそれに真っ向から対立する論を展開している。氏は繰り返し主張している。動物の行動学というが、そこで見いだされる主体は人間だ。動物はいわば鏡であると氏は主張しているのだろうと私は解釈した。
観察者が主観を完全に捨てることは不可能だ。それを考えたならば、感情の出処を踏まえ擬人化の有効性を理解し、自分自身を観察する方が有効だろう。
少々小難しい感想を書いたが、文章も洒脱で面白いこの本は単なる書物として楽しんで良いと思う。それこそ、著者が動物に触れ観察したのと同じように楽しめば良い。