石牟礼道子の作品一覧
「石牟礼道子」の「あやとりの記」「綾蝶の記」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
- 作者をフォローする
- フォローすると、この作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
「石牟礼道子」の「あやとりの記」「綾蝶の記」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
ビジネス・実用
小説・文芸
小説・文芸
Posted by ブクログ
石牟礼道子さんの料理関係本。
九州での子供の頃の思い出や、大人になってから料理したエピソードなど。
子供の頃のエピソードの記憶力がエグい。
料理本と言ってもレシピ本では全くない。レシピをあえて載せないとかではなく、本人も勘で作っているものなのでレシピが存在しない模様。読む方はどちらかというと料理そのものについて知りたいのではなく、その料理を中心としたその当時の出来事や人々のエピソードを読んで楽しむという形。
相変わらずの素晴らしい語彙や文才が溢れて、まるで自分もそこにいるかのような情景が目に浮かぶ。
ただところどころで都会もんを見下していると言うか憐れんでいる描写があるのがちょっと「おぉ…」となる。東京のグルメもんはこんなカスい野菜や魚を食べて美味しいとか言ってるんだ、みたいな。
実際どうなんだろう。昔の野菜のほうが美味しいとか栄養価が高いというのはあったんだろうか。今となっては知る由もないが。
「獅子舞」というエピソードで小さい弟が獅子舞に怯えきってしまったので、中の人たちが出てきてあやしてくれたり、どこかから千歳飴を出してプレゼントしてくれたとか、追いかけて鯛となますやお屠蘇をアーンでご馳走したなど、全体的に良すぎる。
そして「よくよくみれば、若者の額やのど元には汗がびっしょりで、紺の腹がけの胸元にも汗が滲み出ている。のちのち思えばあれが、いなせというのか、紺の刺子の腹がけの、胸元の汗の男らしかったこと。」というエロスまである。
「からし菜」の章では「抜群の香りと青くさいような風味。そして歯ざわりのよさ。躰のすみずみがおどろきめざめてゆくような、ぴりぴりと諧調のある辛み。冬の土に育てられたみずみずしい真緑。これは炊きたての白い御飯にかぎる。試しに鰹節をまぶして食べた。ゆたかなる聖餐と思う。」という、自分もすぐに同じものを食べたくなる描写。天才すぎでは?
Posted by ブクログ
貧しい天草から薩摩に移住した集落の人々を軸に、文字を学ぶ機会がなかった地域の人々が語り伝えてきた西南戦争の記憶を聞き書きした作品。「六道御前」と「草文」は、のちに「まるまるのフィクション」だったことが石牟礼本人から明かされている。
改めて読み直すと、「1970年代」という時代性を感じるテクストではある。第一に、国家の権力とは別の位相で誠実かつしたたかに生きてきた民衆たちと、彼らが作り上げた共同体に対する(たぶんにノスタルジーを含んだ)関心という点で。第二に、反抗・抵抗の契機として西南戦争を見直していくまなざしという点で。前者の関心はいわゆる「民衆史」的な問題意識と接続するし、後者は労働運動・学生運動の「その後」への思いを感じてしまう。おそらくこの二つのベクトルが交差するところに、大江健三郎の『万延元年のフットボール』のような思考が生起するのだろう。