ビジネス・実用 - 中央公論新社作品一覧

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  • 樋口一葉赤貧日記
    4.0
    貧乏なのに、紙幣の顔。生まれは裕福、晩年は借金三昧。いくら稼ぎ、いくら借り、何を買い、何を思ったのか?金銭事情で読み解く、日本初の女性職業作家の新しい姿。
  • 悲劇の誕生
    3.0
    ギリシア悲劇の起源を問題にする体裁をとりながら、ニーチェの内部に渦巻いていたあらゆる主題が未分離のまま投げ込まれ、強い衝迫力をもってせまってくる。今日なお「問題の書」。
  • 非国民な女たち 戦時下のパーマとモンペ
    3.9
    「贅沢は敵」と批判されたパーマネントは、実は戦中も大流行しており、客は店に大行列、防空壕にもパーマネント機が持ち込まれていた。モンペは日中戦争開始後、防空演習で着用され注目を集めたが、実際にはすぐ下火になり、「モンペが不格好で不人気だから防空演習への参加率が悪い」と取り沙汰されたりした。戦時期は統制経済や節約といったイメージで語られがちだが、女性の洋装が広まり、お洒落の意識が変化した時代でもある。統制と流行と近代化の狭間で大きな社会問題となった、女性たちの「お洒落」とは。
  • 非常時のリーダー学
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 (目次より) ●〔対談〕コロナ禍で3・11の反省は生かせたか 「権力行使という難問」に挑む民主国のリーダーたち 遠藤 乾×三浦瑠麗 ●〔対談〕カエサルの大局観、大久保利通の独裁力…… 古今東西の偉人に学ぶ危機突破の要諦 御厨 貴×本村凌二 ●「感染防止至上主義」の有権者が政権に求めるもの 世論調査に見るコロナ下の理想のリーダー像 遠藤晶久×三村憲弘×山﨑 新 ●ポスト工業社会と「賢い財政」 二重の危機における明日を切り拓く 神野直彦 ●文明危機の今こそグランドデザインを AIが示唆する「分散型」と超長期視点にみる「定常化」 広井良典 ●民意の把握と迅速な政策立案というジレンマ 熊本県知事は「緑の流域治水」を「球磨川モデル」になしうるか 今井亮佑 ●民主党政権の原発事故対応から学んだ政治家の役割 国家の危機に命を懸けるのは誰なのか 細野豪志
  • 火付盗賊改 鬼と呼ばれた江戸の「特別捜査官」
    4.0
    江戸の放火犯・盗賊・博徒を取り締まった火付盗賊改。時代小説では颯爽たるイメージだが、江戸庶民の評判は必ずしも芳しくなかった。不透明な捜査手法、苛酷な取調べには幕閣も眉をひそめた。捕物名人と呼ばれて人気を博し、無宿人対策の人足寄場創設に尽力した長谷川平蔵などは例外的であった。当時の随筆や世相風聞録をも博捜し、時の権力者や大盗賊たちとの関わりも絡め、功罪相半ばした火付盗賊改の活動の実態に迫る。
  • 筆順のはなし
    4.3
    その順で、本当に正しい?実は筆順に「唯一の正解」はない。だからといって、決して不要というわけではない。いつ誰がどのように決めたのか等々、謎を解き明かしながら、本書は、筆順のルール、指導法を説明。正しい知識を得たい人、美しい文字を書きたい人へ、目から鱗の一冊。
  • 秀吉と海賊大名 海から見た戦国終焉
    3.8
    信長・秀吉・家康が天下統一をめざした時、鍵となった地域が瀬戸内である。とくに伊予(現在の愛媛県)は中国・四国・九州を結ぶ「かなめ所」(秀吉の朱印状より)であった。瀬戸内海で活躍した村上氏・来島氏ら海賊衆と彼らを束ねた河野氏・毛利氏ら「海賊大名」は、秀吉など東国勢力との衝突を余儀なくされる。信長が始め、秀吉・家康が引き継いだ「革命」は、地方の人々をいかに翻弄したか。愛媛出版文化賞第1部門受賞。
  • ヒト―異端のサルの1億年
    3.5
    1巻1,012円 (税込)
    1億年前、インドとマダガスカルからなるレムリア大陸で霊長類は産声を上げた。2000万年前には東南アジアの失われた大陸スンダランドで類人猿が進化し、アフリカに到達したその仲間からヒトが生まれる。華奢な骨格と裸の皮膚、巨大脳をもつ、異端なサル=現代人は、いつ、どこで生まれたのか。そして日本人の祖先はどこからやってきて、どこに行こうとしているのか。サルから日本人へのはるかな足跡を追う。
  • 秘湯マニアの温泉療法専門医が教える 心と体に効く温泉
    3.5
    温泉は一生楽しめる深イイ~趣味です。現役医師が自ら215箇所を巡って選んだ秘湯・名湯の数々。温泉の効能から、最新情報、心と体が健康になるための賢い温泉利用法を解説。また、温泉にまつわる言い伝えや歴史、温泉文化についても幅広く言及。知れば知るほど面白い、心も体もキイキしてくる温泉の世界へ誘います。
  • 一枝の桜 日本人とはなにか
    4.5
    日本人の美的世界・倫理的世界を善意な眼差しで概観しながらも、「慇懃と粗暴」「礼儀正しさとモラル破壊」「思慮深さと見栄っ張り」「同情心と冷淡」「慎み深さと思い上がり」といった相反する要素が両立する謎について、言語・風土・社会的要因から解明する。一九七〇年代にベストセラーとなった稀有な日本人論を初文庫化。

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  • 人はなぜ集団になると怠けるのか 「社会的手抜き」の心理学
    3.3
    人は集団で仕事をする。しかし集団になると人は怠け、単独で作業を行うよりも一人当たりの努力の量が低下する。これを「社会的手抜き」という。例えば非効率な会議や授業中の問題行動、選挙の低投票率、スポーツの八百長などは「社会的手抜き」の典型である。本書では、このような「手抜き」のメカニズムを、多様な心理学的実験の結果から明らかにしていく。その防止策とは、はたまた功罪とは。リーダー・企業人必読書。
  • ひとまず、信じない 情報氾濫時代の生き方
    3.7
    世界が認める巨匠がおくる7つの幸福論。ネットが隆盛し、フェイクニュースが世界を覆う時代、何が虚構で何が真実か、その境界線は曖昧である。こういう時代だからこそ、与えられた情報をひとまず信じずに、自らの頭で考えることの重要さを著者は説く。幸せになるために成すべきこと、社会の中でポジションを得て生き抜く方法、現代日本が抱える問題についても論じた、押井哲学の集大成とも言える一冊。
  • ヒトラー演説 熱狂の真実
    4.1
    ナチスが権力を掌握するにあたっては、ヒトラーの演説力が大きな役割を果たした。ヒトラーの演説といえば、声を張り上げ、大きな身振りで聴衆を煽り立てるイメージが強いが、実際はどうだったのか。聴衆は演説にいつも熱狂したのか。本書では、ヒトラーの政界登場からドイツ敗戦までの二五年間、一五〇万語に及ぶ演説データを分析。レトリックや表現などの面から煽動政治家の実像を明らかにする。
  • ヒトラーに抵抗した人々 反ナチ市民の勇気とは何か
    4.1
    「いつでも人には親切にしなさい。助けたり与えたりする必要のある人たちにそうすることが、人生でいちばん大事なことです。だんだん自分が強くなり、楽しいこともどんどん増えてきて、いっぱい勉強するようになると、それだけ人びとを助けることができるようになるのです。これから頑張ってね、さようなら。お父さんより」(反ナチ市民グループ《クライザウ・サークル》のメンバーが処刑前に十一歳の娘に宛てた手紙)
  • ヒトラーの脱走兵 裏切りか抵抗か、ドイツ最後のタブー
    4.4
    ナチス・ドイツ国防軍の脱走兵は、捕らえられて死刑判決を受けた者だけでも3万人以上と、英米に比べて際だって多い。その多くは戦闘中の逃亡ではない。民族殲滅に加担したくないという、生命をかけた抵抗であった。戦後、生き延びた脱走兵たちは久しく卑怯者と罵られ、存在までも否定されつづけるが、ついに軍法会議の不当な実態を暴き、名誉回復をなし遂げる。最後の脱走兵の生涯を通じて、人間の勇気と尊厳を見つめる。
  • ヒトラー・ユーゲント 青年運動から戦闘組織へ
    4.5
    ナチ党の黎明期、まだ党員になれない少年少女は「ヒトラー・ユーゲント」として認知された。一方ドイツには、帝政時代から独自の「青年運動」の流れがあった。それを受け継ぐ指導者シーラハのもと、「ユーゲント」には、合法的だが暴力的、というナチらしさが隠蔽されていた。健康的で自律性の高い集団として人気を博していた彼らが、ヒトラーによって戦争に利用され、破滅への道を進まされていく運命を克明に辿る。
  • 一人で老い、一人で死ぬ社会
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 (目次より) ●カギはプロの介護、世帯分離、人づきあい 気楽で悩みもなし おひとりさまの大往生 上野千鶴子 ●「人生の意味」の短い歴史 一人を生きるときに頭をもたげる問い 村山達也 ●独身の強みと他人と共にいること 僕が結婚しない理由 ヒロシ ●人生の終わりに向けて 終活は誰のためにするのか 木村由香 ●弔いの現場から見えるもの 超高齢社会の「孤独死」と葬儀を問う 佐藤信顕
  • 泌尿器科医が教える オトコの「性」活習慣病
    -
    主として勃起障害と射精障害に分けられるオトコの性機能障害。思春期の間違ったオナニーが射精障害につながるという恐ろしい話もあり、パートナーにとっても重大な問題だ。本書においては、臨床経験豊富な著者が、男性性器脳障害の現状を伝え、同時に予防法と対処の仕方も説明する。EDは人生のイエローカード、「排卵日だからお願いね」が生む悲劇、仲が良すぎて射精ができないなど怖いけどためになる話満載。オトコは女が考える以上に繊細だ!
  • 皮膚の医学 肌荒れからアトピー性皮膚炎まで
    3.5
    皮膚は単にからだを包む革袋ではない。厚さわずか一〇〇分の二ミリの角層を最前線に、環境からからだをまもるための精緻な機能を備えた人体最大の器官なのだ。最も人目にふれる美的器官であり、重要な免疫器官でもある。機能の衰えは肌荒れ、シワを生む。水虫はカビの感染、イボでは腫瘍への免疫反応がおきる。調節異常は湿疹、アトピー性皮膚炎をひきおこす。美しい肌を保ち、健康なからだを維持するには? 皮膚科学からの最新情報。
  • 非・保守という選択肢
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ●〔対談〕膨張する与党、棄権する有権者…… 野党再生に足りないイズムと強さ 宇野重規×中北浩爾 ●1993年体制と「3・2・1の法則」 政治的選択肢の健全な拮抗のために 大井赤亥 ●〔対談〕いま、『資本論』をひもとく意味 資本主義が倒れるか、先に地球が潰れるか 斎藤幸平×佐藤 優 ●欧州の社会民主主義勢力が直面する課題 四つの圧力、二つのジレンマ 近藤康史 ●2000年代ラテンアメリカの政治潮流 「ピンクタイド」は今どこへ 宮地隆廣 ●平成世代が描く左翼像 エンパワーメントによる新しい連帯のかたち 小峰ひずみ
  • 卑弥呼とヤマト王権
    3.5
    1巻2,860円 (税込)
    卑弥呼はヤマト王権の初代大王、その王都は奈良盆地東南部の纒向(まきむく)にあった! 盟主不在の「倭国乱」ののち、3世紀初めの「卑弥呼共立」によって「新生倭国」=ヤマト王権は誕生した。考古学の成果と中国史書の精読から導き出された、この国の国家形成史の新しい枠組み。 ◆纒向遺跡はいつ出現し、どのような特徴をもった特別な遺跡なのか? 詳細に解説 ◆王権はのちに畿内と呼ばれる地域の勢力から誕生したのか? 新しいストーリーを提示 ◆卑弥呼はそもそも「邪馬台国の女王」だったのか? 彼女はどこに眠っているのか? 箸墓古墳の被葬者はいったい誰なのか? 最新の研究成果にもとづいて推理 本書の構成(目次) 第一章 纒向遺跡論/第二章 日本国家の起源を求めて/第三章 王権誕生への道/第四章 王権の系譜と継承/第五章 卑弥呼共立事情――私の邪馬台国論/第六章 卑弥呼とその後
  • 101歳。ひとり暮らしの心得
    -
    今日という日はいつも新しくこれからの人生の始まり。でも、けっして孤独ではありません。まわりの人々に支えられて、自宅の小さな菜園で野菜作りを楽しむ。しかも、新聞や雑誌の特集を持ち、社会的な意義を持つ会合には出席するという行動力を維持している生き方には、中高年読者に勇気を与えてくれています。本書におさめられている一編一編のエッセイによって、毎日の小さな喜びを大事にする生き方が、いかに心を明るく前向きにし、周囲にも良い感化を及ぼすかも納得できます。いま望むのは、悔いの残らない毎日を過ごすこと。病気や病院とどうつきあっていくか?日々大事にしていることは? 101歳の吉沢さんが教えてくれた人生の知恵。
  • 100歳の100の知恵
    -
    100歳の生活評論家が伝え残したい、古くて新しい暮らしの知恵100。家庭の「暮らし」を見続けて85年、実際の生活のなかから「毎日を楽しく、しあわせに暮らすコツ」を選り抜きした「集大成」となる一冊です。旬の料理のコツから、時短家事、くよくよしない考え方まで、心があたたかくなる暮らしのヒントが詰まっています。
  • 百年戦争 中世ヨーロッパ最後の戦い
    4.0
    1巻1,012円 (税込)
    フランスを主戦場として英仏王家が攻防を繰り広げた百年戦争(一三三七~一四五三)。イングランドの大陸領をめぐる積年の対立に、フランス王位継承権争いが絡んで勃発した。当初イングランドが優勢だったが、ジャンヌ・ダルクによるオルレアン解放後、フランスが巻き返して勝利する。戦乱を経て、英仏双方で国民意識はどのように生まれたか。ヨーロッパ中世に終止符を打った戦争の全貌を描き、その歴史的意義を解明する。
  • 百年の女 『婦人公論』が見た大正、昭和、平成
    3.5
    「婦人と言えども人である」などと言われた創刊期より一世紀。 女の公と私、上半身と下半身を見つめ続けた一四〇〇冊余を繙けば、祖母が、母が、私たちが歩んだ時代が浮かび上がる。 大正の「非モテ」、女タイピストの犯罪者集団、ウーマン・リブとセックス、主婦論争…… トンデモ事件から時代を動かした論文までを読み解く! 「表紙ギャラリー」も収録 〈解説〉中島京子
  • 100万人が笑った!「世界のジョーク集」傑作選
    3.8
    今こそ平成の笑いの力を! 腹の底から笑って、不安な気持ちを吹き飛ばそう。累計100万部突破のジョーク・シリーズ。6冊の中から、珠玉のジョークをセレクト。笑いは社会の潤滑油となり、生きる力となる。「変に難しい理屈の本よりも、明るさがあって素直に心に届くようなものを今は読みたい」という読者の声から生まれた一冊。「〈笑い〉こそが、人類が絶望の歴史の末に見出した、最大の生きる術なのだ」(おわりに)
  • 百鬼園先生雑記帳 附・百閒書簡註解
    -
    名著『阿房列車』シリーズでお馴染みヒマラヤ山系氏による百鬼園文学の副読本。「百閒先生日暦」「『冥途』の周辺」「漱石をめぐって拾遺」ほか七篇を収録。「百閒先生書簡註解」は、昭和二十三年五月から二十六年九月までの著者宛の書簡に丹念な註解を施した貴重な資料である。〈解説〉田村隆一 【目次】 百閒先生日暦/漱石山房圖そのほか/漱石書簡/「冥途」の周邊/ 漱石をめぐって拾遺/百鬼園先生御馳走帖/阿房列車小遣帖/ 百閒座談抄/雑爼 附・鬼苑先生當用帖/鬼苑先生映像そのほか 百閒先生書簡註解 〈解説〉田村隆一
  • 表現の技術
    4.1
    すべての人は笑う前に驚いている――。数々のヒットCMで知られる広告クリエイティブの第一人者が、「起承転結のワナ」「オムニバス禁止令」「ポストイット脚本術」など、豊富な事例を挙げながら、映像や脚本づくりのテクニックを公開。クリエイターのみならず、「伝わる」表現とは何か知りたいあらゆる人に役立つ本。〈解説〉佐渡島庸平
  • 漂流民とロシア 北の黒船に揺れた幕末日本
    -
    女帝エカテリーナの命により特使ラクスマンに伴われて大黒屋光太夫が帰還した。ロシア漂流・抑留民として初めての生還であった。これよりロシアによる通商交渉は頻繁になり、北の黒船の出没に対する幕府の北方警護と、これに因む蝦夷地の領土化が急速に推し進められた。本書は、多くの漂流・抑留民の事蹟と、その送還を契機に、日本との通商関係樹立を画策するロシアの行動をとおして、江戸時代における日露交渉の実態をさぐる。

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  • 平櫛田中回顧談
    -
    岡倉(天心)先生は「諸君は売れるものをお作りになるから売れないので、売れないものをお作りになれば必ず売れる」と言われた。どうもえらいことを言われる先生だなと思って、それが強く心に残った。――本書より 【目次】 刊行にあたって 平櫛弘子 1 生いたち 2 大阪と中谷一家 3 奈良と森川杜園 4 東京に出る 5 禾山和尚 6 長安寺の生活 7 茶屋町の生活 8 米原雲海と山崎朝雲 9 岡倉天心と日本彫刻会 10 岡倉天心の思い出 11 日本美術院の再興 12 上野桜木町の家とその頃の諸作 13 二児を失う 14 色々の天心像 15 素材と用具と伝統技法の復活 16 帝展参加と《霊亀随》 17 肖像彫刻 18 鏡獅子の制作 19 六代目尾上菊五郎の手紙 20 第二次鏡獅子の制作と弟子達 21 美術学校に勤めた頃 略年譜 解 説
  • 平沼騏一郎 検事総長、首相からA級戦犯へ
    3.8
    司法と行政の頂点を極めた唯一の政治家・平沼騏一郎。東大を首席で卒業後、能吏の聞こえ高く、大逆事件を処理し、検事総長、大審院長を歴任。政界進出を目論み右翼団体・国本社を組織する。軍人らの期待を集め、日中戦争下、首相に就任。日米開戦後は重臣、枢密院議長として和平派へ。機会主義と映る行動から右翼に銃撃され、自宅放火にも遭った。天皇崇拝の国家主義者、陰謀家、A級戦犯として断罪され続けた平沼の実像を描く。
  • ヒラノ教授の論文必勝法 教科書が教えてくれない裏事情
    4.1
    合格する人は、「文章術以外」のテクニックを知っている! あの人気シリーズ「ヒラノ教授」が論文作法の王道から裏技までを大公開。著者、レフェリー、編集委員、編集長という四つの立場でジャーナルと関わってきたヒラノ教授が、厳しい審査に対して反論する技術、研究資金をやり繰りする方法、ジャーナル編集の舞台裏等々を明かす。グローバル競争が激化する今こそ、A級研究者だけが知る秘密のサバイバル術を伝授しよう。
  • 広田弘毅 「悲劇の宰相」の実像
    3.9
    日露戦争後、職業外交官の道を歩み始め、欧米局長・駐ソ大使など要職を歴任した広田弘毅。満州事変以降、混迷を深める一九三〇年代の日本で、外相・首相として、欧米との協調、中国との「提携」を模索する。しかし、二・二六事件以降、高圧的な陸軍と妥協を重ね、また国民に広がる対中国強硬論に流され、泥沼の戦争への道を開いた。東京裁判で唯一文官として死刑に処せられ、同情論が多い政治家・広田の実像に迫る。
  • 貧困と地域 あいりん地区から見る高齢化と孤立死
    4.2
    「日雇労働者の町」と呼ばれ、高度経済成長期に頻発した暴動で注目を集めた大阪のあいりん地区(釜ヶ崎)。現在は高齢化が進むなか、「福祉の町」として知られる。劣悪な住環境、生活保護受給者の増加、社会的孤立の広がり、身寄りのない最期など、このエリアが直面している課題は、全国の地域社会にとっても他人事ではない。本書は、貧困の地域集中とその対策を追った著者による現代のコミュニティ論である。
  • ヒンドゥー教 インドの聖と俗
    4.3
    弁財天信仰、輪廻転生の思想などヒンドゥー教は、直接に、あるいは仏教を通して、意外にも古くからの日本人の暮らし、日常の信仰、思想に少なからぬ影響を与えてきた。本書は、世界四大宗教の一つでありながら、特定の開祖もなく、核となる聖典もない、いわばとらえどころのない宗教の世界観を日常の風景から丹念に追うことによって、インド社会の構造から、ガンディーの「非暴力」の行動原理までも考察する。
  • 美学への招待 増補版
    3.9
    二〇世紀の前衛美術は「美しさ」を否定し、藝術を大きく揺さぶった。さらに二〇世紀後半以降、科学技術の発展に伴い、複製がオリジナル以上に影響力を持ち、美術館以外で作品に接することが当たり前になった。本書は、このような変化にさらされる藝術を、私たちが抱く素朴な疑問を手がかりに解きほぐし、美の本質をくみとる「美学入門」である。増補にあたり、第九章「美学の現在」と第一〇章「美の哲学」を書き下ろす。
  • ビジネス教養・超速アップデート 図解版 人類の起源 古代DNAが語るホモ・サピエンスの「大いなる旅」
    -
    1巻1,760円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「えっ? 最初の人類はアウストラロピテクス」じゃないの?」。あなたの教養は30年前の常識かも! ノーベル賞受賞で注目の集まる進化人類学。急速に発展するこの分野の最新成果をコンパクトな一冊に。11万部突破、新書大賞2位(2023年)の篠田謙一著『人類の起源』(中公新書)の要点を直感的に理解できるようにビジュアル化。30万年前にアフリカで誕生したホモ・サピエンスは、どのように全世界に広がったのか? 日本人のルーツとは? 巻末には落合陽一氏と監修者のスペシャル対談を収載。 1章 サルからヒトへの長い道のり 2章 ホモ・サピエンスの誕生と世界展開 3章 独自の発達を遂げた!? さまざまな「地域集団」の成立 4章 日本人とは何者なのか? 5章 人類の未来 Special 対談 人類の未来、人類学の未来(落合陽一〔メディアアーティスト〕+篠田謙一〔国立科学博物館館長〕)
  • ビジネスでいちばん大事な「心理学の教養」 脱「サラリーマン的思考」のキーワード
    3.5
    心理学は、もはや人材育成からマーケティングにいたるまでの中心的な話題であり、強力なパワーを持ったツールである。とりわけビジネス環境が激変して将来不安が高まる今、ポジティブに生き残るための知恵でもある。自己効力感、チェス盤の法則、新奇恐怖、ハロー効果、ビッグ・ファイブ……「人事戦略家」として名高い著者が、実務家の目線で厳選した全60語には、仕事のヒントが詰まっている。 第1章 モチベーション(動機づけ)に関するキーワード 第2章 営業・マーケティングに関するキーワード 第3章 イノベーションに関するキーワード 第4章 コミュニケーションに関するキーワード 第5章 人材育成に関するキーワード 第6章 採用・評価に関するキーワード 第7章 リスク管理に関するキーワード
  • ビジネスパーソンのための「言語技術」超入門 プレゼン・レポート・交渉の必勝法
    4.3
    社会で真に求められるのは、論理的思考力を活用して考察し、口頭や記述で表現できる人材である。しかし「国語」の教育は受けたはずなのに、報告書が書けない、交渉も分析もできないという社会人は多い。これまで有名企業や日本サッカー協会などで「言語技術」を指導してきた著者が、社会に出てから使える本当の言語力=世界基準のコミュニケーション能力を身につけるためのメソッドを具体的に提示。学生・ビジネスパーソン必読の一冊!
  • 美術館の誕生 美は誰のものか
    4.0
    近代化に必要な施設として、あるいは経済活動の象徴としてつくられた日本の美術館は、王侯貴族・富豪の私的コレクションから出発した欧米の美術館とどう違うのか。美術館の歴史的位置付けと社会的役割の変化を辿りつつ、革命によって美術品を市民の手に勝ち取ったフランス、建国当初から美術品を公共財としてきたアメリカなどを軸に、日本の美術館の特質を問う。民主主義の発生と公共の美術館という概念の誕生をめぐる野心的考察。

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  • ビスマルク ドイツ帝国を築いた政治外交術
    4.1
    一九世紀ヨーロッパを代表する政治家、ビスマルクの業績は華々しい。一八七一年のドイツ帝国創建、三度にわたるドイツ統一戦争での勝利、欧州に同盟システムを構築した外交手腕、普通選挙や社会保険制度の導入――。しかし彼の評価は「英霊」から「ヒトラーの先駆者」まで揺れ動いてきた。「鉄血宰相」「誠実なる仲買人」「白色革命家」など数多の異名に彩られるドイツ帝国宰相、その等身大の姿と政治外交術の真髄に迫る。
  • ビッグデータと人工知能 可能性と罠を見極める
    4.0
    ビッグデータ時代の到来、第三次AI(人工知能)ブームとディープラーニングの登場、さらに進化したAIが2045年に人間の知性を凌駕するというシンギュラリティ予測……。人間とAIはこれからどこへ向かっていくのか。本書は基礎情報学にもとづいて現在の動向と論点を明快に整理し分析。技術万能主義に警鐘を鳴らし、知識増幅と集合知を駆使することによって拓かれる未来の可能性を提示する。
  • 美男へのレッスン(上)
    4.0
    1~2巻838円 (税込)
    「男達の圧倒的多数がそんなに美男でもないし醜男でもない」という状況にありながら、男のカテゴリーには「美男」と「醜男」の二つしかない。しかし、果たして「男の美貌」というものに価値はあるのか。いまだかつて論じられたことのなかった「美男とは何か」を解き明かす、スリリングな美男論。

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  • 美の構成学 バウハウスからフラクタルまで
    3.6
    人間は古くから美しい形やプロポーションに憧れ、造形における調和の美を求めてきた。しかし、この美の摂理は長いこと伝統的な様式の踏襲と芸術家の直感に支えられてきた。一九一九年に創設されたドイツの造形学校、バウハウスで「構成」という理念がはじめて体系化され、教育に採り入れられた。ファッションや生活用品のデザインからコンピュータ・グラフィックスまで、様々な物の美を読み解く際の鍵となる造形文法「構成学」とは。
  • ビル・クリントン 停滞するアメリカをいかに建て直したか
    4.7
    1993年、46歳の若さで、戦後生まれ初の米国大統領に就任したビル・クリントン。2期8年の任期中、民主党政権ながら福祉削減を厭わず中道主義を追求。財政と貿易の「双子の赤字」を解決し好況に導く。また国際紛争解決に積極的に関与し、冷戦後の新たな国家関係を模索。米国を繁栄に導いた。本書は、次々とカネとセックスのスキャンダルにまみれ、弾劾裁判を受けながらも、多くの実績を残し、今なお絶大な人気を誇る彼の半生を追う。
  • ビンボーでも楽しい定年後
    3.3
    「現役時代が車の運転だとすると、定年後は飛行機の操縦。上がるも下がるも腕次第」と本書は説きます。年金の範囲内で生活できる技術や態勢を整えてしまえば、現役時代よりもずっと気楽で、好きなことができるのが定年後。では、現役時代の「生き方」からどうチェンジしていけばいいのか──。  見た目も若々しい人から一気に老け込んでしまう人まで「定年後格差」が広がるなか、本書は、年金の範囲内で生活できる技術や態勢を具体的に説くとともに、生きがいづくりのヒントをたくさん盛り込みました。  全81本のまさに知恵の宝庫。本書は定年後を楽しむためのノウハウを満載にした一冊です。
  • PTA再活用論 悩ましき現実を超えて
    4.0
    もはや機能を失ったかに思えるPTAだが、父母と学校をむすぶただ一つの公的な機関として、いまなお存在しつづけているという事実は変わらない。それはどういう現状なのか、どう変わってゆかなければならないのか。公教育の一断面を示すノンフィクション。 はじめに…今、なぜPTAなのか 序章 「PTAことはじめ」 第1章 「PTA…この素晴らしきもの」 ① PTAってどんな組織なのだろう? ② 基本は学級PTA ③ PTA広報は風通しをよくする ④ 王道の今昔 ⑤ P連はボトムアップの組織 第2章 「PTA…この悩ましきもの」 ① 166日 403時間の現実 ② 役員選びはどんどんきつくなる ③ 校長とPTAはどんな関係? ④ P連役員は人柱? 第3章 「どんなPTAをめざすのか」 ① PTA史をひもとこう ② 自分の意志で入会する、これが当たり前だ! ③ ゆるやかで自由な求心力を! ④ 今、PTAは変わり始めているのか ⑤ 先駆者の話を聞く ⑥ カワバタ私案を発表します 終章 「和田中PTA事件から見えてきたこと」 あとがきにかえて…今、力を捨てる勇気を
  • ファウスト 悲劇第一部
    3.6
    あらゆる知的探究も内心の欲求を満たさないことに絶望したファウストは、悪魔メフィストフェレスと魂をかけた契約を結ぶ。巨匠ゲーテが言葉の深長な象徴力を駆使しつつ自然と人生の深奥に迫った大作の第一部を、翻訳史上画期的な名訳で贈る。読売文学賞受賞作。訳者による解説「一つの読み方」を付す。 〈巻末エッセイ〉河盛好蔵・福田宏年
  • ファシスタたらんとした者
    -
    1巻2,035円 (税込)
    危機としての生を実践し、「戦後」の無惨と虚無に対峙し続けたファシスタが、己の人生の全域を剔出した最後の自伝的巨編。懐疑と省察、冒険への意志が導いた思想の堂奥とは。皇室論・信仰論を付す。 「状況のなかで決断し、それを実践すれば他者に通じるはずだとの幻像を生きる、それがファシスタだということである」(本書より)。混沌の時代に著者が投げかけるのは、「一匹のヒューモリスト(人性論者)がここにいた」という厳然の提示なのである。
  • フィールドワークという魔力
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ――野外研究者はなぜ「クレイジー」なのか? マニアックな知識、希有な体験を魅力的に語ることで、私たちの好奇心を刺激してくれる研究者たちから、人としての生き方、働き方を学んでみよう。(『中央公論』8月号特集) カラーグラビア「バイオロギングサイエンスへの招待 『動物目線』で本当の姿を追え!」佐藤克文/対談「『ケータイ圏外』『極貧』の職場に集う猛者たち」佐藤克文(東京大学教授)×川端裕人(作家)/「『昆活マイスター』の昆虫人生論『地球の太古の匂い』を感じ取ろう」香川照之(作家)/「コウモリの洞窟から通勤電車まで いつでも、どこでもフィールドワークの術」小林朋道(公立鳥取環境大学教授)/「本と一緒に野に出よう! ――お薦め本10冊」鎌田浩毅(京都大学大学院教授)
  • 風雲回顧録
    4.0
    幕末維新の時、十六歳で藩の歩兵隊長をつとめた“紀州藩の神童”--岡本柳之助。明治新政府の軍人となった彼は、天賦の軍才を縦横に発揮するも、西南戦争後の竹橋事件に座し、無位無官の身となり、やがて大陸浪人として東洋の舞台へ雄飛する……。新政府を震撼させた竹橋事件、閔妃事件など、明治史の暗部に深く関わった著者が、長年の沈黙を破り、初めて数奇な生涯を語る。

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  • 封じ込めの地政学 冷戦の戦略構想
    -
    第二次大戦後、アメリカはそれまでの孤立主義から舵を切り、西側諸国による対ソ戦略を打ち出した。マーシャル・プランの実施、NATO結成など、前例のないアメリカの外交政策を方向付けたのが「封じ込め」という戦略構想である。ドイツの東西分割、朝鮮戦争への米軍介入、日本の経済復興などもその戦略のなかで判断され、東西対立の中に位置づけられた。公開が進む当時の史料も広く用い、アメリカの冷戦戦略の始まりを緻密にたどる。
  • 夫婦格差社会 二極化する結婚のかたち
    3.5
    格差が拡大しつつある日本。家族の最小単位である「夫婦」もその流れに拍車をかけている。さまざまなデータに基づき、日本の夫婦の今を探ると見えてくるのは、夫の所得と無関係に働くようになった妻の影響力の大きさだ。医師夫婦に代表されるパワーカップルと、対極にある若いウィークカップルなど、興味深い事例を紹介。また、結婚できない人たちから、離婚、そして地域差まで視野を広げ、夫婦をめぐる格差を考える。
  • フェイクニュースが世界を覆う
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 フェイクニュースが、米大統領選の結果を左右したと言われるほどの影響力を持ったのはなぜか。新聞等でも話題になった、東浩紀・遠藤乾両氏の徹底討論、マケドニアの“フェイクニュースの里”ルポ、そして、河野勝氏による“フェイク論考”も掲載。
  • 不況のメカニズム ケインズ『一般理論』から新たな「不況動学」へ
    4.0
    長期にわたった景気の低迷に対して、小泉内閣が行った「構造改革」は有効な措置といえるのか。経済学者間の意見は対立し続け、経済学への信頼までも揺らいでいる。ケインズは一九三〇年代の世界不況を目の当たりにして主著『雇用・利子および貨幣の一般理論』を執筆した。本書はその欠陥も明らかにしつつ、ケインズが論証することに失敗した「不況のメカニズム」を提示し、現代の経済政策のあり方を問うものである。
  • 福井県の学力・体力がトップクラスの秘密
    3.6
    注目の高まる全国学力テスト。秋田と福井がツートップだ。体力テストの結果も合わせると、福井の強さはきわだつ。その秘訣を探るべく、(学力下位の)大阪の教育学者が教師、親、生徒を徹底取材。「鍛える文化」「群れる力」「あたりまえのことをやる」環境など、学ぶべき点は多い。
  • 複合不況 ポスト・バブルの処方箋を求めて
    4.7
    八〇年代半ば以降、米国と日本で起きたバブルの発生と崩壊のメカニズムを実証的に分析し、今回の不況は金融の自由化の帰結として生じた金融部門の経営悪化にリードされて引き起こされた新しい不況であること、問題の焦点が有効需要より信用逼迫に大きく移動したことを明らかにする。したがって従来のような有効需要拡大政策もなかなか効果を現わさない理由が解明され、正確な診断による有効な処方箋の必要に応える労作である。
  • 福沢諭吉と中江兆民
    4.0
    明治日本の主要な課題は、近代国家の建設にあった。ただ、その方向に異論はなくとも、内容については議論が分かれ、西洋文明の受容に重大な役割を演じた福沢と中江も、対照的な反応を示す。ともに私塾を興すが、実学尊重の慶応義塾、古典教養に執着する仏学塾と、教育理念は両者の世界観を反映し相違を見せた。同年に没した思想家二人の文明論・国家論を、現代の問題関心から読み起こし、新世紀の展望を拓く。
  • 福祉工学の挑戦 身体機能を支援する科学とビジネス
    3.0
    急速な高齢化が進むなか、高齢者や障害者の日常生活を工学面から支援する「福祉工学」が注目を集めている。これは、失われたり衰えたりした感覚や手足、脳の機能を、機械で補助・代行する工学分野である。本書では、この分野の草創期から一貫して携わっている著者の経験をたどりつつ、これまでビジネスとしては成り立ちにくいとされていた福祉が、ひとつの産業として大きな可能性を秘めていることを示す。
  • ふしぎの植物学 身近な緑の知恵と仕事
    3.8
    草花や樹木、野菜たちの生き方は、思いがけない知恵と工夫に満ちている。虹色を見分けるレタスの種子や、活性酸素と闘うカーネーションの花びら、病原菌やカビから身を守るサクラの葉っぱ、時刻を正確に刻んで生まれるシソのつぼみなど、暮らしで出会う植物の意外な生態を紹介する。そして「植物も汗をかくか」「動物に食べられても平気なのはなぜか」など、知っているようで知らない植物のふしぎな姿としくみに迫る。
  • 藤原京 よみがえる日本最初の都城
    -
    およそ一三〇〇年前、都は飛鳥から藤原の地へと遷る。持統天皇が「春過ぎて夏来たるらし」と詠った都は、七一〇年の平城京遷都まで一六年という短命のゆえか、あまり語られることがなかった。元号が始まり、和同開珎が鋳造された古代史上最大の転換期に、最初の本格的都城はどのように計画され、廃都にいたったか。『日本書紀』などの文字史料だけでは窺い知れない都の相貌が、二〇年余にわたる発掘によってよみがえる。
  • 藤原氏―権力中枢の一族
    3.9
    「大化改新」で功績を残したとされる鎌足に始まる藤原氏。律令国家を完成させた不比等から四家の分立、ミウチ関係を梃子に天皇家と一体化した摂関時代まで権力中枢を占めつづける。中世の武家社会を迎えても五摂家はじめ諸家は枢要な地位を占め、その末裔は近代以降も活躍した。本書は古代国家の成立過程から院政期、そして中世に至る藤原氏千年の動きをたどる。権力をいかにして掴み、後世まで伝えていったかを描く。
  • 藤原仲麻呂 古代王権を動かした異能の政治家
    3.8
    古代王権が安定した奈良時代に現れた異能の権力者・藤原仲麻呂。叔母・光明皇后の寵愛の下、橘奈良麻呂の変などで兄や他氏を粛清し実権を掌握。中国への憧憬から官職名をすべて唐風に改め、藤原氏嫡系に「恵美」姓を賜り准皇族化を推進、自ら恵美押勝と名乗った。養老律令の施行、新羅への外征計画を進める中、怪僧道鏡を慕う孝謙上皇と対立。武装蜂起を試みるが敗死する。息子らを「親王」と呼ばせ、皇位簒奪をも目論んだ生涯。
  • 不正と失態が組織をむしばむ
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 == 特集 == 不正と失態が組織をむしばむ ◆〔対談〕相次ぐ不祥事、経営の不条理 組織の「黒い空気」をいかに払拭するか▼林 文子×菊澤研宗 ◆マイナンバー、新型コロナ特別定額給付金…… 行政・企業のDXが進まない理由▼佐藤一郎 ◆不祥事対応のエキスパート弁護士が語る 危機管理の要諦▼木目田 裕 ◆心理的安全性が強いチームを作る▼村瀬俊朗 ◆哲学と経営の交差点 「訂正」のダイナミズムを失った日本▼東 浩紀 ◆〔対談〕「鉄砲を持った役人集団」の失敗から学ぶもの 関東軍の「独走」はなぜ起きたのか▼加藤聖文×及川琢英 ======= 【時評2023】 ●アジアが目指すべき「冷戦」▼岩間陽子 ●ジャニーズ問題で問われるマスメディアのあり方▼井上智洋 ●nihongonomirai/にほんごのみらい▼河野有理 ◆〔対談〕不十分なリスク・コミュニケーション、「前のめり」の専門家…… 新型コロナ対応の教訓をどう生かすか▼牧原 出×河合香織 聞き手:坂上 博 ◆闇バイト、サイバー犯罪、ローン・オフェンダー…… 令和の治安危機を食い止めろ──警察大学校元校長の緊急提言▼安田貴彦 ◆性加害事件としてのジャニーズ問題▼藤森和美 ●学問と政治~新しい開国進取【第12回】 アメリカ同時多発テロと「岡本懇談会」の活動▼北岡伸一 ◆小泉・安倍政権はなぜ盤石だったのか 岸田内閣、長期政権の条件▼竹中治堅 == 特集 == 本屋さんの今 ◆〔対談〕愛書家×元祖カリスマ書店員 書棚に宿る店主のまなざし▼鹿島 茂×間室道子 ◆書店数は最盛期の3分の1に 本屋さん復活のカギは流通システム改革と新しい人材▼星野 渉 ◆〔ルポ〕独立系書店の店主に聞く「うちのこだわり」▼井上理津子 《Bookshop Memories》 ◆自由な立場になった今、再訪したい書店▼黒田東彦 ◆私の「世界へ通ずる道」▼森まゆみ ◆「東京泰文社」の思い出▼松浦弥太郎 ◆TSUTAYAが見せてくれた世界▼小泉 悠 ======= 【谷崎賞】 ●令和5年 谷崎潤一郎賞発表 受賞作 津村記久子『水車小屋のネネ』 選評 池澤夏樹/川上弘美/桐野夏生/筒井康隆/堀江敏幸 ●文学的近況 目の検査、賞、陽性、いもむし▼津村記久子 ◆宮﨑駿とオフ・スクリーンのメディア史 『君たちはどう生きるか』の宣伝戦略が浮き彫りにしたもの▼近藤和都 ◆〔対談〕「月光仮面」放送開始から65年 元祖特撮ヒーローは「変身」しない正義の味方▼大瀬康一×鈴木美潮 ◆追悼 無着成恭 戦後教育の羅針となった「山びこ学校」▼木村 元 ======= 《好評連載》 ●文品 藤沢周平への旅【第7回】世話物の連作──『橋ものがたり』▼後藤正治 ●炎上するまくら【第83回】 師匠の人間力▼立川吉笑 《連載小説》 ●邪行のビビウ【第8回】▼東山彰良 ●美土里倶楽部【第7回】▼村田喜代子
  • 父性の復権
    3.8
    父の役割は家族を統合し、理念を掲げ、文化を伝え、社会のルールを教えることにある。この役割が失われると子どもは判断の基準、行動の原理を身につける機会を逸してしまう。いじめや不登校が起こり、利己的な人間、無気力な人間が増えるのもこの延長線上にある。独善的な権威を持って君臨する家父長ではなく、健全な権威を備えた父が必要だ。父性の誕生とその役割を家族の発生と社会の形成との関連から検証し、父性の条件を探る。

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  • ふたごパンダとおともだち
    3.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 <いのちの おもさは かわらない> 読んでほっこり、ときどきクスリ。ふたごのパンダのなかまたち 『ふたごパンダのこころコロコロ』で好評を博した癒やし絵本第2弾。子どもから大人まで、プレゼントにも最適な1冊です。
  • ふたごパンダのこころコロコロ
    3.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ころんころん。ふたごのパンダがとびたつ先は?「読むとやさしい気持ちになれる」読み聞かせにも最適なこころ温まる物語 ころんころん。ふたごのパンダがとびたつ先は? 「読むとやさしい気持ちになれる」 「読み聞かせると、親子でこころが温まる」 読み聞かせにも最適な、心温まる物語をお届け。
  • 復興亜細亜の諸問題・新亜細亜小論
    4.5
    チベット、アフガン、トルコ、ペルシャ、イラク。第一次世界大戦後、西洋支配の桎梏から抜け出そうともがくアジア諸国の状勢を鋭く分析した「復興亜細亜の諸問題」。日米開戦前後にわたって綴った論考を収めた「新亜細亜小論」。東亜の論客はアジアに何を求めたのか。〈解説〉大塚健洋
  • 不適切で輝いていた昭和
    NEW
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ●〔対談〕ハラスメントは減ったかもしれないが…… 職場の環境はよくなったのか? 河合 薫×常見陽平 ●令和の若者にウケるわけ 昭和レトロはどこに向かう 高野光平 ●田中角栄、山口百恵はもう現れない カリスマなき時代政治も歌もチームで勝負 枝野幸男 ●〔対談〕暴言もあれば共感もあった 令和の政治家は言葉の力を取り戻せるか 御厨 貴×東 照二
  • 不登校、うつ状態、発達障害 思春期に心が折れた時 親がすべきこと コロナ禍でも「できる」解決のヒント
    4.0
    うつ状態、摂食障害、発達障害 ……。心の悩みを抱えた思春期の子どもたちを病院に連れて行けば、すぐに病名が付き、薬も処方されます。けれど、どんな病名が付いたとしても、子どもの本当の悩みと向き合わずに問題が解決することはありません。思春期の子どもの心の悩みの背景には親子関係や両親の夫婦間関係の問題が隠れていることも多いのです。子どもが再び前向きに生きるために、親が家庭の中でできることがあるのです。
  • ふところ手帖
    5.0
    勝海舟、榎本武揚、男谷下総守、島田虎之助、山内容堂から座頭市まで、歴史小説の第一人者がその実像を丹念に追跡し、限りない愛惜を行間にこめて、幕末動乱の時代相とともに、独自の語り口であざやかに描出した、格調高い歴史随筆集。

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  • 不動産投資にだまされるな 「テクニック」から「本質」の時代へ
    4.0
    サービスやテクノロジーの進化でハードルが下がった不動産投資。しかし公認会計士で税理士の著者は「業者から言われるがまま、安易に手を出す風潮は危うい」と警鐘を鳴らす。一方、富める者が不動産投資を積極的に学んできたのは事実で「今こそ本質を知り、彼らに追随せよ」と喝破する。なぜシェアハウス投資は問題化した?本当にサラリーマンが有利?生き延びるための12の鉄則とは?これでもうあなたは「だまされない」!
  • 不動産屋にだまされるな 「家あまり」時代の売買戦略
    3.6
    「人生最大の買い物」といわれる家(不動産)。都心でバブルの様相を呈しても、郊外に目を向ければいくら値を下げても売れないなど、不動産をめぐる状況はますます複雑に。一方でコミュニケーションの多様化や少子高齢化が進む中、「オークション」や「個人間売買」が現実になるなど、その売買でこれまでの常識が通用しなくなりつつある。その変化を捉え、新しい知識を得よ、と主張するのが、会計事務所所長・山田氏。氏によれば、従来の不動産取引はあくまで業界が潤うために制度が作られ、そこに激しい競争やノルマが加わった結果、消費者の利益を損なうことを厭わず、「買わせる」「売らせる」商売が続いてきたという。しかし今、そうした状況はフィンテックに続く「不動産テック」によって、革命前夜にある。そこで「買うときに考えるのは『売ること』」「バイブルはピケティ」といった新しい考え方や、最新の税や控除の賢い使い方など、これからの時代に売買をするためにどうすべきか指南。不動産屋にも国にも、とにかくもう誰にもだまされたくないならこれを読め!
  • 不平等国家 中国 自己否定した社会主義のゆくえ
    3.7
    マルクス主義を国是に、平等社会を理想とした中華人民共和国。だが、1978年から始まった改革・開放政策は、都市と農村、男女、学歴などの格差を急拡大させた。社会主義体制への市場経済導入、共産党員優遇によって、他の国々とは違った独特の格差・不平等を生み出した中国。その将来は――。本書は、著者独自の長年にわたる調査や多数のデータから、現在の中国社会を蝕む深刻な実状を明らかにするものである。
  • フランクフルト学派 ホルクハイマー、アドルノから21世紀の「批判理論」へ
    3.9
    ホルクハイマー、アドルノ、ベンヤミン、フロム、マルクーゼ……。一九二三年に設立された社会研究所に結集した一群の思想家たちを「フランクフルト学派」とよぶ。彼らは反ユダヤ主義と対決し、マルクスとフロイトの思想を統合して独自の「批判理論」を構築した。その始まりからナチ台頭後のアメリカ亡命期、戦後ドイツにおける活躍を描き、第二世代ハーバーマスによる新たな展開、さらに多様な思想像の未来まで展望する。
  • フランクリン・ローズヴェルト 大恐慌と大戦に挑んだ指導者
    4.3
    フランクリン・D・ローズヴェルトはアメリカ史上唯一4選された大統領である。在任中、大恐慌と第二次世界大戦という未曾有の危機に直面した。内政では大胆なニューディール政策を採用、外交ではチャーチルやスターリンと協力してドイツ・日本など枢軸国と戦い、勝利に導いた。ポリオの後遺症による不自由な身体を抱えつつ、いかにして20世紀を代表する指導者となったか。妻エレノアらとの人間模様も交え、生涯を活写する。
  • フランス革命夜話
    -
    大革命を彩ったロベスピエール、ミラボー、断頭吏サンソン、シャルロット・コルデーなどの人物よもやま話や、ルイ十六世の最期、熱月(テレミドール)九日の真相を軽妙洒脱に披露。老若問答から大革命の熱情と悲哀に誘う異色の名著を復刻。エッセイ二篇(「革命夜話」「鬼才ボーマルシェ」)と翻訳一篇(「敗北者の運命」)を収録。〈解説〉小倉孝誠
  • フランス現代史 英雄の時代から保革共存へ
    3.8
    パリ解放とドゴールの凱旋によって出発したフランスの戦後には疲弊した経済の立て直し、植民地解放運動への対処等課題が山積していた。とりわけアルジェリア紛争は国内分裂を招きかねない危機であった。これを乗り切ったドゴールの指導力も、五八年五月の学生反乱を契機とする変革の波には抗し切れなかった。高度産業社会は伝統的価値観も転換させたのである。英雄の時代からコアビタシオン(保革共存)へ向かうフランスの試行の足跡。
  • フランス現代思想史 構造主義からデリダ以後へ
    3.7
    一九六〇年代初め、サルトルの実存主義に代わり、西洋近代を自己批判的に解明する構造主義が世界を席捲した。レヴィ=ストロースをはじめ、ラカン、バルト、アルチュセールの活躍。六八年の五月革命と前後するフーコー、ドゥルーズ=ガタリ、デリダによるポスト構造主義への展開。さらには九〇年代の管理社会論と脱構築の政治化へ。構造主義の成立から巨匠たち亡き後の現在までを一望する、ダイナミックな思想史の試み。
  • フランス産エリートはなぜ凄いのか
    3.0
    なぜ哲学が重視されるのか?原発大国をつくった理工系エリートの実力は? ――ナポレオンがつくったポリテクニクや、東大法学部を凌ぐ官僚養成校ENAなど「世界最強のエリート養成機関」の実態に迫る。『21世紀の資本』のピケティや、カリスマ経営者ゴーンを生み出す秘密とは?
  • フランス的思考 野生の思考者たちの系譜
    4.2
    「理に合ったもの」だけをすくい上げ、正確な判断を得ようとする、デカルト起源の合理主義。自国の言語・歴史の普遍性に対する信頼から根を広げた普遍主義。両者こそフランス的思考の根幹とされるが、一方には、反合理主義・反普遍主義の脈々たる流れがある。この地下水脈から養分を吸い上げ、豊饒な地平を切り開いたサド、フーリエ、ランボー、ブルトン、バタイユ、バルトらを読み解くことで、フランス的思考の本質に迫る。
  • フランス文学講義 言葉とイメージをめぐる12章
    3.8
    近代小説は19世紀以来、「(かけがえのない)個人」に焦点を当てて発達してきた。物語の主人公が、神や王から、ありふれた個人に替わる時、イメージこそが物語の書き手と読み手をつなぐために必須のものとなったのだ。本書では、文学とイメージのかかわりを意識的に追求してきたフランス近代文学を素材に、私たちが物語を通して「見ている」ものは何か、そして書かれているものは何かを考えていく。
  • 不倫―実証分析が示す全貌
    3.9
    既婚者が配偶者以外と性交渉をもつことを指す「不倫」。毎月のように有名人がスクープされる関心事だが、日本では客観的な研究がほとんどない。本書では、気鋭の社会学者と経済学者が大規模調査を敢行。実験的手法や海外の先行研究も活用して実態に迫る。経験者は何%か。どんな人が不倫しやすいのか。どこで出会い、いかに終わるか。家族にどんな影響があるか。誰が誰をバッシングするのか。実証分析により解き明かす。
  • フリーバード 自由と孤独
    4.0
    ひょんなきっかけで出会ったフィジーという国で、「奇跡の学校」を作った男の波瀾万丈の人生。ステージ4のがんを乗り越え、リーマンショックも逆手にとって、ビジネスを拡大し続け、ついに南太平洋証券取引所への上場も果たす。世界二番目の語学学校を作っただけでなく、地元の高校の理事長となり、落ちこぼれの学校を、学力はトップクラス、ラグビーもフィジー1まで押し上げた。「諦めなければ、夢は叶う」。そして、さまざまな人との出会いが、人生を彩っていく。自分の限界を自分で決めずに挑戦し続けることの大切さを語った、読めば力がわいてくる1冊。
  • 古田織部 美の革命を起こした武家茶人
    3.8
    織田信長に仕えて調略の才を発揮した古田織部は、のち羽柴秀吉に従って天下取りに貢献。他方で茶の湯を千利休に学んで高弟となる。利休死後、特異な芸術センスで桃山文化に多大な影響力を及ぼし、公武にわたる広範な人脈を築いた。だが、大坂夏の陣で豊臣方への内通を疑われ、幕府から切腹を命じられる。その死の背景に、徳川政権の盤石を期す家康の思惑はなかったか――。美の世界に革命をもたらした稀有の茶人の実像に迫る。
  • フルトヴェングラーかカラヤンか
    -
    ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団首席ティンパニ奏者だった著者が、二大巨匠の芸術と人間を論じる。二人の指揮者とは、いわば上司・部下の関係であった著者が、自身の体験にもとづき、その本質に迫った証言の書でもある。そして、カラヤン晩年、一つの時代の終焉を予告し、指揮者とオーケストラの関係について総括する。フルトヴェングラーの指揮の一挙手一投足やカラヤンの閉じた目など、語られるエピソードも数多い。人間観察の書としての魅力も十分である。 (目次)ヴィルヘルム・フルトヴェングラー/ヘルベルト・フォン・カラヤン/フルトヴェングラーとカラヤン/ベルリン・フィルハーモニー・オーケストラ/支配人たち/音楽学生たち/危機へ至る道/大危機/その後/ヘルベルト・フォン・カラヤン財団の国際指揮者コンクール/ベルリン・フィルのオーケストラ・アカデミー/即興演奏/私のカラヤン作品
  • 武家の棟梁の条件 中世武士を見なおす
    3.0
    現代の日本人がイメージする高潔で忠義を重んじる武士像は、近世に概念化され、明治以降、国家主義的教育の中で作られたものであり、本来、武士とは「政治史的にはこの上もなく」暴力的性格の社会集団で、「職業的な殺し屋」的存在だった。この集団を束ねた「棟梁」とはなにか。その条件は。なぜ武家政権がかくも長期にわたって存続し得たのか。武士の本質と肖像を社会史的職能論により捉え、そこに浮かび上がる日本の中世を考える。
  • 武士と世間 なぜ死に急ぐのか
    4.0
    「武士道」という言葉は、現代のわれわれにとっても高い倫理性や無私の精神を感じさせる。ではなぜ、武士たちはそのような厳しい倫理観を身につけたのか。その行動と判断は何に拠っていたのか。本書は、武士にこそ、世間が最も大きな重圧としてのしかかり、その道徳的基準となっていたことを多くの史料から実証し、絶えず死を覚悟して事にあたらねばならなかった武士たちの切実な姿を浮かび上がらせる。
  • 武士道の名著 日本人の精神史
    3.5
    武士道とは何か。武士はいかに生き、死すべきなのか――。戦乱の世が生み出した軍学書『甲陽軍鑑』『五輪書』から、泰平の時代の倫理書『山鹿語類』『葉隠』へ。そして、幕末維新期の吉田松陰、西郷隆盛へと連なるサムライの思想水脈を経て、武士道を世界に知らしめた新渡戸稲造まで。日本人必読の名著12冊で知る、高潔にして強靭な武士の倫理と美学。章末には、各書から選りすぐった人生指南の「名言」を付す。 【目次】 《総論》 武士道、その精神と系譜 《著作解説》 1 小幡景憲『甲陽軍鑑』江戸時代初期 軍学第一の書 2 柳生宗矩『兵法家伝書』寛永九年(1632) 柳生新陰流の奥義 3 宮本武蔵『五輪書』寛永二十年(1643) 必勝の思想 4 山鹿素行『山鹿語類』寛文五年(1665) 武士の職分とは何か 5 堀部武庸『堀部武庸筆記』元禄十五年(1702) 武士の一分を貫く 6 山本常朝『葉隠』宝永七年~享保元年(1710~16) 「死狂い」の美学 7 新井白石『折りたく柴の記』享保元年(1716) 古武士の風格 8 恩田木工『日暮硯』宝暦十一年(1761) 為政者の理想の姿 9 佐藤一斎『言志四録』文政七年~嘉永六年(1824~53) 朱子学と陽明学の合体 10 吉田松陰『留魂録』安政六年(1859) 至誠にして動かざる者なし 11 西郷隆盛『西郷南洲遺訓』明治二十三年(1890) 義に生きる 12 新渡戸稲造『武士道』明治三十三年(1900) 理想の日本人論
  • 部首のはなし 漢字を解剖する
    4.0
    なぜ「卍」は《十》部6画なのか?「巨」はなぜ《工》部なのか? なぜ女ヘンがあって男ヘンはないのか……。漢字が誕生して三千年、漢字の字体はさまざまに変化していった。そのなかで、多くの部首が生まれ、消えていった。所属する部首を移動したり、部首が分からなくなってしまったものも多い。漢字を分解してみると、その合理性と矛盾がはじめて見えてくる。50の部首ごとにたどる楽しい漢字エッセイ。
  • 部首のはなし〈2〉もっと漢字を解剖する
    3.8
    「匠」と「区」は同じ部首? 「法」にはなぜサンズイがついている? とても口に出せないある行為を形にした部首とは? 漢字を知るうえで部首の知識は欠かせないが、部首は全部で二百種類以上ある。「サンズイ」や「手偏」など有名なものから「音偏」「鼎」など知られざる部首まで、五二の部首について、その成り立ちやその部に属する漢字のエピソードなどを披露。楽しい部首ワールド第2弾。
  • 仏教人生読本
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    夫の放蕩に悩まされ精神を患ったかの子は、仏の道に救いを見いだした。自分と他人、愛と憎しみ、出会いと別れ、そして死……人生の様々な局面は仏心によって切り抜けられると、自らの体験に基づき解りやすく伝授する。しなやかにしたたかに生きる、かの子流人間賛歌。 〈解説 瀬戸内寂聴〉
  • 仏教、本当の教え インド、中国、日本の理解と誤解
    3.6
    紀元前五世紀のインドで生まれた仏教。中国では布教に漢訳の経典が用いられたのに対し、日本は漢文のまま経典を輸入した。両国においてサンスクリットの原典は、ほとんど顧みられていない。中国は漢訳ならではの解釈を生み出し、日本では特権的知識階級である僧が、意図的に読み替えた例もある。ブッダの本来の教えをサンスクリット原典から読み解き、日中両国における仏教受容の思惑・計算・誤解を明らかにする。
  • ブッシュマンとして生きる 原野で考えることばと身体
    4.0
    南アフリカのボツワナに暮らす狩猟採集民、セントラル・カラハリ・ブッシュマン。丹念な会話分析と出来事を根底から把握する身体配列を手がかりに、その独特なセンスを浮かびあがらせる。権力と強制と傲慢を徹底して嫌い、みずからの生きる世界と粘りづよく交渉を重ねる彼らの社会は、私たちにもう一つ別の生の形がありうることを示している。直接経験に根ざした「等身大の思想」の実践を呼びかける、フィールドワークの結晶。
  • 仏教とは何か ブッダ誕生から現代宗教まで
    3.2
    仏教を考える上で、もっとも根元的な難問は「仏教をどう生きるか」ということではないか。現代、日本人にとって、この問いに応えることが焦眉の急務になっている。その難問に対処するには、まずブッダの人生と仏教の歴史を等分の視野におさめる必要がある。ひとり日本においてのみ繁栄を誇り、しかし今や、その生命力を枯渇させつつ自滅の道を突き進んでいる大乗仏教――日本の仏教を、ブッダ誕生の原点に立ちもどって検証する。
  • 仏像と日本人 宗教と美の近現代
    3.7
    仏像鑑賞が始まったのは、実は近代以降である。明治初期に吹き荒れた廃仏毀釈の嵐、すべてに軍が優先された戦時下、レジャーに沸く高度経済成長期から、“仏像ブーム”の現代まで、人々はさまざまな思いで仏像と向き合ってきた。本書では、岡倉天心、和辻哲郎、土門拳、白洲正子、みうらじゅんなど各時代の、“知識人”を通して、日本人の感性の変化をたどる。劇的に変わった日本の宗教と美のあり方が明らかに。
  • ブラジルの流儀 なぜ「21世紀の主役」なのか
    4.3
    「21世紀の勝ち組」と言われるブラジル。サッカーW杯、リオ五輪のダブル開催も決まった。長い間、政治的・経済的に不安定で、社会矛盾も根深かったが、ルラという希代の指導者のもと、「風格ある大国」に生まれ変わろうとしている。資源と食料で不安を抱える日本にとって、その双方を豊富に持つこの国は、救世主に違いない。危機に強い国民性から、芸術的サッカーまで、ブラジルの驚きの「流儀」がいま明らかになる。
  • ブラックホール 宇宙最大の謎はどこまで解明されたか
    3.0
    ブラックホールとは、重力がきわめて強く光すら脱出できない天体だ。原理は18世紀には考え出されたが、長く存在証明は困難だった。本書は前半で、存在が確認されるまでの歴史をたどりながら基礎をわかりやすく解説。後半では、最先端の物理学からブラックホールの内側に迫る。「別の宇宙」と、そこへの抜け道である「ワームホール」、さらには熱力学との関係など、さまざまな謎を解き明かす。面白く不思議な、最新の宇宙論。
  • ブランド米開発競争 美味いコメ作りの舞台裏
    5.0
    1巻1,650円 (税込)
    2018年2月、美味しい米の代表とされる魚沼コシヒカリが食味ランキングで特AからAに陥落したニュースは衝撃を呼んだ。翌年、魚沼コシヒカリは無事特Aに返り咲くが、各産地が「美味しい米」の開発・生産に努め、しのぎを削る状況は激しさを増す一方だ。美味しさはもちろん、冷害耐性、豊富な栄養、収穫量など多様な目標のもと、今日も新品種の開発が続けられている。ブランド米開発の舞台裏と米作現場のさまざまな課題に迫る。   目次 ブランド米の生まれた背景――まえがき  第1章 ブランド米狂騒曲 1 コシヒカリ覇権の経緯/2 新品種はどう開発されるのか/3 あきたこまちと大潟村の挑戦/4 ブランド米の価値はどう決まるか/5 ササニシキの復権に賭ける/6 変わる食味テスト/7 日本一誉れ高いコメ――コシヒカリの味を超えるコメを/8 海外から求められる「龍の瞳」/9 収穫期をずらせるのが魅力「五百川」/10 栄養素が豊富な「金のいぶき」/11 ブランド米と小売店  第2章 ブランド米の功罪 1 味にこだわりすぎた「つや姫」/2 ブランド維持が裏目に出た「青天の霹靂」/3 美味しさの追求は諸刃の剣/4 コシヒカリの受け皿となる品種  第3章 需要に合わせてコメを作る 1 業務用米の世界/2 コメ代わり食品の登場/3 「ご飯」を食べてもらう試み/4 安くて美味しいコメが求められている/5 コメ輸出という悲願/6 耕作放棄地は増え、担い手は減る  第4章 コメの未来 1 広い面積にはドローンが有効/2 今までの限界を超えるコメ作り/3 コメの種子をめぐる大変革/4 民間のやる気を削ぐ現行システム/5 民間育種は壁を越えられるか――住友化学の挑戦/6 執念の民間育種家 コメの取引のあり方が大きく変わる――あとがき
  • ブリュージュ フランドルの輝ける宝石
    3.4
    ブリュージュ、このフランドル地方の都市は、中世において商業や文化の中心地として、訪れた人々を驚かす活況を呈していた。市内に張りめぐらされた水路網を通じて各地から多彩な商品が運び込まれ、街は豪奢で美しいゴシック建築で満ち溢れていった。こうした都市空間の整備と文化の振興は、フランドル絵画に代表される「もう一つのルネサンス」の華々しい開花を準備する。〈北方のヴェネツィア〉の歴史的豊かさを活写。

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