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一九六〇年代初め、サルトルの実存主義に代わり、西洋近代を自己批判的に解明する構造主義が世界を席捲した。レヴィ=ストロースをはじめ、ラカン、バルト、アルチュセールの活躍。六八年の五月革命と前後するフーコー、ドゥルーズ=ガタリ、デリダによるポスト構造主義への展開。さらには九〇年代の管理社会論と脱構築の政治化へ。構造主義の成立から巨匠たち亡き後の現在までを一望する、ダイナミックな思想史の試み。
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Posted by ブクログ
著者は、フランスだけでなく、ドイツ、英米系の哲学史も研究されているようで、そのこともあってか、陽に示していたように、距離をとって書くという姿勢をとるとあったが、その点においては成功していたと思う。 所謂、ポストモダンの三人衆、フーコー、デリダ、ドゥルーズは、日米で流行っていた頃には、本家フランスで...続きを読むは、熱気が冷めていたことには驚いた。 批判している論者が、その論点によって、自らの首も絞めてしまうところは面白かった。例えば、フーコーの、権力論のアポリアである。著者の手厳しい指摘に対しては、どんな思想家も、出る杭は打たれるようにも感じた。 マルクスが意外にも、幅を利かせていたことにも驚く。私よりも世代が上の人はリアルなのだろうが、これから先にも、マルクスの壁は立ちはだかっていくことになるかもしれない。
面白かった。 『ポスト・モダンの条件』が、構造主義/ポスト構造主義の否定の書である事を新たに知る。 ポスト構造主義以降に1章割かれているのは貴重。
評価できるほど知識があるわけではないのですが、史とつくだけあり時代背景やこれまでの思想の流れの位置付けという場所に重きを置いている騙りであった気がします。 内容の深掘りよりは時代の要請の中で成し遂げられなかったことについてが印象に残る文章の流れになっている気がします。 個人的には今後学ぶまでは保留で...続きを読むすが、語ったというより触れたという印象だったので、同本に出てきた本を読み進めようと思いました。
サルトル以降のフランス哲学の主要人物が紹介され、その思想のエッセンスが解説された本。難解な表現が「分からない」ことに悩み、なんとか「分からねば」と思っていたので、表現の分からなさこそに意味があるとしれました。
終盤飽きたけどおもしろかった 時代時代の思想が、世界をみる"眼鏡"に例えられてて、だから個々への相性がもちろん存在する、みたいなこと言われててけっこうしっくりきた
自史的には10代後半の1977年以降から読み始めた現代思想の正統なる系譜がわかる一冊ではある。何度か読み返す前提でまずは読み終えた。これからこの書が染みてくるかどうかはまだわからない。
フランスの哲学はかなり前に終わったと言われていたが…その後が気になっていた.その通史をさらっと書いていて参考になる.
個々の思想家は、様々な場所でその独自な概念の一端に触れていたが、その関係と共通の問題意識、記述スタイル、時代背景に本書では深く切り込まれていて、知的に面白く読みきった。 確かに今から20年ほど前、フランス現代思想は熱狂的なブームだった。今だからこそ、歴史的評価もふまえ、正当に学べる新書だろう。 ...続きを読むいずれにせよ、彼らの思索はついに閉じることなく、今の時代につながる難問へと広がっていたのだ。
思想史とは言いつつも実際には構造主義以降の哲学のダイジェスト。フランス思想界の中心人物に絞った解説であるため概要を眺めることができる。 構造主義は元々、民俗学や心理学の説明のための道具であったが、「構造」の意味合いが変わり、さらにそれを使うこと事態が目的化したことが分かりにくさの原因であるよう...続きを読むに感じた。つまり、説明したいことに合わせて道具を選ぶのではなく、道具(構造主義)を使いたいがために説明したい事柄を変質させてしまっているということである。構造主義の創始者ともいえるレヴィ=ストロースですらそうなのだから、フォロワーがそのような事をするのは当然と言えるだろう。 思想史として俯瞰したとき、言語学が根底にあることからメディア論へと発展した事は特に驚くべきことではないが(その先見性には驚かされるが)、共産主義への回帰という現象が面白い。68年の五月革命を頂点に共産主義の考察が盛り上がり、そして今、資本主義への批判という形であるが再び共産主義が俎上に上がっている。グローバリズムの反動でナショナリズムに傾きつつあったり、再び冷戦構造に戻りつつあったりと、様々な事柄で揺り戻し、反動が起きていることとは無関係ではないように思える。現在進行形の事象であり、どのような展開を見せるのか分からないが、機械があれば関連する論文なども読んでみたいと思う。
構造主義、ポスト構造主義を中心とした戦後フランス思想史のガイドブック。思想家たちの関係が比較的よくわかるように紹介されていて、この手の入門書の中ではとても参考になりました。この先、どう読み込んでいくかが、また問題ですが・・・ お勧めです。
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フランス現代思想史 構造主義からデリダ以後へ
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