【感想・ネタバレ】フランス現代思想史 構造主義からデリダ以後へのレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

著者は、フランスだけでなく、ドイツ、英米系の哲学史も研究されているようで、そのこともあってか、陽に示していたように、距離をとって書くという姿勢をとるとあったが、その点においては成功していたと思う。

所謂、ポストモダンの三人衆、フーコー、デリダ、ドゥルーズは、日米で流行っていた頃には、本家フランスでは、熱気が冷めていたことには驚いた。

批判している論者が、その論点によって、自らの首も絞めてしまうところは面白かった。例えば、フーコーの、権力論のアポリアである。著者の手厳しい指摘に対しては、どんな思想家も、出る杭は打たれるようにも感じた。

マルクスが意外にも、幅を利かせていたことにも驚く。私よりも世代が上の人はリアルなのだろうが、これから先にも、マルクスの壁は立ちはだかっていくことになるかもしれない。

0
2024年01月02日

Posted by ブクログ

面白かった。
『ポスト・モダンの条件』が、構造主義/ポスト構造主義の否定の書である事を新たに知る。
ポスト構造主義以降に1章割かれているのは貴重。

0
2021年01月07日

Posted by ブクログ

評価できるほど知識があるわけではないのですが、史とつくだけあり時代背景やこれまでの思想の流れの位置付けという場所に重きを置いている騙りであった気がします。
内容の深掘りよりは時代の要請の中で成し遂げられなかったことについてが印象に残る文章の流れになっている気がします。
個人的には今後学ぶまでは保留ですが、語ったというより触れたという印象だったので、同本に出てきた本を読み進めようと思いました。

0
2023年09月29日

Posted by ブクログ

サルトル以降のフランス哲学の主要人物が紹介され、その思想のエッセンスが解説された本。難解な表現が「分からない」ことに悩み、なんとか「分からねば」と思っていたので、表現の分からなさこそに意味があるとしれました。

0
2022年07月29日

Posted by ブクログ

終盤飽きたけどおもしろかった

時代時代の思想が、世界をみる"眼鏡"に例えられてて、だから個々への相性がもちろん存在する、みたいなこと言われててけっこうしっくりきた

0
2022年02月07日

Posted by ブクログ

自史的には10代後半の1977年以降から読み始めた現代思想の正統なる系譜がわかる一冊ではある。何度か読み返す前提でまずは読み終えた。これからこの書が染みてくるかどうかはまだわからない。

0
2017年05月17日

Posted by ブクログ

フランスの哲学はかなり前に終わったと言われていたが…その後が気になっていた.その通史をさらっと書いていて参考になる.

0
2018年11月30日

Posted by ブクログ

個々の思想家は、様々な場所でその独自な概念の一端に触れていたが、その関係と共通の問題意識、記述スタイル、時代背景に本書では深く切り込まれていて、知的に面白く読みきった。

確かに今から20年ほど前、フランス現代思想は熱狂的なブームだった。今だからこそ、歴史的評価もふまえ、正当に学べる新書だろう。

いずれにせよ、彼らの思索はついに閉じることなく、今の時代につながる難問へと広がっていたのだ。

0
2016年04月19日

Posted by ブクログ

 思想史とは言いつつも実際には構造主義以降の哲学のダイジェスト。フランス思想界の中心人物に絞った解説であるため概要を眺めることができる。

 構造主義は元々、民俗学や心理学の説明のための道具であったが、「構造」の意味合いが変わり、さらにそれを使うこと事態が目的化したことが分かりにくさの原因であるように感じた。つまり、説明したいことに合わせて道具を選ぶのではなく、道具(構造主義)を使いたいがために説明したい事柄を変質させてしまっているということである。構造主義の創始者ともいえるレヴィ=ストロースですらそうなのだから、フォロワーがそのような事をするのは当然と言えるだろう。

 思想史として俯瞰したとき、言語学が根底にあることからメディア論へと発展した事は特に驚くべきことではないが(その先見性には驚かされるが)、共産主義への回帰という現象が面白い。68年の五月革命を頂点に共産主義の考察が盛り上がり、そして今、資本主義への批判という形であるが再び共産主義が俎上に上がっている。グローバリズムの反動でナショナリズムに傾きつつあったり、再び冷戦構造に戻りつつあったりと、様々な事柄で揺り戻し、反動が起きていることとは無関係ではないように思える。現在進行形の事象であり、どのような展開を見せるのか分からないが、機械があれば関連する論文なども読んでみたいと思う。

0
2015年02月10日

Posted by ブクログ

構造主義、ポスト構造主義を中心とした戦後フランス思想史のガイドブック。思想家たちの関係が比較的よくわかるように紹介されていて、この手の入門書の中ではとても参考になりました。この先、どう読み込んでいくかが、また問題ですが・・・ お勧めです。

0
2015年02月04日

Posted by ブクログ

【レヴィ=ストロース】
フーコーは「構造なき構造主義」(ピアジェ)
「真の構造主義が可能なのは、言語学と民族学だけ」

特に音韻論の方法と類似した方法を用いて人類学を構築しようと意図している
(ヤコブソンとの出会い)

冷たい社会

サルトル批判
『弁証法的理性批判』における弁証法的な「全体化作用」←「野生の思考は全体化作用をもつ」
レヴィストロースの批判によって(カミュやメルポとは違って)社会的な影響力を失った
「歴史と弁証法」

デリダからの批判 反民族中心主義

論理記号の無意味性について

【ラカン】
鏡像段階論
【バルト】
ラングとスティルの中間項がエクリチュール(書き方)
→のちにテクスト論へ
【アルチュセール】
プログレマティック(問題系)、重層的決定

抑圧装置と再生産

68年の根本経験から生まれた思想
アルチュセール イデオロギー論『再生産について』
フーコー 権力論『監視と処罰』
ドゥルーズとガタリ 欲望論『アンチ・オイディプス』

【フーコー】
西洋の狂人はレヴィストロースの未開人と同じ状況?
「構造論的歴史」(バルト)
実存主義への回帰

【ドゥルーズとガタリ】
スキゾ(革命的)とパラノ(反動的)

『アンチ・』欲望する諸機械
『千の』リゾーム(非中心化システム、多様性と非等質性)
欲望する諸機械→動的編成アジャンスマン

リオタール『ポストモダンの条件』

ネグリ『帝国』

【デリダ】
書差学グラマトロジー


French theoryの受容
日本と海外の違い

ソルジェニーツィン『収容所群島』
「ヌーヴォー・フィロゾフ」新哲学派

フェリーとルノー『68年の思想』

文芸哲学

0
2022年11月05日

Posted by ブクログ

「世界の哲学者たちが考えていること」と同じ著者の先生。
レヴィストロース、(ソシュールの後の)ラカン、アルチュセール、フーコー、ドゥルーズ=ガタリ、デリダが対象。コンパクトにまとまってて、読みやすい。興味をそそられるので、原著にもあたってみようかしらとも思ってしまう。

まさに今の時代を、20年近く先取りした予言めいた言葉がたくさん。スマホ、Facebook、TikTok、サブスクリプション。いずれも彼らの死後に登場した21世紀の技術だが、ドゥルーズやデリダの言葉は、まるでそれを見てきたかのようだ。
本書の最後には更にその先を予言した言葉も引用されている。本当にそうなってしまうのだろうか。そうではないと信じたい。
だけど、アメリカや日本におけるポリコレ的な他人の粗探し、そしてそこからの誹謗中傷、言論封殺、自粛警察、などを見ると、曲学阿世の輩の戯れ言などとして無視することはできない。哲学というと抽象的な学問というイメージだけど、〈フランス現代思想〉からは具体的な現場のリアリティが漂ってくる。

0
2020年07月18日

Posted by ブクログ

さんくさくとっつきにくいイメージのフランス現代思想だが、周りにやっている人が大量にいるのでどういう議論をしているのかは知っておきたかった。やっていることは本当に多様で、「ポストモダン」と一括りにされることをデリダなどは拒んだらしい。思っていたよりどの論者もかなり社会的、政治的なことを書いていて、しかし難解でハイコンテクストだから具体的実践に結びつくのかという疑問も残ったし、後続の展開は、少し紹介されていたがどうなっているのか。マルクスなどは、ある種のわかりやすさがあったから社会改革に繋がったのだろうと思うが。

0
2018年10月23日

Posted by ブクログ

フランスの現代思想史の中心であるレヴィストロースを中心にその周囲やそれ以降の哲学者やその思想を紹介した書籍。
構造主義についての考え方はある程度理解できたものの、ポスト構造主義以降の考えかたについては難易度が高かった。
著者がドゥルーズ=ガタリの文章を引き合いに、哲学とは"思想のメガネ”であり、「相性と、生き方と、スタイルを考えてそれぞれ自分に合った"思想のメガネ”を選ぶことになるだろう」と語った点は、「哲学とは何か」という基本的な問いに対する、最も分かりやすい回答の1つだと感じた。要はものの見方であり、戦略論が「企業経営のものの見方」であるように、哲学は「世の中(特に政治・経済・社会・技術)のものの見方」である。今後、思想系の本を読んでいく際には、そういった観点からも読んでいきたいと思う。

0
2016年10月03日

Posted by ブクログ

2015.08.15 構造主義までは理解できるが、ポスト構造主義からはどう理解してよいものか。なかなか難しかったので、周辺の別書籍からもアプローチして理解を深めたいものです。

0
2015年09月01日

Posted by ブクログ

ポスト構造主義はファッションやアート、音楽の領域と結びついて哲学として生き残ろうとしたという分析に納得した。オシャレやかっこいいものとしてあるからこそ、哲学とは縁の遠い人々に、非常に難解で読みにくい哲学書が買われていくのだと感じた。私も購入者の一人だ。

0
2015年04月19日

Posted by ブクログ

読んだことあるのはレヴィ・ストロースとフーコーだけで、それも全部読んだわけではないし、ドゥルーズは2冊くらい途中で放棄したので、いいわるいを評価できるとも思わないんだけれども、実に平易で簡素に解説しているように感じられたし、「思想史」と銘打つだけあって、時間的展開もわかりやすく、頭の中を整理するによい本だと思いました。

0
2015年01月31日

「学術・語学」ランキング