1945年8月15日から観る「大日本帝国」。
帝国末期のこの日に「本土・日本」はどのような姿を現したのか。
この日は、朝鮮、台湾、満州、樺太、南洋諸島といった植民地にどのように影響を与え、その後の国家建設にどのように繋がっていったのか。
時間の縦軸と、世界の横軸を柔軟に使い、そのときの世界を描
...続きを読むき出そうとするこの本。
新書のなかでも、しっかりした内容を持ちながら、文章も読みやすくとても良い本です。
目次を見てもそのきちんとした内容は想像できますが、地図、参考文献、参考資料、年表、と新書レベルでは珍しく丁寧に補足資料が揃えられており、著者の真摯な態度が伺えます。
また、あとがきに、自国の歴史も他国の歴史も直視せずに安易な「歴史観」が蔓延し、国際化といいながら精神的には鎖国化している風潮に反発を覚える、といったような記述内容があることにも共感を覚えました。
最近の乱立、玉石混交の新書の中では、中公新書は質の確保に頑張っていると感じていますが、その中でも自分としては、かなり上位に位置すると思われるこの本。
この時代の歴史の本を読んでみようかという人には、オススメです。