加藤聖文のレビュー一覧
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[瓦解の日々に]1945年8月15日前後の韓国や台湾、中国などでの情勢をつぶさに観察することにより、かつて実在した「大日本帝国」がいかに崩壊し、それが日本人のメンタリティにどのような影響をもたらしたのかを研究した作品。「内地」の歴史だけからは知り得ない、大きな、そして異なる文脈での戦時・戦後史が浮か...続きを読むPosted by ブクログ
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終戦のタイミングで、東京、ソウル、台北、新京、パラオ、南樺太・千島という当時の「内地」で何が起こったのか。戦後に日本という枠で残った東京以外では、統治の移行が行われていくのだが、そこでの権力委譲が行われたストーリーがそのまま戦後の各国史に大きな影響を与えていたことはあまり知られていない。ソウルでの韓...続きを読むPosted by ブクログ
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日本が敗戦した1945年8月15日前後の
大日本帝国勢力内の事情を概説する。
地域によって異なる政情、背景とその後の展開が
コンパクトにまとめられており、
それぞれを比較しながら理解できることもあり
非常にわかりやすく、おもしろい。
個人的には今まで触れる機会のなかった
南洋諸島に関する項が興味深か...続きを読むPosted by ブクログ -
人間文化研究機構国文学研究資料館助教(東アジア国際関係史)の加藤聖文(1966-)による、太平洋戦争終結時の東アジア国際関係。
【構成】
序章 ポツダム宣言-トルーマンの独善とソ連の蠢動
第1章 東京-「帝国」解体への道
第2章 京城-幻の「解放」
第3章 台北-「降伏」と「光復」のあいだ
第4...続きを読むPosted by ブクログ -
1945年8月15日から観る「大日本帝国」。
帝国末期のこの日に「本土・日本」はどのような姿を現したのか。
この日は、朝鮮、台湾、満州、樺太、南洋諸島といった植民地にどのように影響を与え、その後の国家建設にどのように繋がっていったのか。
時間の縦軸と、世界の横軸を柔軟に使い、そのときの世界を描...続きを読むPosted by ブクログ -
満州への移民が,どのような経緯で国策とされたか,を辿る.
発端は,貧困に苦しむ農村を救うという善意と熱意である.そこに,対ソ防衛網を築きたい関東軍と,省益を拡大させたい政府機関とが乗っかり,移民策は拡大してゆく.
そこで起こったことは,都会しか知らない人間が立案した,実情を無視した入植拡大,達成が無...続きを読むPosted by ブクログ -
「満鉄」
この言葉から受けるイメージは、中国東北部を支配した機関というものがあるが、この本を読んでみると、そう言う通りいっぺんの事柄では語れないほど複雑な組織であったことがよくわかる。
そして、満鉄と言えば“アジア号”であるが、その高速列車と中国東北部を支配したと言うイメージが、どうも一致しなか...続きを読むPosted by ブクログ -
本書は、1945年8月15日前後に、日本、朝鮮、台湾、満州、樺太、南洋諸島という「大日本帝国」を構成していた諸地域がどのように敗戦を迎えていったのかを描くことで、大日本帝国とは何だったのか、その本質はどこにあるのか、どういうかたちで滅亡していったのか、そして帝国の記憶の何が喪われてしまったのか、その...続きを読むPosted by ブクログ
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満鉄ってアジア号か満鉄調査部、しかも名前くらいしか知らなかったんやけど、松岡洋右とか十河信二とか出て来てびっくり。いや、松岡洋右は時代的に納得やけど、十河信二って新幹線の人としか知らんかったから。Posted by ブクログ
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[ 内容 ]
「大日本帝国」とは何だったのか。
本書は、日本、朝鮮、台湾、満洲、樺太、南洋群島といった帝国の「版図」が、一九四五年八月一五日、どのように敗戦を迎えたのかを追うことによって、帝国の本質を描き出す。
ポツダム宣言の通告、原爆投下、ソ連参戦、玉音放送、九月二日の降伏調印。
この間、各地域で...続きを読むPosted by ブクログ -
”満蒙開拓団”、戦前に移民として満州にわたり農業に従事するも敗戦後すべてを失い何とか帰国、中には残留孤児問題として後々まで続く悲劇もあった、イメージとして持っていたのはこのようなこと。
本書は、この満蒙開拓団に関する国策が、いかに立案され実施されていったかを、政策史の観点からまとめた通史であ...続きを読むPosted by ブクログ -
植民地経営の主力となる民間の会社、という意味では、オランダ、イギリスにおける東インド会社に当たるような位置付けの満鉄のお話。
有名どころでは、満鉄OBとして、後藤新平、松岡洋右、十河信二(初代国鉄総裁にして新幹線の生みの親)、岸信介、宮崎正義(石原莞爾の”先生”)、などが登場。
外務省、陸軍省、...続きを読むPosted by ブクログ -
「大日本帝国」というのは何だったのかというのが、ここ数年の興味の一つで、本屋で見つけた時は大喜びだった。小熊英二「『日本人』の境界」と対をなすような本で、「『日本人』の境界」が大日本帝国の形成過程を描いたものだとしたら、この本は1945年8月15日を起点にしての、大日本帝国の崩壊過程を描いている。
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