満州とアッツの将軍 樋口季一郎 指揮官の決断
著:早坂 隆
文春新書
陸軍の特務将校 樋口季一郎の生涯の記録です
・杉原千畝に先立つ、ユダヤ人特別ビザ発給事件 オトポール事件
樋口 「参謀長 ヒットラーのお先棒を担いで弱い者いじめすることを正しいと思われますか」
東条英機は頑固者で、こうと思った
...続きを読むら一歩もあとへ引かない性格の持ち主であったが、筋が通ればいたって話の分かる人である
樋口の学歴はかがやかしい
・淡路島 尋常小学校
・三原高等小学校
・大阪陸軍地方幼年学校 KD ドイツ語で士官候補生
・東京 中央幼年学校
・第一師団歩兵第1連隊
・陸軍士官学校
・陸軍大学校
陸軍の仮想敵国はロシアであるが、海軍の仮想敵国がアメリカという不思議、もともとベクトルがあっていない
特務機関員は外国語の達人、複数の言語を使いこなす
ドイツ語 ロシア語 フランス語 ポーランド語
ウラジオストック とは、ロシア語で、東方を支配せよという意味
ロシア人は一人一人は良いのだが、国家となるとあんなに危険な国はない
八紘一宇 日本書紀にある言葉で、八紘とは、四方と四隅、一宇は、一つの家を意味する
ポーランド公使館付武官というポストは、当時、対ロシア研究における最重要ポストとして位置づけられており、特に将来を嘱望された人物が代々その任についていた
クーデター史
1931(S06)十月事件
1932(S07)515事件
1935(S10)相沢事件 相沢は樋口の部下だった
1936(S11)226事件
樋口は東条と同じく、統制派のメンバーと目されていたが、ロシア通であったために、皇道派の将校もよく樋口のもとを訪れていた
樋口と石原莞爾は、盟友だった
アッツ島 大本営の方針で見殺しをせざるを得なかったことを生涯背負って生きている
キスカ島 米軍にパーフェクトと言わしめる采配
占守島 終戦後にソ連兵が攻撃してきた
樋口の持論のひとつは、「死ぬまで勉強」であった
目次
序章
第1章 オトポール事件の発生
第2章 出生~インテリジェンスの世界へ
第3章 ポーランド駐在~相沢事件
第4章 オトポール事件とその後
第5章 アッツ島玉砕
第6章 占守島の戦い
最終章 軍服を脱いで
あとがき
樋口季一郎年譜
ISBN:9784166607587
出版社:文藝春秋
判型:新書
ページ数:256ページ
定価:900円(本体)
発売日:2010年06月20日第1刷発行