小説・文芸 - インタープレイ作品一覧

  • 哀愁の都
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    1巻275円 (税込)
    中尾は春のパリから帰り得体の知れないピエールの実家を訪ね、父の名が宮本蔵人と判った。一年半後に秋のフランスを旅した。奇遇でピエールに逢ったが、父の真の名前など教えても無頓着だった。商社時代にホームステイさせたアンリをストラスブールに訪ねた。中尾の秘書の安納由美と結婚していたが、すでに彼女は天国の人。主人が認知症の清子とはルーアンに旅し、日本に帰りたいと泣かれベッドを共にした。佐竹とはリヨンで会い縁者から義絶され異邦人として生きると嗚咽した。
  • 暁の白い光に~自衛隊創設者「辰巳栄一」伝説~
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    辰巳栄一は葉隠武士道の佐賀育ちで士官学校、陸軍大学校を好成績で卒業した。眉目秀麗、女にもて過ぎ満州に飛ばされるも、英語力から語学研修で英国滞在中に満州事変が起きてロンドン駐在の身になった。一度帰国したが、駐在武官で英国に渡り三国軍事同盟に反対の吉田茂大使と運命の出会いをした。終戦後に吉田首相は軍人ばかりの占領軍との折衝に元軍人で英語に長けた辰巳を参謀に抜擢した。朝鮮戦争勃発で国内が不安になり、辰巳は厭戦に充満した社会で万難を排して自衛隊を創設した。
  • あすかの妖花
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    1巻330円 (税込)
    【前編~黒姫の巻~】 大学テニス同好会の夏合宿で、一行は信濃黒姫高原の民宿にいた。キャプテンの大起雄太の肉体をめぐって額田貴美子と大田姫子が激しく奪い合いをするが、やや押され気味の姫子は夜間に貴美子の部屋を直撃し、二人は口を塞ぎ合ってオンナ同士の魅力比べ合戦をした。他にレズッ気のある若菜や姫子の妹の讃良が絡み、個性的な男子メンバーもいて、舞台は長野善光寺の戒壇めぐり、戸隠高原と歴史伝説の地を巡って、学生達のまぶしい青春模様が展開する。 【後編~万葉姫の巻~】 「テニス同好会」の女子大生は「歴女の会」でもあり、奈良飛鳥の額田貴美子の実家の旅館を拠点に万葉の旅をした。大田姫子は、自分と似た名前の大田皇女の悲しい運命に同情したが、自分にも悲劇が待っているとはまだ知る由もない。野天風呂での若い女達の華やかな生態、貴美子と姫子は互いにお腹の出具合を盗み見合っていた。大起雄太は、姫子の忘れ形見の子を苛める我が子可愛さの後妻讃良をいつしか嫌い、貴美子とレイプ魔の間に生まれた美しい少女に心惹かれていた。

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  • 雨のアムステルダム
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    1巻275円 (税込)
    「雨のアムステルダム」は異国で消滅した祖父の面影を求める孫娘の話 「哀愁の白樺林」は紆余曲折があったが向かいの家の同級生同士が結婚し、思い出の軽井沢に金婚の旧婚旅行し、しみじみと昔を想う話 「母の桜」は生涯を桜の名所で茶店経営し最後に認知症になり息子らを忘れても桜の花は忘れなかった話 「朝焼けの川面」は絶海の島に赴任し、母の訃報を知っても船便がなく、九州の実家に12日後に着いた話 「夢の大魚」は居酒屋で意気投合した男と女が同棲を始め、すぐに熱が冷めた話。
  • 異国漂流物語
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    本書は、第一部では、『今昔物語』『古今著聞集』などに記されている上古や中世の漂流物語を、第二部では、近世の有名な漂流の記録がまとめられている。さまざまな出来事が意外な結末や影響をもたらしてきたことを知ることができる。

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  • 一茶名句
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    「七番目の日記」「おらが春」「一茶発句集」から、いかにも一茶らしい代表作を季題ごとに取りあげ解説を加えながら鑑賞の仕方を案内。巻頭の「一茶の生活とその句」以下、鄙の俳人の感性がイメージ豊かに描かれる。

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  • 雨月物語・春雨物語
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    歌人、茶人、浮世絵草子・譚本作者で江戸中期の国学者上田秋声の短篇怪奇譚集の現代語訳。中国や日本の古典を素材として怪異出現の必然性、怪異描写の迫真性は類をみない。超現実・非現実の奥行きを読む格好の書。

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  • 内なるシベリヤ抑留体験 石原吉郎・鹿野武一・管季治の戦後史
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    「すなわち最もよき人びとは帰ってこなかった」とは名著『夜と霧』の冒頭部だが、この三人の軌跡を語ってあまりある。自己に誠実であり、他者を助けることをいとわなかった人びとは、祖国に居場所を見つけることができなかった。

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  • 「ウツ」は死にたい! 「ガン」は生きたい! ~現代二大病と向き合って~
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    43才にして過酷な目標と激務で「ウツ」に。なにもしたくない。怖い。誰とも触れ会いたくない……。同じような境遇にあった同僚S氏の様々な励ましにも症状は悪くなる一方……。 時期悪くバブル崩壊の時代で自分にもリストラの手が伸びて会社を退職。そんな絶望の世相を書いた本が売れて作家/マーケティングのコンサルとしてフリーランスに! ところが、サラリーマンから一転してフリーランスになると、雑誌や単行本の執筆、マーケティング講座の講師など、なんでも一人でやらなければ生きてはいけなくなる。 そんな日々の疲労の蓄積と加齢が前立腺ガンを引き出す……。1年余りのガンとの対決。そして大病院のシステムや勤務医との対応と、「ウツ」の時とは違った病院環境。 本書は、一人で「ウツ」と「ガン」の現代2大病を両方体験した著者が、医療側ではなく患者の立場から直面した現実を描いた数少ない作品である。

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  • 海の奇談
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    書誌学研究のかたわら、世界の奇談・怪奇談などの紹介につとめ、「庄司浅水ワールド」とも呼ばれ、好評を博したシリーズ。タイタニック号の遭難や、漂流、反乱、海の怪獣談など、古来より数かぎりなくある海にまつわる奇談の代表作集。

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  • エデンの東へ、
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    1巻330円 (税込)
    鎌倉の大富豪の次男の山比幸は、母から長男の海飛幸と露骨に差別され育ったがエデンの園にいる暮らしだった。 父の文武は鎌倉の種馬と陰口され愛人と隠し子の存在に閉口した妻の澄子は別居して逗子に住んだ。 山比幸は元執事や乳母から情報を手繰って実の母の真相を知った。伯母の戸籍上の長男の寿志が、実は弟だったのは衝撃だった。 ボート転覆事故の際に、溺れかかった寿志を見殺しにしたことを伯母の園子の瞳に魅了され告白し、想い人の彩子から叱られてエデンの園から去っていった。
  • 王子クレオマデスの冒険 ヨーロッパ中世ロマン
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    十字軍の遠征は、サラセンという新しい文化を大陸にもたらした。この物語もそのひとつで、サラセン文化が開花していたセビリアを舞台に展開する冒険物語。空飛ぶ木馬は『千夜一夜』などの挿話に見られ、混交する物語として楽しめる。

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  • 大楠のごとくに―葉隠サムライ 富岡敬明の生涯―
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    1巻330円 (税込)
    富岡敬明は鍋島藩支藩に生まれ若殿の側近になった。酒で失敗し辺境の代官に左遷されたが脱藩の科で流刑の江藤新平と親しんだ。側近に帰り咲いたが大殿にへつらう大田蔵人の嫌がらせで若殿は気死した。亡君の遺恨を晴らす義挙に失敗、牢獄に幽閉された。維新の世になり政府高官の江藤に助けられ復職した。江戸無血開城の山岡鉄舟と知り合い、命により税制反対の農民一揆の鎮圧に山梨県に赴任した。村役人を死罪にし悔やみ甲府に永住し菩提を弔った。能吏で活躍し県民一人の華族だった。
  • 鬼のうから三代記
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    1巻330円 (税込)
    瀬戸の小島の一族が海賊討伐令で西へ逃げ別府に漂着した。明治になり別府に湯治客が押し寄せ代々旅館を経営し中興の祖、九鬼頭金之助は奇跡の経済成長でホテルを大型化し、買収のホテルは子の銀太郎やユリに譲渡した。 子はバブル期に更にホテルを巨大化し崩壊後は経営不振のホテルを傘下とした。 孫の赫太とミヤもコロナ禍で倒産寸前のホテル買収を進め、赫太がグループ会長になり経営の一元化を図った。 祖父母の卒寿を祝うまでにマスターキー紛失、星占い騒動、幽霊騒動があった。
  • 小野小町論
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    ある作家の文学的才能と選ばれたテーマとの幸運な出会いというものがある。その時、作家の資質に情熱がこもり、美しい作品として結晶する。本書はまさに、そういう珍しい例のひとつ。探偵小説の翻案、「萬朝報」創刊者として知られる。

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  • 女の洞門 禅海和尚秘話
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    1巻330円 (税込)
    上司の甘言に騙され、会社の金の着服に協力した美貌のヒロインは退職し、カメラマンと称して九州へ逃げた。 新幹線の事故に遭い乗り合わせた出張帰りの大分県庁職員と親密になった。 女は行きがかり上、耶馬渓の青の洞門と禅海和尚を取材した。 男も中津の郷土史家の伯父を紹介し禅海を講義させ、自ら青の洞門、羅漢寺など和尚所縁の耶馬渓を案内するうちに、清楚な美貌の女に魅惑され、互いに実らぬと判っている恋に溺れそうになるが、罪を償うべく洞門の闇に消えゆく女を虚しく見送る。
  • 女幽鬼・白い眼光
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    1巻330円 (税込)
    シェアハウスに学生6人が暮らした。リーダー格の雷光が他のメンバーを趣味の神秘現象研究会に引き入れた。自分が怪談を披露し、皆にも強要したが全てフェイクのお粗末さ。 五月の連休に富豪の子の核太がスポンサーになって、故郷の信濃にバスハイクした。一晩目は核太の屋敷、翌日は戸隠で奇譚を聞き、核太の父の計らいの姨捨の古寺の本堂に泊まった。 夜中に迷度は童子の卒塔婆を拝み核太と陽奈は無縁塚を拝むのを雷光が見たが、本人達は否定し、雄太は雷光一人が外に出たと証言した。
  • 影絵の女たち
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    1巻330円 (税込)
    明治末年に起きた「長野正善寺行李詰婦人死体事件」が下敷きです。 この事件は、旧浅草黒船町(現駒形町)で発生の、愛人に惚れ込んだ亭主が女房を殺害し、せめて亡骸を菩提寺に葬ってやろうと死体の身元を偽装して送ったことに端を発しました。 現代の世で、同地に先祖代々居住の男と同棲の熟女、偶然出会った少年時代の家庭教師で熟女ヘルスマッサージ師が生まれ変わりのような運命を辿りました。

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  • カニになった乙女 ─サリン事件哀話─
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    1巻330円 (税込)
    地下鉄サリン事件で意識喪失しベッドに眠り続ける佐々木香仁子は、夢幻に生家の池に棲む弁慶ガニになった。 ある日、喪服姿の養祖母や縁者が屋敷の池をのぞき込んで、養祖父が死去したと知り、元は人間だったと気付くが、記憶は曖昧なまま思索力は戻った。 屋敷は更地にされ、カニは燃やすゴミで棄てられるが、運よく近隣のママと幼女に救われ水槽に飼われる。 様々な人間模様を観察し世間を斬る。 幼女の不慮の死で、川に放たれたが天敵カモメに食われ、ベッドの香仁子も息を引き取った。
  • カンバスの秋色 ママになれなかった女
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    1巻330円 (税込)
    由香が小倉の手向山公園の桜紅葉を描いていたら、いきなり知らぬ青年から絵を売ってくれるよう頼まれた。 邪意はなかったので送付したら、代金に同封の手紙に驚いた。不妊体質の由香が子を欲しくて親友に代理出産してもらった子だった。 その子は遺伝子上の親に全く懐かず、由香をノイローゼにし母子心中騒動になった。根負けした遺伝子上の親は、ホストマザー夫妻に子を譲った。その子も養子に出され苗字は変わり、名前も改名していた。 互いに知らず長い歳月を隔てて再会していた。
  • 奇談千夜一夜
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    信じられそうもない本当の話、うそのような本当の話、奇なるもの、珍なるもの、妙なるもののエンサイクロペディアの前では、世界がまだまだ広大であり、底深いものであることを思い知る。庄司浅水・不思議ワールドの白眉をなす書。

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  • 吸血女の恋フランス幻想小説
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    本作品は、古くはラフカディオ・ハーンの英訳から、芥川龍之介と久米正雄によって『クラリモンド』の題名で日本語に訳された。そのような経緯から、表題作はゴーチエ作品のなかでなじみ深く、吸血鬼文学としても傑作と評される。

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  • ギリシャ悲劇
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    ギリシア悲劇の名作15篇を物語として描き、舞台を前に観客に解説するように表現してあるので読者は場面を想像しながら読むことができる。舞台劇の悲劇を文学として成立させている。入門書としても最適。

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  • ケルト幻想民話集
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    ケルト民話のなかでだれが一番美人か。「ケルトのヴィーナス」はディアドラかグラーニアか。ディアドラであるに違いない。なにしろ彼女は生まれる前からその美貌が国に災いをもたらすと予言されたのだから。では、一番の英雄はだれ?

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  • ケルト妖精民話集
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    いたずらものの妖精が人間の世界と行き来して、魔法を使ったり変身したり、人の運命をあやつるという物語は、ヨーロッパの先住民ケルト人の文化がいまだ色濃くのこるアイルランドとスコットランドに伝えられる。妖精にかかわる16編。

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  • 月下の晩餐―森鴎外の隠し子伝説―
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    森鴎外の「小倉日記」の長い削除文が公表された。 削除された人物「友石定太郎」の血筋に鴎外の研究家がいて日記を詳細に検証したら、下女に手をつけた疑惑が顕われた。 推理小説の大家松本清張に注進したら作品「削除の復元」で、逆に彼は恩人の鴎外をかばって真相をうやむやにした。 この鴎外研究家は、自分の手で下女の墓石や関係する菩提寺の過去帳と墓場を探して、終に鴎外の隠し子「森清」の墓石を発見した。 だが、マスコミには無視されたので、元警視庁刑事に真偽の検証を頼んだ。

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  • 源氏物語入門 新版
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    約一千年前に書かれたこの物語がなぜ人々を捉えるのか。その物語の魅力、紫式部の人物像などの謎を探って、しかも作品鑑賞の手引書を目ざすという希有な試みを両立させ、「源氏学の泰斗」と称されるにふさわしい名著。

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  • 荒城の空のちぎれ雲
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    1巻275円 (税込)
    中学二年で野球部エースの勝行は、仲間らと花見し婦人のコートを団子の汁で汚し大喧嘩、荒城の城跡で祖父から町史を聞いてラブホを知る。墓参で祖母から実の父母の墓に眠りたいと打ち明けられた。姉の美貌の同級生の自死事件、預かった山羊の獣姦事件、盆踊りの輪に級友とフォークダンスで乱入、神社の祭礼の綱引きの伝統を破り神主を怒らせ、誕生会にクラス仲間31人が出席し家族は大童。年の瀬に中三からは都会の伯父宅に間借り一流中学から進学校合格を命じられエースの座を棄てた。
  • 湖底からの霊言 ―少年Zの告白―
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    1巻330円 (税込)
    筑豊の林陽太は勉強嫌い、中学を出たら美貌の少女がいる南九州の高原の温泉町で和菓子製造業の伯父宅の従業員となった。将来は、その美しい麗香と結婚し跡取りとなる野望を秘めていた。 仕事中に甘納豆の仕上げで大失態、砂糖の横流しを疑われ、伯母の入浴をのぞいた疑い、湖畔観光の婦人に痴漢した疑い、エロ本所持を見つかり変態扱い、自暴自棄になったところで、夜毎の夢の湖底からのキリシタンの死人の霊言と不気味な地鳴りに悩み、逃げ去って間一髪、この地獄の地から命拾いした。
  • これが真相! 光秀と盟友細川藤孝が知る「本能寺の変」(上巻)
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    明智光秀と盟友細川藤孝の視点で「本能寺の変」をまるごと明らかにした、変の通説・新説、読者もひっくり返る上中下の三巻。 「神君伊賀越え」の一行に三河一向一揆の武将が多く、本多正信・鳥居元忠がいない謎。自筆本『信長公記』の改竄とその目的。連歌と源氏物語の繋がりや愛宕山と光秀・藤孝・島津家・朝廷・本願寺・徳川家の深い関係。また光秀天海説では、天海の関与した建造物に、必ず左甚五郎の彫物があるという謎など、多くのテーマを満載し究明した書。
  • 今昔物語
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    原典は全31巻、天竺(印度)、震旦(中国)、本朝(日本)の3部で構成される。多くを占める仏教説話より世俗説話に光り当てて王朝文学に対する庶民を物語る60篇を収録。説話文学の調子をそこなうことなく現代語訳。

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  • 最後のペスト大流行~コロナ禍で振り返る100年前のペスト大流行~
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    100年前に、高知県足摺岬の隣の集落で「日本最後のペストの大流行」があった。 それを早く収束させようとした警察隊は、症状が回復した一人(筆者の伯母)を毒殺した。 そのペストの流行は市史にも記載されていないので、このまま歴史から消すには忍びなく、証言を集めて作品にした。 ペスト感染予防の歴史を紐解くと、日本の北里柴三郎が大きな役割を果たしていた。
  • 薩摩の「ばい船」
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    薩摩(さつま)国の沖にある三島(さんとう)と呼ばれた島々でとれた砂糖きびは黒砂糖に加工されたかたちで藩が買い上げていた。しかも文政年間のおふれで島のお金はすべて無くなって物々交換のとりひきになっていた。 島の少年の杉平は恋人の少女「かな」を連れ去った傘印の屋号をもつ豪商の手代が「かな」の父に乱暴するのを目撃する。 そんな時、誰も御用商人に逆らえぬ島内に迷いこんだ大陸人に杉平と十蔵は出会う。異民族に支配された大陸を解放のために他の国に助力をもとめようと各地の特産物をもとめていると言う劉梅邦に杉平と十蔵は黒砂糖を集めるための協力を申し出る。島内のしきたりに一杯食わしてやりたい気持ちからだった。 計画をたてる杉平と十蔵を待つ運命は何か。

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  • 「さようなら」は、出逢いの始まり……そして、小樽
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    1巻660円 (税込)
    奈津子は、札幌の企業コンサル会社「北海キャピタル」で、若手ながら腕を磨く。そんな奈津子に、同僚の美沙は、自分の甥っ子で自立心旺盛な佐川祐樹を紹介する。 祐樹は、東京の大学に入学したが、大都市の人間性に失望して小樽へ帰り北大に再入学。その卒業前に奈津子と知り合う。 出来たら「北海道」へ帰りたいと望む祐樹の会社へ、小樽市から安倍川政権のカジノ解禁の話の相談に乗ってくれるように依頼が入る。当然のように、我が町小樽の活性化の問題であり、自分から社長に出向を願い出る。 小樽では、眠っていた子供が起こされて泣きじゃくるような騒ぎ! この小樽プロジェクトで、幾度も出会いと別れを繰り返した奈津子と祐樹の間に、男女としての出逢いも始まる…
  • シャルルマーニュ伝説(上) 中世の騎士ロマンス
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    この物語は、野上弥生子訳の「ギリシア・ローマ神話」「中世騎士物語」と伝説三部作を成すもので、「アーサー王物語」と人気を二分する。有名な「ロランの歌」を含み、古代・中世の文学的遺産に親しむための絶好の入門書。

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  • 秋冷の都パリ
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    1巻330円 (税込)
    姫井は菓子製造業の社長、五十にして男の更年期を克服すべく旧友等のいるパリに憂さ晴らしの旅をした。先ずは大学で仏語を習った恩師のバルドー氏に会い日本の武士道、近世史等を語り合った。翌日はサンマルタン運河散策で過ごし、明けてリエと井上靖原作の「猟銃」の一人芝居を鑑賞の後、深更までレストランで語り明かした。以後の日々はペールラシェーズの有名人の墓巡り、バルビゾン地方観光、オルセー美術館見学等で過ごし、金曜日にパリに戻った長江と酒食を共に再会を喜び合った。
  • 新今川記(一)桶狭間逆撃編
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    もし桶狭間の合戦で今川義元が織田信長の軍勢を撃退していたら、その後の戦国史はどう変わっていただろうか――。織田家復興を密かに狙って何処かへ身を潜める信長、義元の秘蔵っ子ながら複雑な思惑を胸に秘める松平元康、偉大な父を持つことによるプレッシャーに悩む今川氏真、そして木下藤吉郎、明智十兵衛など飛躍の時を待つ面々……。多士済々な顔ぶれが織り成すダイナミックな戦国仮想絵巻。
  • 新今川記・外伝 花倉悲歌
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    時は戦国乱世。名門今川家の若き太守氏輝亡き後の家督争いに引きずり出されるふたりの弟――玄広恵探と栴岳承芳(後の今川義元)。彼等を推し立てる福島越前・九英承菊ら野心家たち、さらには女傑と呼ばれた承芳の母寿桂尼など、さまざまな人物の思惑に翻弄され、悲劇的な戦いに身を投じていく兄弟の運命の物語。
  • 神曲物語(上)
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    地獄篇・浄罪篇・天堂篇あわせて100章、14,233行の雄大な叙事詩。3篇を通じて、歴史上に名をつらねる多くの人物が登場する。プトレマイオスの宇宙、軽妙な比喩、多彩な描写が織りなす、世界についての物語。

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  • 新選組婉曲録
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    新選組で有名ではない人物をピックアップした、オムニバス短編集。 緊迫感の中にも喜怒哀楽があり、時代の流れに飲み込まれただけではない新選組隊士の生きた足跡を感じて欲しい。
  • 新編 世界むかし話集(1)イギリス編
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    「ムーミン」やアンデルセン童話など、北欧・児童文学の研究・翻訳に生涯携わり、子供たちには夢を、大人にはやすらぎを与え続けた著者・山室静の世界むかし話集第1弾。 <イングランド>ネコの王さま/カメの遠足/最初のバナナ/三びきのクマ/ロンドン橋の上で/ジャックと豆の木/他8編 <コーンウォール>ベッチィ・ストーグの赤ちゃん/頭から下に向かって/他3編 <スコットランド>ヒース酒の秘密/詩人トマスの話/他5編 <ウェールズ>長すねグウィスの嘆き/他3編 <アイルランド>白いマス/笛吹きとプーカ/他9編

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  • 実録・嫁さらい婿さらい~昭和の時代まで続いた略奪結婚の記録~
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    私の郷里には、嫁さらい・婿さらいの風習があった。私の母は父にさらわれて結婚し、親しい女性は青年団に頼んで屈強な男性をさらって結婚した。 嫁さらいは応仁の乱のころにはあったとされている。その風習は500年以上続いて、なくなったのは昭和の時代だった。 これは、それらの体験者に話を聞いてまとめた証言集である。

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  • 青春は築地小劇場からはじまった~自伝的日本演劇前史
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    恐慌の嵐が吹き荒れる1930年代、劇作家として世に出たが、世は治安維持法下にあって「左翼劇場」に所属した著者は官憲にマークされる。「ムーラン・ルージュ」や「新派」などを舞台に、日本演劇の重大な変革期の記録として貴重な証言。

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  • 中国怪異集
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    中国四千年の歴史は、中国民衆のものの見方や生きる知恵の、革袋のなかの酒ともいえます。「竜女を妻にした男」「象の贈り物」「仙人だった兵士」「空を飛べる薬」他、蛇、竜、狐、虎、仙人などに仮託された二十二の怪異譚を集成。

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  • 中国笑話集
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    中国は笑話の歴史もまた古い。それを集大成したのが明末の馮夢竜の『笑府』13巻で、本書はこの『笑府』を中心に周辺の笑話のなかから、中国民族の生活と文学を知るに役立つと考えられる話を選訳。民衆の思想史、生活史として読める。

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  • デカメロン物語
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    『十日物語』は七人の貴婦人と三人の紳士の十人が、毎日一話のわりで語り、十日間で百の物語が成立するという構成。最も有名な三十話を訳出、ベネチアやフィレンツェなど主題となる都市ごとに編集した名編。

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  • 東京近郊 一日の行楽
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    日露戦争のとき写真班として従軍し、その従軍記を著すなど紀行文を多く残した。時代は明治後期から大正初期。東京近郊の風景・風俗、事件・事故、花鳥風月、事物の来歴、文学的エピソードがこれでもかと盛り込まれた、なつかしい東京。

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  • 東京震災記
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    島崎藤村『破戒』と並び、田山花袋の『蒲団』は性の赤裸々な暴露を描いて、自然主義文学の代表作と評された。それだけに、実地踏査と細密な観察にもとづく大震災直後からの被災の実態描写は、記録文学の金字塔ともいうべき名作となった。

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  • ドイツ中世英雄物語Iニーベルンゲン
    -
    ドイツ中世の騎士物語のほとんどを網羅したもの。ジークフリードが裏切りにあい謀殺される話を軸に、波乱にみちたストーリーが展開される。男女を問わずその人物像の荒々しさと力強さに、ロマンに昇華される以前の物語の原型を見る。

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  • 七つ星の乙女たち
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    1巻330円 (税込)
    葉山太一郎は富豪の家で育ち、姉たちに可愛がられ中学生になっても母親と添い寝した。 友人は女子ばかり、奔放にセックスライフを楽しんだ。女子に巫女がいて、信仰を馬鹿に された折に憑依し呪いの言葉を発した。その言葉通りに七人の乙女達は早逝した。彼は父のキャバレー事業を手伝い、出入り業者のクラスメイトと深酒をするようになり、ある晩酔ってその家に寝込み、クラスメイトの母に亡き母の面影を思い結婚に至った。その妻と理不尽に死別し、八ヶ岳山麓に近代仙人として暮らす。
  • なんじゃもんじゃは首吊りの木
    -
    1巻330円 (税込)
    合瀬順一は故郷を棄て上京したが、仕事はタコ部屋で土木作業員、逃げて今田健三の偽名で神田の大食堂で働いた。 還暦が近づき老いた二親が心配になった。 少年時代の先輩に様子を探ると、早く帰省しろと叱られた。 母親は間借りしていた辻坊主と間男し、逆上した父親が二人を斬り殺し、自分も首吊りの猟奇事件の舞台と化していた。 村の衆は集会に順一を呼び出し親不孝者と罵詈雑言を浴びせた。 順一は自暴自棄、少年時代のマドンナの面影と弟の亡霊を追って白い花の中へ身を投げた。
  • ニッポン奇人伝
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    「奇人とは、稀人であり、貴人でなければならない」と本書は規定する。永井荷風、坂口安吾をはじめとする作家、中江兆民、石原莞爾、阿部定など明治から昭和までの多士済々。独創性や個性、「貴」なるものを排除する日本に稀な人々。

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  • 日本笑話集
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    笑話は昔話のなかのひとつのジャンルで、日本人が本来おおらかな民族性であったことを伝えている。真似そこない話、おろか者の話、大話、業くらべ、智巧譚などを、方言、語り口をいかして収録。終章で、笑話の起源と変遷を辿る。

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  • 日本人漂流記(上)
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    本書は、漂流を海事史的、海外交渉史的、社会史的、文化史的見地から一般向けに書かれた名著。その実証性には定評があり、作家や研究者に高く評価されている。大部かつ充実した密度の高い内容ながら、読み物として知的刺激に富んでいる。

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  • 日本すみずみ紀行
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    著者は映画評論でなじみ深いが、都市空間のなかで作家を描く作品でも知られる。『荷風と東京』『林芙美子の昭和』『郊外の文学誌』などがそれだが、その向こうに原風景を求めてひとり歩くというジャンルがあり、本書はその一書。

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  • 日本怪談集 幽霊篇
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    科学上の常識では実在しないはずが、なぜ人は幻視・幻覚をかくも長い歴史のあいだ経験し続けてきたのか。それがなぜ、伝承や文芸として同じように造形化されたのか。民俗学的視点からまとめられた、日本初の「幽霊体験資料集」。

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  • 花岡事件の人たち ~中国人強制連行の記録
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    「この著の中心をなしている三人の話は、生き方の強さ、戦争のむごたらしさと同時に、戦争責任とは何か、人間が生きるとは何かということを、日常の生活感覚のなかで『問い』かけている」十数年にわたる聞き書きによってなし得た労作。

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  • 花冷えの都パリ
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    1巻275円 (税込)
    商社マンから予備校講師への半生を終えた中尾は、学生時代のサークル仲間を訪ねてパリ観光をした。日本映画の斜陽に嫌気した佐竹は渡仏しパリの独立プロでしがないドサ回り暮し、想い人だった清子は佐竹と別れ、シャンソン酒場オーナーと結ばれていた。清子と再会し気兼ねなくモンマルトル観光を一緒したが別れの辛さに涙がこぼれた。翌日、カタコンブの骸骨壁を見物し公園で憩って物乞いのピエールと知り合ったら同じ温泉町別府がルーツと判ったが、彼は正体不明の幽鬼のようだった。
  • 幕末維新ホテル伝
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    まもなく明治に改元される慶応4年夏、江戸築地の外国人居留地に「築地ホテル館」が完成した。列強が幕府に開設を強要したが、財政逼迫の幕府にその余裕はなく、勘定奉行・小栗忠順の発案で民間に建てさせることに。これに応じたのが清水屋棟梁の清水喜助(清水建設創業二代目)だった。が、居留地の外国商会誘致の不振から経営破綻、さらに銀座大火で焼失という悲運に見舞われる。しかし喜助はめげずに、新時代の建築につぎつぎと挑んでいく――。そのドラマを描く実話小説。
  • 幕末恋語り~秋の華~
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    菱屋の愛妾のお梅が取り立てに向かった先で出会った粗暴な男、芹沢鴨。 野蛮だがはっきりと物事の本質を見抜く芹沢に心を奪われたお梅は、やがて浪士組の内乱に巻き込まれていく。 幕末と言う時代で出会った、男と女の物語。

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  • 幕末恋語り~夏の鈴音~
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    京の町民であり、動乱の時代を尻目に生活を営むまさと、動乱の渦中にいる新選組十番隊組長原田左之助。 生きる世界の違う二人は出会い、穏やかに恋を育み始めたが、それを時代はよしとしなかった。 新選組の動乱の中、生まれる小さな恋の話。

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  • 幕末恋語り~春の雪~
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    人を本気で愛した事のない遊郭の花、深雪太夫と、剣の道を志し夢を求めて上洛した近藤勇。 互いにないものを見出し、思いを通い合わせるものの、二人には越える事のできない溝があり。 幕末と言う激動の時代の中、春の雪のようにただ儚い、交わる事のない想いの物語。
  • 幕末恋語り~冬の菊花~
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    舞妓の君菊が座敷で見かけたのは、酒の席ではあまりに場違いな酒を拒む男、土方歳三。 本音と建て前を使い分ける土方に徐々に入れ込むようになった君菊だが、土方は隊のあり方に大きく悩み、彼女の恋心に気付く素振りを見せない。 すれ違うだけだったら、どれだけ苦しくなかったか分からない。ただ座敷の上でだけは夢を見させて下さい。
  • 芭蕉名句
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    芭蕉・一茶研究に多くの足跡を残した著者が著した画期的入門書。「解することと味わうこと」「名歌鑑賞」「名句拾遺」の多面的な章だてと、春夏秋冬に分けて収録するなど工夫が凝らされ、俳聖の人と作品の全貌を描く。

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  • バスク奇聞集フランス民話
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    バスクの人々はピレネーに囲われ、起源不明な独自の言語を持ち、地理的条件からその特異性をいまだ保持しているが、それは、伝説や民話にいきいきと伝えられている。妖精・怪奇譚・奇跡物語・魔女伝説、動物譚など、本邦初訳の書。

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  • バビロニアの幽閉塔 ヨーロッパ中世ロマン
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    『王子クレオマデスの冒険』に続くロマン。バビロニアにある謎にみちた塔に幽閉された乙女。すべての試練を突破して乙女との再会をはたした王子の知恵と勇気。異文化の香りが、物語の展開に彩りをそえるファンタスティックな作品。

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  • 秘められた世界史
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    このシリーズ中では一転して、歴史的事実、事件の裏にある悲しくいたましい秘話、エピソードを発掘したもの。リンドバーク二世誘拐殺人事件、聖バレンタイン・デーの惨劇、全滅したフランクリン探検隊の秘話など興味深い14話で構成。

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  • ビイデビイデの紅い花―小笠原島流浪記―
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    1巻330円 (税込)
    小笠原海玉は双子の弟、乳飲み子の時に両親が火災で焼死、農家の祖父に引き取られ将来は下男の育ちをした。 姉の海香は医師の祖父が引き取り、将来は医師を婿に取るよう育てられた。 双子の父母は学生結婚で、母は医師を婿に取る運命にあったので、娘を拉致したと医院側は怒り両家は絶交した。 海玉は遠縁の警察官を頼り東京で警備員をするが、大きな失敗をして逃亡のように小笠原島に渡り、島で自殺するが助かり仕事を転々、海香も医院廃業で都の教員になり島に赴任し弟と巡り会えた。
  • ファウスト物語
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    ゲーテの生涯をかけた大作。高名なわりに読み通した人が多くないのは、韻文で書かれた戯曲という形式上の制約からといわれる。本書は、原作のもつ重厚さ失わず、読みやすい「物語」にまとめて好評を博した作品。

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  • フランス怪奇民話集
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    「死の予兆」「亡霊のいたずら」「死者の呪い」「魔もの退治」「地獄からの救済」「冒険とロマンス」の6章からなる。吸血鬼譚や、指輪やかぶりものを盗まれ死者が復讐する、逆に死人の恩返し話など、ホラーをしのぐ場面が展開する。

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  • フランス幻想民話集
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    「恋人たち」「悪魔」「領主」「求道者」「死者」「亡霊」の6章構成。「幻想文学の世界はわれわれの住む現実の外にあるのではない。反対に、現実の中から理解しがたいものとして突然浮かび上がってくるもの」人々を惹きつける理由である。

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  • フランス妖精民話集
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    妖精・怪奇・幻想三部作のひとつ。「変身譚」「愛」「嫉妬」「試練」「不思議な動物」「妖精」「プシュケ神話」の7章からなる。フランス民話はペローの童話で有名だが、炉辺で語られる民話は民衆のしたたかな想像力の裾野の広さを示す。

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  • ふるさとの高いあの嶺 ─天山情話─
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    1巻330円 (税込)
    野田稔は、従姉の八重と幼さゆえの過ちのために、十五の春に故郷を涙ながらに後にして上京し、縁者の経営する百貨店の住み込み店員となった。 イケメンの彼は、まだ小学生だった経営者の娘から恋い慕われて、二十五で結婚し、重役として還暦まで順風満帆な人生を過ごした。 還暦を機に受診した人間ドックで悪性の病が見つかり死を覚悟した。残りの日々、生と死を考え葬儀も墓も戒名も不要と悟り、故郷の山に散骨を遺書に書き友達にも依頼した。
  • 糞尿博士・世界漫遊記
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    公害や環境問題が注目されるようになるはるか以前から、著者は糞尿を培養基として緑の高たんぱく質クロレラを培養することに取り組み成功。そこで「食料革命」の一大構想をひっさげ博士は世界へ。ユーモアに富んだ痛快な旅行記。

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  • 平家物語
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    著者は源平合戦の話を祖父から聞かされて育ったという。平家物語はいわば著者にとって歴史のアイデンティティーを辿る研究でもあっただけに、「語り物」としての古典の特徴が見事に再構成され、読物に昇華されている。

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  • 弊風一斑蓄妾の実例
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    「萬朝報」紙上で、権力者の醜行を執拗に攻撃したため涙香は「まむしの周六」と渾名されたが、本書では、男の玩弄物である妾の実例を暴露。犬養毅、山県有朋、井上馨、伊藤博文、榎本武楊、文化人では森鴎外などが俎上にのせられた。

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  • 変化 フランス幻想小説
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    ゴーチェの作品はエキゾチック情緒にあふれたものが多いが、本集には特にそうしたものが集められている。作家の注目すべき点のひとつを挙げれば「足」へのこだわり。美しいヒロインたちは子どものような小さなくるぶしの持ち主であった。

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  • 星影のセレナーデ(一)青嵐の巻
    -
    1巻330円 (税込)
    赤嶺洋は果物店主の好意で間借りさせてもらい、縁あって向かいに住む市場の和菓子屋の息子の家庭教師をした。息子には美貌の義姉香田暁子がいた。 彼女は満州生まれで母親の消息も知らず実父はヤクザで交流はなかった。実父と養父は幼馴染の関係だった。しかも果物店にはそのヤクザの息子松村順平が店員でいた。 順平と暁子は義姉と義弟で交流もなく、そんな複雑な事情の中で家庭教師をした。 大学では左翼系学生の佐々大介やノンポリの川野妙子と親交したが、暁子とも親しくなった。
  • 星影のセレナーデ(五)人間の運命の巻
    -
    1巻330円 (税込)
    赤嶺は三年生になり義祖母から仕送りを受け、バイトの必要がなくなり勉学とサークル活動と学友との交流を深めた。四年生になり卒論も就職試験も満足にできた。回想から現実に戻り、偶然遭遇した勝子婆さんから懐かしい光子小母さんの近況を知り会いに行ったが厳しい現実を見て落胆した。悄然とホテルに戻りベッドにいて夢幻に河原に降りていた。憧れのお姉さん香田暁子がいた。河を渡り生みの母に会いたいと言うのを止めさせようと説得したが、彼女は水に入り川霧の彼方へ姿を消した。
  • 星影のセレナーデ(三)青春純情の巻
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    1巻330円 (税込)
    ヤクザの抗争で父が殺された順平は店を辞め敵討ちに組員となった。赤嶺は学業と店のバイトの両立を続けた。佐々に誘われ博多の左翼の集会に参加、その足で新婚の山滝先輩を訪ねたら新妻は偶々足立商事経営者と親戚だった。暁子は家を出て経営者の秘書、娘に去られた菊屋の主は落ち込み重篤な病が見つかり病没、在日の子も帰還船で帰り、妙子は演劇部が嫌で退学した。年末に順平が金の無心に来たのを主が殴り逆に包丁で殺害され店は閉店、未亡人は実家があり赤嶺はバイトも間借も失う。
  • 星影のセレナーデ(二)婦人達の色香の巻
    -
    1巻330円 (税込)
    赤嶺洋は左翼の佐々とは付かず離れず、ノンポリの妙子とは親しくした。夏休みは間借りの恩から果物店で盆までスイカ配達のバイト、帰省の汽車賃を稼ぎに訪ねて来た佐々に市場の牛乳屋の拡販バイトを紹介した。 その間、赤嶺は百貨店で中元配達のバイトする在日の中学生と親しくなり映画に連れて行き少年雑誌を買ってやったら、その子は父親からバイト代をくすねたと殴られ社会の格差を知った。 夕涼みで近隣の婦人達のあれくれを見物、勝子ママから誘惑されるも光子小母さんに救われた。
  • 星影のセレナーデ(四)別れと妄想の巻
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    1巻330円 (税込)
    未亡人になった入江光子は、赤嶺が市場のアルバイトで知り合った人達を招いて送別会を開いた。近隣住民の光子の幼馴染の片山勝子はいかがわしいバーのママであえて招かなかったが仕事帰りに清水夫人と出会い送別会があった事を知り腹立ち紛れに宴の後へ押しかけた。光子と勝子と赤嶺は飲み直しをし、酔った女同士は喧嘩したが幼馴染のことで仲直りし三人で入浴した。その晩、赤嶺は夢幻に光子と一緒の布団にいた。実家に戻った光子とは永の別れになり、赤嶺は貿易英語研究部に入った。
  • 亡命幕府 修羅の妄執
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    織田信長によって京を追放された将軍足利義昭は、中国の太守毛利家の庇護を受けつつ京都復帰へ飽くなき執念を燃やす。 そんな義昭に相乗りする形でおのれの野心や夢を果たそうとする北畠具親・六角小次郎・内藤如安ら一癖も二癖もある武将たち。彼等を庇護する毛利家の人々。そして彼等とともに戦う本願寺の顕如光佐や荒木村重といった面々。 本能寺の変に至るまでの数年間を舞台として、さまざまな立場で信長と対峙した者たちの心の動きを追う戦国群像劇。
  • 魔眼 フランス幻想小説
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    「ワイルドとかゴオチェとかいふような絢爛とした小説が好きであった」と芥川龍之介をはじめ、日本の近代文学作家に大きな影響を与えたフランス幻想作家の作品集。怪異、霊異への偏愛が、怪しい作品世界を造形する。表題作他2編収録。

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  • マルコ・ポーロ 東方見聞録
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    叔父に伴われヴェネチィアを発ったマルコは元の上都に至り17年後に帰国するが、ジェノバの獄につながれその獄中で語られた見聞録は、たちまちヨーロッパ各国語に翻訳された。読みやすさで定評のある名訳。

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  • 満州、少国民の戦記(上)
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    執筆の動機は、父親から「お前は新聞記者だが、一度は自分の歴史を調べて書くべきだ」と言われたことによる。昭和20年8月、8歳だった著者は、ソ満国境に近い興安街を脱出、朝鮮との国境の町の安東に辿りつく。付「子供の戦記」。

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  • 万葉名歌
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    数多い類書と比べ本書の最大の特色は、各巻からの抜粋ではなく、年代順に鑑賞・研究するところにあることと、何よりアララギ派の実作者である著者の感性が解説・注釈、歌の選択にも生かされているところである。

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  • 湖は月の光に満ちて来る
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    1巻330円 (税込)
    東京の国立大学生花園司郎は夏休みに仲間二人と公認会計士合格をめざし、外遊の信濃の祖父の留守宅で合宿した。そこに祖父の養女百合子が女子高生になっていた。百合子の銀座ホステスの母は焼死し、店の馴染み客だった祖父は、恩義から乳児百合子を養女にしたのだった。司郎達は百合子と同級生のサト子、美和に勉強を教え親しんだ。司郎と百合子、仁吉とサト子、明と美和のコンビで、白馬、糸魚川、軽井沢へとそれぞれドライブしたが親に叱られた彼女達が復讐の大騒動を企んだ。
  • 明治の東京
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    内容は、震災復興事業でできた環状道路・明治通りを自動車で回った印象記などと、大衆芸能や芸人に関するものに大別される。学識や趣味の広さと文壇閲歴の永さが孤蝶の随筆集を特徴づけていて、「日本のアナトール・フランス」と呼ばれた。

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  • もう一度、昭和歌謡曲!~そこには人間がいた、ドラマがあった!~
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    歌謡曲は、当たってナンボの商売であり、芸能界は庶民の憧れになっている一方で、戦国時代の様相を呈し、歌謡界も秋元AKB商法の独占がいつまで続くか!? 昭和のアナログ時代には、お互いへの愛情と思い遣りでの付き合いがあった。そんな時代の森昌子/桜田淳子/山口百恵の生き方とは……! さあ、心を和ますあなたの昭和歌謡を歌いましょう!
  • 物語 西遊記
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    「水滸伝」「三国志演義」「金瓶梅」の四大奇書のひとつ。唐の僧玄奘、すなわち三蔵法師の紀行という史実をもとに創作された妖怪変化、奇想天外、千変万化の物語。軽妙洒脱な名訳で、孫悟空をはじめ脇役の活躍を活写。

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  • 物語 三国志
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    三世紀前半、魏、呉、蜀の三国が新たに興り中原に覇を争った……。日本の物語にない、かなたを思わせる厖大な世界を内蔵するところに着目すべきだとする訳者の読み込みが、新しい三国志として凝縮されている。

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  • 物語 水滸伝
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    「水滸伝」を直訳すれば「水辺物語」。梁山泊という湖水を背景にくりひろげられた数々の事件を描いたことから名付けられたが、宋江ほか36人が次から次に同じ志で集まっていく過程が時代を超えて人々を惹きつける。

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  • 紅葉の死美人屋敷
    -
    1巻330円 (税込)
    鬼山刑事課長は都心から多摩の田舎警察に転勤になり出世レースから脱落したと自覚した。 赴任先に難事件「紅葉屋敷女性死体遺棄事件」が時効を控えて捜査に焦燥感を持った。ベテラン刑事と若手の刑事に専従捜査をさせたが埒があかず、自分も内密に霊能者によるオカルト捜査をしたが無駄だった。 そんな中、死体の第一発見者の老人が、アル中による妄想から被害者が自分の娘だと信じ込み、秘儀で娘の魂を火葬して弔うと物騒なことを言うので、監視警戒させたが地獄絵の結末が待っていた。

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  • モンテーニュ 随想録
    4.0
    この思想家が特記されるのは「私は何を知っているか」という命題から出発し、予断、断定、差別、高慢を排し、そのため『随想録』は事柄を並置、対比することに徹し、エッセーという新しい叙述方法が生み出された。

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  • やじより―松尾多勢子異聞―
    -
    南信州新聞連載作品(令和2年)。勤皇婆として知られる伊那谷の国学者・松尾多勢子と、親子ほどに歳の離れた長州藩士・品川弥二郎との友情物語を描く。 連載時は多勢子生家の後裔をはじめ中津川市中山道歴史資料館の協力を賜る。
  • 妖精の誕生 フェアリー神話学
    -
    「世界中のフェアリーの特徴を調べたい人は、トマス・カイトリーが書いたこの本を読むことからはじめるのがいちばん」と評される名著。フェアリーという概念の起源、説話の発生地、伝播の道筋など、ファンタジックな世界の入門書。

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  • 妖精メリュジーヌ伝説
    -
    ケルト的な妖精伝説がフランス中世の歴史と渾然となった壮大なロマン。美しい妖精とレモダンンは運命的な出会いの後結婚、十人の子どもをもうけるが、夫が妻の秘密を見てしまったため妖精は去り、子どもたちにも数奇な運命が待っていた。

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  • 吉原はこんな所でございました 廓の女たちの昭和史
    -
    ひとりの女性の半生を通して語られる吉原の移り変わりの詳細な記録。徳川時代、官許の場として集められた女たちは、時代を経て戦中には軍の徴発を、戦後は占領軍対策にあてられた。長じて松葉屋の女将となる少女が見た廓と女たち。

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  • リヨンの河畔にて
    -
    1巻330円 (税込)
    「リヨンの河畔にて」は日本に留学した教え子のフランス人女性との交流話「変身」は父の田舎の生家に幼い頃に住んだことが懐かしく成功して訪ねたら故郷が消滅していた話「亡霊の棲む客間」は進駐軍に雇われた父が特に隣家の旅館に米軍の珍味を与えて繁盛させたが亡霊の間を食材置場にして検挙された話「言問橋の上」は大嫌いだった画家にふと好意を持った女性が思い切って話しかけた話「石段の町の巡礼」は、妻に死なれた男が玄関で経を唱える美人巡礼を呼び止めて身の上を聞く話。

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