真の完結まであと20年はかかると豪語する著者は、無名の偉人たちを丁寧に取り上げながら、幕末に向かうエネルギーを読者にぶつけてきます。「幕末」と言いながら、原因になった「関ヶ原」まで遡ったため、登場人物が膨大になり、30年以上の連載になってしまったのです。
印象的なエピソードは数えきれませんが、その後、歴史小説として話題になった
・関ヶ原での島津の正面突破による退却
・恐妻家(妻はお江~大河ドラマでは上野樹里!)だった二代将軍・秀忠の浮気で生まれた保科正之が家光への忠誠が認められて会津の藩祖になるが、それが幕末の悲劇につながる
など、私は歴史をこのマンガに学んだと言っても過言ではない!質量ともに文句なしの傑作です!
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解体新書、完成
オランダ語の単語を一つ一つ読解し地道な作業を繰り返し、様々な困難に見舞われながら完成した解体新書。主導的な立場であった前野良沢ではなく、杉田玄白の書となってしまいそれぞれの運命が分かれていく切なくも感動的な巻。しかし前野良沢にとっては名声よりもこれで幸せだったのかもしれない。