【感想・ネタバレ】とるとだす(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

若だんなの父、藤兵衛が倒れた! 長崎屋の大黒柱の危機に、妖(あやかし)たちも大慌て。一太郎は、父の命を救うため、薬種屋たちのいさかいに飛び込み、蜃気楼のなかに迷い込み、恐ろしい狂骨の怨念につきまとわれながら、ついには神が住む常世(とこよ)の国を目指すことになるのだが――。八面六臂(はちめんろっぴ)の活躍を見せる若だんなは父を助けることができるのか!? 不思議と怪奇に彩られた、スリル満点のシリーズ第16弾。(解説・大矢博子)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

いつも寝付いてる若旦那が、店先に立つ場面があって満足(笑)

聞いたことがある事柄、人物、神が
キャラクターとなって生き生きと活躍しているのを見るのは、大変嬉しい!

お馴染みキャラの新たな一面も見れて超嬉しい1冊!

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2020年07月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2021/5/11
安定の。いつもひらがなタイトルなのに一つ「長崎屋の主が死んだ」っていうのがあって驚愕。
見え見えのフリやのにまんまとビビらされた。
今回はお父さんが倒れて若だんな頑張った。
ちょっとずつ頼もしくなってるのかも。
嬉しいような寂しいような。

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2021年05月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 毎年きっちり同じ時期に、新刊と文庫が出るしゃばけシリーズ。第16作になりましたか。今回は、一太郎の父にして長崎屋の大黒柱、藤兵衛が倒れてしまった! 全5編は、父のために一太郎が奔走する、連作長編でもある。

 発端である「とるとだす」。上野の広徳寺に多くの薬種屋が集められ、一太郎も父に同行していた。父がそんな無茶をしてしまった理由が、一太郎には痛いほどわかる。それだけに、責任も感じるのであった。江戸時代も現代も大して変わらないねえ。

 「しんのいみ」。一太郎の思いが強すぎたばかりに、気づくとこんな場所にいた。お約束と言えなくもないが、藤兵衛以前に一太郎が危ない。男がすがる気持ちを責めることができるか? それにしても、ここまで危険を冒して、「一段」ですか。

 「ばけねこつき」。また一太郎の縁談ネタと思いきや、騒動の裏にある男の悲哀とは。働いて働いて…現代社会でもこういう事例はあるのではないか。残念ながら首を突っ込んだ甲斐はなかったが、めでたしめでたしでいいのか?

 「長崎屋の主が死んだ」っておいおいおいおい、死んではいないのでご安心を。かわいい妖だけではない。なぜか長崎屋に恨みがあるらしいが…。逆恨みで片づけるには、あまりに悲しい事情。華やかさの裏にある、江戸の闇の一面。

 「ふろうふし」。回復してきた藤兵衛の容態が、再び悪化。一太郎は特効薬を求めて神仙の住まう国へ飛んだはずが…。長生きしたいとは思うが、不老不死とは幸せなのか? 妖には妖の寂しさがある。シリーズの本質を突いた1編かもしれない。

 最初から最後の薬を使えばよかったのではと思わなくもないが、この5編に描かれた以外にも、噂や評判を聞けば駆け付けたのだろうと推察される。藤兵衛の回復までどのくらい時間を要したのか。気が気ではなかっただろう。

 やはり、一太郎の頑張りに注目すべきだろう。いつも通り、頭も働かせるが、自ら動く。床に伏せっている描写は少ない気がするが、畠中さんは敢えて少なくしたのか。父を助けたい必死の思いが、一太郎の気力体力を持続させたのかもしれない。

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2020年01月17日

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ネタバレ

長崎屋の大旦那が、いろいろな薬を飲まされた挙句、倒れてしまった⁉️

おとっつぁんのために頑張る若旦那。
でも、それは確かにいつかくる日。
時の流れに若旦那の成長と妖かしたちとの違いを改めて感じ(T ^ T)

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2019年12月03日

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ネタバレ

藤兵衛が倒れたことで連なる物語。
長崎屋の〜はびっくりするタイトルで、内容はひどく悲しく淋しい。
ばけねこつきも手から零れ落ちる砂のように脆い話だったが、その後の彼の人生が全く別のものになっていて安心した。
未来に待つ別れをそっと滲ませて、それでも一緒にはいけないからいつか巡る江戸を待ち侘びる。

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2025年08月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 このシリーズ、力を抜いてゆるりと読みたいときの最適解だと思っています。変わらないノリと雰囲気に安心する……。ただ、作者が物語を未来へ未来へとかなり意識的に進めて行っている節があるので、例えばこの先、藤兵衛のような主要人物が本当に亡くなってしまうような展開になったとしたら、物語の主軸はどうなるんだろう、と、ふと考えてしまうような一冊でした。
 それを最も強く感じたのは、やや異色の一編「長崎屋の主が死んだ」。若だんなが妖を救ってやれない展開は、このシリーズでは珍しい。今後のテーマはやはり、人と妖の共存になっていくのかな~。

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2020年02月03日

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