【感想・ネタバレ】アルキメデスの大戦(17)のレビュー

あらすじ

櫂が立案、参加した上海への渡洋爆撃は、成功したが中国軍との交戦により坂巻ら7名が戦死する。生還した櫂は、嶋田らに全航空機へ防弾装備を施す機体改修を訴えるが、反感を買い謹慎処分に。そんな櫂のもとを外務省の丹原が訪れ、中国にいる東条英機に会いに行くと話す。戦争拡大を阻止すべく、櫂は正体を隠して丹原と共に中国へ!

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1933年の日本海軍を舞台にしているのに、主人公のファーストミッションは「超巨大戦艦建造費用の見積もりの調査」というもの。読み始めたときは正直、「え、地味すぎないか?」と思いました。建造費用がどうこうって裏方のさらに裏方の話じゃないですか、と。

しかし、読み進めていくと、自分の浅はかさを思い知らされます。まず、主人公・櫂直がかっこよすぎる。東京帝大中退の数学の天才で、英語・仏語・独語もペラペラ、しかもイケメンで女性にもモテるんです。
戦艦に関する知識はゼロという状態で、海軍省経理局という超絶アウェイにいきなり放り込まれて、数学の才能一本で真実を解き明かしていく――そんな下剋上ファンタジスタぶりを見せつけられるだけでも痛快で面白いのに、国防や戦争が抱える矛盾、上層部の軍人たちの曲者ぶりなど、読者を唸らせる要素がたっぷり盛り込まれています。
さすが、庵野秀明氏、かわぐちかいじ氏、秋本治氏が帯に推薦コメントを書いているだけあります……! このお三方の並び、信頼感しかないですよね。

正義感が強く平和を愛する櫂が、新型戦闘機を開発するなど、図らずも戦争の要となる技術戦略畑に深く関わるようになっていく様が、物語の面白さであると同時に、戦争に向けて動き始めた世界からは誰も逃れられない……という恐ろしさを物語っているようでもあります。『ドラゴン桜』(講談社)や『インベスターZ』(コルク)を世に送り出した三田紀房先生ならではの、“面白くて考えさせられる”作品です!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

・159 元ネタが友鶴事件のとき(艦艇)は、いろいろと止めたのに。
・160 もうバトル・オブ・ブリテン
・162 豊かなのは満州の都市部だけじゃないの?
・163 東條に参謀飾緒無し
・164 まるで、未来の独ソ戦
・165 支配者が欧米列強から日本独占に代わるだけ。
・166 英霊のために、生きている兵隊の命を積む矛盾。

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2020年03月23日

シリーズ作品レビュー

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