【感想・ネタバレ】アルキメデスの大戦(5)のレビュー

1933年の日本海軍を舞台にしているのに、主人公のファーストミッションは「超巨大戦艦建造費用の見積もりの調査」というもの。読み始めたときは正直、「え、地味すぎないか?」と思いました。建造費用がどうこうって裏方のさらに裏方の話じゃないですか、と。

しかし、読み進めていくと、自分の浅はかさを思い知らされます。まず、主人公・櫂直がかっこよすぎる。東京帝大中退の数学の天才で、英語・仏語・独語もペラペラ、しかもイケメンで女性にもモテるんです。
戦艦に関する知識はゼロという状態で、海軍省経理局という超絶アウェイにいきなり放り込まれて、数学の才能一本で真実を解き明かしていく――そんな下剋上ファンタジスタぶりを見せつけられるだけでも痛快で面白いのに、国防や戦争が抱える矛盾、上層部の軍人たちの曲者ぶりなど、読者を唸らせる要素がたっぷり盛り込まれています。
さすが、庵野秀明氏、かわぐちかいじ氏、秋本治氏が帯に推薦コメントを書いているだけあります……! このお三方の並び、信頼感しかないですよね。

正義感が強く平和を愛する櫂が、新型戦闘機を開発するなど、図らずも戦争の要となる技術戦略畑に深く関わるようになっていく様が、物語の面白さであると同時に、戦争に向けて動き始めた世界からは誰も逃れられない……という恐ろしさを物語っているようでもあります。『ドラゴン桜』(講談社)や『インベスターZ』(コルク)を世に送り出した三田紀房先生ならではの、“面白くて考えさせられる”作品です!

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破天荒な・・・

2022年06月28日

 発想がスゴクて、当時の陸海軍の確執をモノともしない行動が痛快です(実際、空軍創設の意見はあった様ですが・・・)。櫂少佐の構想がどこまで
実現するのか、次巻が楽しみです。

#アツい #カッコいい

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Posted by ブクログ 2018年01月07日

「風立ちぬ」は5巻も続く。
三菱製の胴体に、中島製の発動機をのせる。当時の国内最新技術の合体で、新型戦闘機開発の権利をもぎ取ろうとする櫂の計画。とはいえ、競合相手に技術供与を行ってくれるはずはないので、あの手この手で交渉します。
その過程で出会った東条英機。
現在、閑職にいる彼ですが、今回「貸し」を...続きを読む作ってしまった櫂。これが後々、どう関係してくるのか。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年11月20日

漫画向きな話じゃないような……
#43 軍務局長は実質的にかなりなポスト。党でいうと、幹事長みたいな感じ?
#47 櫂が永田を説得する材料が弱いと思っていたら、空軍創設案。ゲッペルス?あなた(永田)がトップへくらいは、櫂が言うかと思いました。

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