【感想・ネタバレ】アルキメデスの大戦(6)のレビュー

1933年の日本海軍を舞台にしているのに、主人公のファーストミッションは「超巨大戦艦建造費用の見積もりの調査」というもの。読み始めたときは正直、「え、地味すぎないか?」と思いました。建造費用がどうこうって裏方のさらに裏方の話じゃないですか、と。

しかし、読み進めていくと、自分の浅はかさを思い知らされます。まず、主人公・櫂直がかっこよすぎる。東京帝大中退の数学の天才で、英語・仏語・独語もペラペラ、しかもイケメンで女性にもモテるんです。
戦艦に関する知識はゼロという状態で、海軍省経理局という超絶アウェイにいきなり放り込まれて、数学の才能一本で真実を解き明かしていく――そんな下剋上ファンタジスタぶりを見せつけられるだけでも痛快で面白いのに、国防や戦争が抱える矛盾、上層部の軍人たちの曲者ぶりなど、読者を唸らせる要素がたっぷり盛り込まれています。
さすが、庵野秀明氏、かわぐちかいじ氏、秋本治氏が帯に推薦コメントを書いているだけあります……! このお三方の並び、信頼感しかないですよね。

正義感が強く平和を愛する櫂が、新型戦闘機を開発するなど、図らずも戦争の要となる技術戦略畑に深く関わるようになっていく様が、物語の面白さであると同時に、戦争に向けて動き始めた世界からは誰も逃れられない……という恐ろしさを物語っているようでもあります。『ドラゴン桜』(講談社)や『インベスターZ』(コルク)を世に送り出した三田紀房先生ならではの、“面白くて考えさせられる”作品です!

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年12月08日

50 防弾タンクは陸軍だと、割と初期から装備していたような。
53 タキシー等は省略みたいで。降下中の脱出は垂直尾翼に当たるので危険。
54 ヨーヨーのマニューバなんて、非力エンジンの時代にもあったのね。
55 次世代軍事技術の中枢に芸者が差し入れですか。

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Posted by ブクログ 2018年01月07日

6巻も引き続き「風立ちぬ」。
三菱の機能性、中島の安全性を合体させた海軍機で審査会へ挑む櫂直たち。もちろん、対極にある二つを調和させることは困難で、開発には多くの難関が立ちはだかります。
それでも、審査会に間に合わせた櫂たち海軍機。名称はカツヨ。櫂も坂巻機関大尉も入れあげている芸妓さんです。女と車は...続きを読む上手に乗るもんだ、といいますからね。

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