【感想・ネタバレ】アルキメデスの大戦(26)のレビュー

あらすじ

兵棋演習第二戦。ミッドウェー沖で米軍を率いた櫂は、黒沼率いる日本軍を撃破。その勢いのまま、日本が米国と戦争することがいかに愚かかを説く。しかし黒沼は、国力の差を戦略で上回り勝利を収めることこそが参謀である自身の使命だと主張。議論は平行線のまま終わる。一方その頃、横浜で建造中の「大和」で事件が起こる……。

戦艦「大和」炎上。艦内で発生した火災により、男たちの運命が狂い始める……。風雲急を告げる第26巻!!

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1933年の日本海軍を舞台にしているのに、主人公のファーストミッションは「超巨大戦艦建造費用の見積もりの調査」というもの。読み始めたときは正直、「え、地味すぎないか?」と思いました。建造費用がどうこうって裏方のさらに裏方の話じゃないですか、と。

しかし、読み進めていくと、自分の浅はかさを思い知らされます。まず、主人公・櫂直がかっこよすぎる。東京帝大中退の数学の天才で、英語・仏語・独語もペラペラ、しかもイケメンで女性にもモテるんです。
戦艦に関する知識はゼロという状態で、海軍省経理局という超絶アウェイにいきなり放り込まれて、数学の才能一本で真実を解き明かしていく――そんな下剋上ファンタジスタぶりを見せつけられるだけでも痛快で面白いのに、国防や戦争が抱える矛盾、上層部の軍人たちの曲者ぶりなど、読者を唸らせる要素がたっぷり盛り込まれています。
さすが、庵野秀明氏、かわぐちかいじ氏、秋本治氏が帯に推薦コメントを書いているだけあります……! このお三方の並び、信頼感しかないですよね。

正義感が強く平和を愛する櫂が、新型戦闘機を開発するなど、図らずも戦争の要となる技術戦略畑に深く関わるようになっていく様が、物語の面白さであると同時に、戦争に向けて動き始めた世界からは誰も逃れられない……という恐ろしさを物語っているようでもあります。『ドラゴン桜』(講談社)や『インベスターZ』(コルク)を世に送り出した三田紀房先生ならではの、“面白くて考えさせられる”作品です!

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ネタバレ 購入済み

次の話が気になるキッカケの巻

今回の戦争のシミュレーションが、実は櫂の日本のアメリカとの戦争回避、和平構築が少しずつ、崩れていきそうなきっかけになりそうな感じです。

櫂が考えていることと、逆の方向に日本がどんどん進んでいきます。再び戦艦・大和を中心に物語が進みだしており、伏線が回収され始めそうな、次の方向へ物語が動き始めました。

0
2021年11月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

大和の火災は純粋に事故ってこと?なにか見落としましたかね。積極的な妨害工作があるかと思ったけど、転機は意外な感じで。

・249
演習の感想戦。負けた黒沼の冷静さが、かえって怖い。
・253
櫂の大和の艤装がレーダーまで載ってて、かなり進んでるけど、進水式ありましたっけ?

0
2022年01月14日

シリーズ作品レビュー

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