【感想・ネタバレ】アルキメデスの大戦(20)のレビュー

1933年の日本海軍を舞台にしているのに、主人公のファーストミッションは「超巨大戦艦建造費用の見積もりの調査」というもの。読み始めたときは正直、「え、地味すぎないか?」と思いました。建造費用がどうこうって裏方のさらに裏方の話じゃないですか、と。

しかし、読み進めていくと、自分の浅はかさを思い知らされます。まず、主人公・櫂直がかっこよすぎる。東京帝大中退の数学の天才で、英語・仏語・独語もペラペラ、しかもイケメンで女性にもモテるんです。
戦艦に関する知識はゼロという状態で、海軍省経理局という超絶アウェイにいきなり放り込まれて、数学の才能一本で真実を解き明かしていく――そんな下剋上ファンタジスタぶりを見せつけられるだけでも痛快で面白いのに、国防や戦争が抱える矛盾、上層部の軍人たちの曲者ぶりなど、読者を唸らせる要素がたっぷり盛り込まれています。
さすが、庵野秀明氏、かわぐちかいじ氏、秋本治氏が帯に推薦コメントを書いているだけあります……! このお三方の並び、信頼感しかないですよね。

正義感が強く平和を愛する櫂が、新型戦闘機を開発するなど、図らずも戦争の要となる技術戦略畑に深く関わるようになっていく様が、物語の面白さであると同時に、戦争に向けて動き始めた世界からは誰も逃れられない……という恐ろしさを物語っているようでもあります。『ドラゴン桜』(講談社)や『インベスターZ』(コルク)を世に送り出した三田紀房先生ならではの、“面白くて考えさせられる”作品です!

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年09月09日

・190 M3を見ただけで、生産性までは言い過ぎでしょう。
・191 満鉄株49%を米国へ譲渡案
・192 新造艦の情報開示かと思ったら、売却提案という満鉄株につづくすごいのが。
・196 米国大統領登場で、今までのがリセット。
・197 この交渉がまとまれば、33億9000万ドル。戦争になると、二...続きを読む正面になって3000億ドル(GNPの3倍)。って、すごい交渉。
・知識 英国は支援戦車と対戦車用戦車で分けました。M3より、M4の方が有名ですよね?

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購入済み

まさかの展開、臨場感

2020年06月07日

フィクションである事を、承知の上で実在の登場人物とのやり取りにマンガとは言え緊迫感を感じます。実際の歴史を見ている様な錯覚に落ち入ります。

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Posted by ブクログ 2021年01月24日

ついに交渉の場にルーズベルト大統領が就く。荒唐無稽だが、櫂がどのように交渉するのか気になってしまう。

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