あらすじ
怪異達の知恵の神になった少女と、怪異にさえ恐れられる男が、怪異に挑む[恋愛×伝奇×ミステリ]!! “怪異”の知恵の神になった少女・岩永琴子が一目惚れした相手・桜川九郎は、“怪異”にさえ恐れられる男だった!? 2人に振りかかる奇想天外な事件と、その恋の行方は――!?
岩永琴子の敗北を、桜川六花の勝利を間近で見ていた桜川九郎の胸中はいかに…!? 「岩永琴子の逆襲と敗北」エピローグを収録! そして、琴子のもとに舞い込んだ高校時代の知人からの相談、それは「江戸時代に雪女を斬ることによって
幻の秘剣に開眼し名を上げた剣客」についての悩みで!? 【新章「雪女を斬る」、見参!!】
感情タグBEST3
匿名
哀しい
雪女を斬る完結編。最初に嘘の推理を話し、その後に本当の事を推理として語る。
雪女に恋をして、それを告げる事も出来ず、雪女の名前さえ知る事も出来ないままに自決。
美しいんだけど、哀しいラスト。
Posted by ブクログ
シリーズ随一と言っていい程に虚構要素が少ない巻。けど著者が後書きで述べているようにあの有名なホームズシリーズだって推理パートが終わった後は犯人の冒険譚が語られたりするのだから、有りっちゃ有りなのか
そもそも『雪女を斬る』において最も重視されていた点は真実の解明でも隠匿でもなく、現代を生きる静也に自身を呪われた身の上でないと実感させること
なら虚構のような過去の物語の上に彼だけの真実を築かなければならない。それは他人にとっては虚構のようであろうと彼が最も必要とする物語となる
だから真実が残酷でない今回の場合は真実そのものが語られる流れになると…
語られるは白倉半兵衛と雪女の長くけれど短いひと月の関わり。二人が紡いだ「雪女を斬った」という虚構の上に無偏流の極意は築かれているのだけど、一方で半兵衛が語る事がなかった真実、雪女への慕情が白倉半兵衛を壊してしまうとは哀しい話…
人と妖怪が織り成した哀しい恋物語。けれど無偏流に呪われた要素など無く、ましてや今を生きる静也に怪異と直面させる理由も無い
珍しく琴子が依頼人を騙すこと無く、また遺恨の残らない形で終えたこのエピソード。それだけに爽快感の有る締め方になっていたね
物語としては良い
雪女の回、完結。ひとつの物語としてはとても好きなストーリーでした。が、主人公たちの活躍がほとんどなく、江戸時代の彼らの話を見せられた感じ。江戸時代だから証拠も何もないっていう前提が、推理物としては残念だと思いました。次巻では主人公たちの活躍に期待したい。