あらすじ
さまざまな仲間たちの助けを得て、ようやく王宮からの脱出を果たしたカリエ。傷ついた体を癒す間もなく、エドやセーディラと合流するため再び旅を続ける。その頃バルアンは、神の山の噴火も意に介さずルトヴィア帝国への侵攻を決意し兵を進める。一方、帝国の崩壊を食い止めようと苦闘するドーンとグラーシカには運命の時が訪れ――。大河サバイバル・ファンタジー、感動のクライマックスへ!!
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Posted by ブクログ
バルアンとカリエの再会と対決と決別が見たかったー!というのが最終的な嘆きなのですが、そういったのがなく終わるのがこのシリーズだよなぁという気持ちもあり。
└神話の終わりなら、女神が浄化されたのちの、最後の神の祟りの具現となってしまったバルアンと、女神と決別したカリエが対峙してはっきり決別してほしかったなという…でも会ったらカリエがバルアンに殺されるから無理だったんだろうなというのもわかる……
帝国の娘から見られた王の素質を花開かせ、初の女性総督として華々しく栄光の座を歩み、各国の平和のため尽力するカリエが見たかった! んだけど、この物語は運命に翻弄されながら生き抜いた、かけがえのない平凡な少女のサバイバーとしての物語だった。
カリエの為政者としての素質は歴史に名を残す名君となった息子アフレイムに受け継がれて花開く。それは実際の世界史でも数多あることで、名君を育んだ土壌には歴史に埋没していった聡明で勇敢な女性たちがいたのだろうけど、だからこそ、結びの句の輝かしさが誇らしい。
けど、ユリ・スカナの玉座はどうなったのー!!?とかセーディラの権能はフェードアウト?とかバルカンが血に酔い征服を諦めそして恐らくは暗殺されるまでの経緯とか、アフレイムがカリエを憎みそして許すまでの物語は?とかなんとか生き延びた兄上の娘さんはどうなったのとかネフィシカさんの息子フィンルくんとか諸々気になることばかりなので、その後の番外編集が……読みたいです(だいぶ望み薄ですが)
個人メモということでその後を描いた「光来たる島」の感想もここに。エディアルドとカリエの家族愛というか同胞愛が好きだったので最終巻で夫婦になってたのは少し驚いたのですが、無償の愛に限りなく近い異性愛なのは今までヒカイさんの話などで伏線張られてたので受け入れられました。幸せになってくれてよかった!
ナイヤが本当に、カリエの親友になってくれてよかった。反目し嫉妬し気まずくなったことも多かった彼女が、遠く離れてもここまでカリエを支えてくれるとは思わなかった。
あまり現実の世情と創作物を重ね合わせるのは危険ですが、偉大な女王の死、野心による征服、旧態依然として硬直した政治による衰退など、今年になって読むことでより胸に迫る作品でした。
最終巻の感想としては不適切かもしれませんが、続きが読みたい、です!
Posted by ブクログ
最終章でユリスカナ編、な全8巻。
この章だけ読んでなかった・・・。
前半はバンディーカ女王及びユリスカナ宮廷メインで、後半は革命と滅亡が近いルドィビアが舞台。政治色と宗教色がいままでになく強く出た巻。人にとって、国とは?神とは?生きるとは?を登場人物を通して問いかけられてるような。
伏線の回収も、脇役の収まり方も何もかもが見事!
コバルトの枠に収まっていない著者ですが、角川での復刊で多くの人に読まれるといいな、と思う。復刊で久しぶりに「帝国の娘」を読んで、一気にコバルトで続きを読んでしまいました。
あとがきでは登場人物の其の後のスピンオフのことも触れているので・・・角川での復刊を機会に発刊されないかしら。バルアンが最後自暴自棄になっちゃうみたいですがその辺のバルアンの心境とか、そんな彼を見守っていたであろうフィンルとか、アフレイムがどうやって世界の王になるのか(多分フィンルも宰相とかしてそうな)
カリエは最後エドとくっつくのね・・・。