あらすじ
大陸の強国、金椛(ジンファ)帝国。貴族である星家の公子、遊圭は、ひとり闇夜を逃げ惑っていた。皇帝が崩御し、叔母が皇后に選ばれ……。「天皇に外戚なし」の法のもとに、星家は一族すべて殉死を命じられたのだ。一家の療母(薬師)、胡娘(コジョウ)の助けにより、一人逃げ延びた遊圭は、町娘の明々に出会う。明々はかつて遊圭に救ってもらったことを恩に感じており、遊圭を匿ってくれた。その矢先、明々の後宮への出仕が決まる。再びの絶望的状況に、明々はからりと言う。「あんたも、一緒に来るといいのよ」――かくして、小柄で女子にも見える体躯を生かし、少年・遊圭は後宮へ出仕することに。しかし美貌の宦官・玄月に正体を疑われ……。つぎつぎと襲いかかる試練に、対抗できるのは己の知恵と仲間だけ。理不尽すぎる世の中で、少年は生き抜くことができるのか。傑作中華風ファンタジー!
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Posted by ブクログ
著者初読。後宮ファンタジーで新たに皇后が立てられた場合、皇后の一族は先帝の墓守を命じられる。要するに血族が政治に私利私欲を持ち込まない様に、亡帝の墓に生き埋めにされてしまうという世界。その運命からなんとか逃れた星家の次男坊遊圭は明々の後宮出仕に合わせて生きるために女装し後宮へ潜り込む。皇后の血族が幅を利かせるのは日本では藤原道長などで有名だしある意味でお約束の流れではあるが、それらを排除する発想が悲惨だけど新しい。宦官の陶玄月の思惑も計り知れず先が気になるばかりで早々に続編を購入しないと。
Posted by ブクログ
中華ファンタジーって名前とか難しいし、皇后だか皇太子だかよく分からんと思っていたし、たぶんちゃんと理解は出来ていないと思うけど、文章が軽くて、登場キャラがどれも魅力的で、なにより遊圭が不憫な境遇なのに可哀想とか同情ではなくて頑張れって思える本。
テンポよく進むからサクサク読める
Posted by ブクログ
主人公が男性の身体になっていくのをどうごまかしていくのか、皇后であるおばに会えるのか気になって2巻に手を伸ばしました。続きが気になる!
Posted by ブクログ
叔母が皇后に選ばれたため法により一族全て先帝に殉じることになった中、病弱な遊圭だけが生き延びる。
かくまってくれた明々が宮中に上がることになったため、女装してついていくことに。
学問は得意だが世間知らずで病弱な、だけど成長期にある遊圭がどう生き延びるのか。また、一族の罪により幼い頃に宦官にさせられた玄月との出会いによりどう変わっていくのか。
玄月は遊圭が少女だと思っていた頃は、学問が好きだが存分に学べない姿に己を重ね親しみを感じたのだろう。
もしかしたら高度な話ができる相手に惹かれ恋になったかもしれない。
しかし遊圭の正体を知ると鬱屈した思いを抱えることになる。
宦官になることによって屈辱と苦難を味わい、男としての未来を失った玄月にとって、家族のほとんどを亡くし自らも命の危険はあっても心の健やかさを損なうことなく守られている遊圭には複雑な思いがあるのだろう。
ましてや、玄月には手に入れられない未来を得る可能性が遊圭にはある。
彼らの関係が今後どうなっていくのか、遊圭に未来はあるのか続きが楽しみだ。
Posted by ブクログ
金椛国では「天子に外戚なし」と皇后の一族は先帝に殉じる法律があり、皇后をだした星家では一族全ての殉死が決まりました。次男の遊圭(ゆうけい)は暗渠に逃げかろうじて生き延びました。遊圭を助けてくれたのは、かつて遊圭が助けた平民の娘、明々(めいめい)。でも明々に後宮の出仕が決まり ―― 。
身体も弱く病弱な遊圭を置いていけないと明々は遊圭に女装させ女童として後宮に連れて行くことにしました。
しかし坊ちゃん育ちの遊圭は下働きの仕事は出来ません。ばれてしまわないかとハラハラしました。
星家で病弱な遊圭の薬師だった胡娘(こじょう)も無事生き延びて、後宮で再会できてよかったです。捕まってしまったかと思っていました。
切れ者の宦官の玄月(げんげつ)には正体がばれてしまったようですが、遊圭と明々にかけられた冤罪を晴らすため玄月の頼み事(面倒事)を引き受けた二人。
次巻が楽しみです。
Posted by ブクログ
金椛国という架空の国を舞台とした中華風ファンタジー
中華風ファンタジーは一ジャンルとしても割と人気で、キャラクター重視の軽く読める物から、中華風の設定を作りこんだ重厚感あるものまで幅広くあるけれど
こちらは「やや重」くらい
ファンタジーは世界観に入り込むのに時間がかかるので、最近ではあまり手に取らなかったが、こちらは完結していると聞いたので読んでみた。
(新刊の発売までに前巻の状況などを忘れてしまうので…)
名門星家の御曹司遊圭は、伯母が皇后になったことにより、一族全ての殉死の通達を受けた。(天皇に外戚なしという国の法律により)
からくも逃げ出した遊圭だったが、様々な縁が繋がり、以前町で助けた平民の少女明々の「妹」として後宮へ出仕をすることになる
遊圭は消息不明、生死不明の生き残りとして追っ手もいる中
ほとぼりがさめるまで後宮で暮らし、その後抜け出し、自由になる算段をするが…
主人公は病弱で、生い立ちゆえ身に付いた薬の知識を生かして後宮では立ち回ります
男であることはバレてはいけないし、何よりも追っ手から逃げているので、作中は秘密がバレるのではないかとドキドキ
あまりこういうドキドキが好きではないのでちょっとしんどい…
でも面白いです。
後宮篇が3作、その後も続いているようなので
後宮篇をまずは読んでしまってスッキリしたい~