あらすじ
ついに明々と結ばれた遊圭は束の間の休日を過ごすが、心に掛かるある遺恨があって? 遊圭たちの入宮前、玄月・凛々・陽元たちはどのような人生を送り、後宮で出逢ったのか。シリーズファン必読の短編4作!
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最高の番外編
最終巻後の遊圭と明容達の様子に始まり、玄月や陽元達の過去の出会いや苦しみが見事に描かれています。
第3話 夢憂樹では思わず涙してしまいました。
金椛国春秋シリーズが好きな方はとっても楽しめる一冊だと思います。また、この外伝をふまえて本編を読み返してみると、新たな発見があってとても楽しいですよ。
Posted by ブクログ
外伝集。遊圭と明々の結婚後、陶蓮との確執にひとつのけりをつける。
玄月と凛々の出会い、陽元と玄月の過去。
みんな良く生き延びたなぁ。
そして凛々の生きる道が美しかった。
ラストは遊圭・尤仁・真人の穏やかな一日。
生まれも育ちも違う彼らが今こうしている奇跡。
この平和が一日でも長く続きますように。
第一話 時の妙薬
遊圭と明々結婚三か月後。陶蓮との確執にひとつのけりをつける。
事情を知らずに陶蓮を慕っていた明々。
恩人から理由もわからず連絡が途絶えたら不安になるだろう。
早く言ってあげなよと思いつつ、思い出したくもない遊圭の気持ちもわかる。
星家の墓に参って喘息の薬を埋めていた陶蓮。
大恩があるとはいえ滅びた一族の死にそうな子どもと、自分が抱える店と従業員。
ならば自分の生活を守るよね。だから生きていた遊圭復讐される覚悟もあったのだろう。口封じをしようと思わないくらいは誠実だったのかもしれない。
許さないけれど弾劾せず、関わらないという選択をした遊圭の選択も良かったと思う。
玄月と月香が夫婦らしくなっていた。
次の話で月香の情の深さも出てくる。
それを踏まえると、陽元の子を身籠った後の絶望と無気力さがより理解できる。
そう考えると彼女もよく生き残ったものだ。
第二話 月下氷人
宦官になりたての玄月と凛々が出会ったのは後宮の洗濯場。
凛々の主人はしつけはしてくれたけど、それは自分のためだったのだろう。だから凛々を阿塵と呼んでいたのでは。
それでも蔑まれるだけではなかった恩があり、そのおかげで玄月から名をもらえた。
女としての愛は望まない。月香に敵うはずもない。
だが後宮を生き抜くための支えとなるのは自分。誰よりも近くにいられる場所。
それが凛々の矜持。幸せの形。
第三話 無憂樹
陽元と玄月の出会い。
その立場ゆえに傲慢だが素直な気性の陽元。知らされないことも多く、時にそれが周囲の人間を追い詰めることになる。そして真実を知るたびに苦しむことに。
だから玄月は彼を支えることを決意をした。未来で揺らぐこともあるけれど。
それにしても、思ったよりも玄月は慈仙のことを信用していなかったのだな。それくらい過酷な経験を宦官になる前からしてきたのだろう。
第四話 魚水の契り
尤仁に第二子が生まれ、出世し家を買う。祝いに駆け付ける遊圭一家と真人夫婦。
生まれも立場も違う彼らが生涯の友となったのは共に乗り越えた戦場の日々があったから。
そして訪れたつかの間の平和。長くこの時が続くことを願って。
大団円にふさわしい後日譚だった。
Posted by ブクログ
人に歴史あり…
辛い過去があっても、明るい未来がある…
それぞれに心を許せる友がいたり、本心が言える人や心の支えになるものがあって良かった。
本編では描かれなかった主な登場人物達の気持ちや考えが描かれていて、どの話しも読みごたえがあって楽しかったです。
Posted by ブクログ
お待ちしておりました、番外編。
それぞれの未来に光があってよかったなぁと思いつつ、辛い過去も……。
でも、それがあってこその物語。
楽しかった(*^^*)
Posted by ブクログ
子供の頃の玄月や陽元の話を読んで、彼らもちゃんと子供らしいときがあったのだとちょっとほっとしました。
個人的には凛々に幸せになってもらいたい気持ちがあります。玄月に仕えるのはもちろん、それとは別に幸せにしてくれるひとがいてもいいのではと思わずにいられないほど純粋なひとなので。