あらすじ
ルイの必死の訴えを見て、裏市に草食獣たちが殺到した。肉草入り乱れた暴動になりかけるも、“ビースター”ヤフヤの身を挺した行動で落ち着きを取り戻した群衆。しかし、その群衆に紛れていたある特徴的な角を持つガゼルに目が留まり…? 動物版青春ヒューマンドラマ、完結。
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すべての動物が共に暮らす世界。それぞれの個性は尊重されますが、やはりお互いの偏見、プライドなども存在します。皆が平和に暮らすためには「本能」を抑えなくてはならなくて…。特に肉食獣が草食獣を食べることは決して犯してはいけないタブーなのです。
思春期の学園生活って色んな事がありますよね…種族が違えばそれはなおさら。
肉食獣と草食獣との恋・友情は成立するのか?平和な社会で求められるリーダーとは?裏社会では禁止されている行為も…!?
全ての動物が擬人化されているのですが、その動物特有の美しさ、愛らしさも丁寧に描かれています。主人公のハイイロオオカミの少年・レゴシが成長して色気が増してくるのがたまりません!!
マンガ大賞ほか数々の賞を受賞し、大注目の大人のファンタジーです♪
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読み始めたときは…
作品の始まりから終わりまでの時間、読者も成長したように思う。
取り戻せない身体や命の扱いに憤ったこともあった。
今回もゴーシャの奥さんが幸せの最中に死を選んだこと、普通に考えたら違和感は否めない。
それでも、必要悪とされていたものを壊し、正義で社会を裏側から変えたヒーローであるレゴシの成長は著しかった。
ロクにコミュニケーションもとれない自尊心の低い陰の存在から、堂々と名乗りを上げ、愛のために自分を鍛え実力と自信を得ていく様と、それでも難解な女子との会話にしどろもどろする様の対比も良かった。
いくつかのシーンは当時の自分の価値観と頭で全力で向き合い、その時に見ていた景色や音まで覚えているほどで、心に残る作品になった。
何度も読み返すと思う。
Posted by ブクログ
一見ファンタジーに見えて、物凄い同時代性を持った作品だと思う。
メロンとメロンの父親の、一体どちらが「邪悪」なのか。少なくとも作者は「父親みたいな奴こそが邪悪なんだ」って言いたげだけれど...僕も同意します。
最後のページがね...。沁みます。ほんの少し世の中が変わったところで、「みんなと同じ幸福」を2人が手に入れることはまだ難しいんだろうけど、とにかくどうか幸せでいてくれよ、と願います。
朝井リョウの『正欲』と併せて読むべき作品、とか言ってみる。両作はある意味、対になっている。「普通」であるように見えるけど実は双方向ではない愛(『正欲』)と、双方向だけど周りに認められ難い愛(『BEASTARS』)、みたいな。いずれにせよ本作は今の時代に読むべき作品だと思います。
レゴシが世界を変えたと言っても劇的に変えたわけではなく、「一夜で全くもって変わったりはしないけど、確かに漸進していっている」という描き方をされていたのが良かった。
綺麗事じゃなく、みんな愛する人と幸せであるために苦しんでいるし戦っているんだということがきちんと表現されていて良かった。
名作。
Posted by ブクログ
トキの気持ちはわからなくはないが、それで毒に蝕まれてしまうのは違うと思う。
ただ、ゴーシャとトキが本当に幸せに過ごしていた様子は心温まる。
裏市におずおずと草食獣が入るのを、肉食獣が止めるのが泣ける。
肉食獣は草食獣を傷付けたくて食べたいと思っているんじゃない。
みんなで裏市を打ち壊し始め、その頃管理組合がやっとペンを買って来て参戦者一覧に書いたのが
『ビースターズ』。
多分今後も世の中はたいして変わらない。
でも、互いが会話をする時間が増えていけばいつか或いは。
こんな修羅場の渦中にいたレゴシの目を塞ぐゴーシャが愛おしい。
ヤフヤが今やっと本当のビースターになった気がしたと言っているときの朝日が美しかった。
その後のどんでん返しも流石の展開。
魚肉を食べるというのは良い案な気もするのだが
受け入れず足掻くのもまた選択だ。
サグワンさんが自由で良い。レゴシを気に入ってくれているのも嬉しい。
ルイとデートしているジュノもとても可愛い。
はしゃいで鼻歌を歌ってしまうし
黙ろうとすると尻尾が動いてしまうのが微笑ましい。
ただ一緒に電車に乗るだけで楽しいのは、ルイもちゃんとジュノが好きなのだろう。
映画ではないからすべてを手に入れる事はできないと彼女の笑顔を見ながらのモノローグが悲しかったし
ジュノの可愛い呪い方も切ない。
ハルのプロポーズもめちゃくちゃだけど彼女らしい。
アズキさんも良い人そうだし、
学園は共学に戻りゴウヒンは表社会に勤め始め
ヤフヤとゴーシャの仲も復活した。
確かにすべては手に入らなくても、いつかはシシ組がルイの元に戻れる日が来るかも知れず
上々のエンディングと言える。
肉食獣が暴走しているのかと前に間違えられた時は逃げるしかなかったレゴシとハルが
付き合ってます!と堂々と笑顔で警察に返せる。
その程度には世界は変わったのだ。
巻末の互いの保護者にご挨拶に行くイラストもそれぞれにらしくて最高だった。
Posted by ブクログ
最後の巻でメロンの父親を登場させたのには驚き。
なぜお母さんは父親を食べたと言ったのか、
父親を母親が食べていないとちゃんとメロンが教えられていたらどうだったのか、
メロンと父親が出会えていたら(クズだけど)、
など考えさせられた。
そしてメロンは最後までメロン…
ゴーシュのラブラブのエピソードや、ルイとジュノの別れ、裏市が解体されたこと、どれもとても良かった。
ラストのハルの笑顔ったら!
嬉しそうだなもう。
ハルのキャラクター、すごくすごく大好きだった。
レゴシという悩めるオオカミ、慎重なようで無謀、カッコ良かった。
この作品を読めて本当に良かったです。
ありがとうございました。
Posted by ブクログ
ハルちゃんがずっと出てこなくて心配だったけど、最後はレゴシとしっかり愛情で結ばれてよかった。ルイとジュナは切ない選択だったけど、きっとお互い幸せになれたと思う…
Posted by ブクログ
実際にはない肉食動物と草食動物のハーフの苦悩だったり、男女の関係だったり、いろんなテーマで楽しめた作品でした〜
終わっちゃったのが寂しい…。
面白かった
主人公のレゴシや、ルイが変わっていく様子にとてもわくわくしました。個人的にはメロンについてもう少し描写が欲しかったなというのはありつつも、読んで良かったなと思う漫画でした。面白い作品を世の中に出してくれて、ありがとうございます。
終わっちゃったーーー。。。
ずっと読んでいたかった。キャラクターたちがどれもほんと愛しかった。
ジュノちゃんとルイ先輩が結ばれて欲しかったけど、全部そんなうまくいくなんてことがないのが人生よねぇ…
先生が伝えたい事とは違うかもしれないけど、自分はいろんな動物たちの生き様を通して、生死についてめちゃめちゃ考えた。
また一巻から読み返します。
終わっちゃった〜
まだまだ読みたいな…と思わせながらも、綺麗に終わったなーという感じです。
とにかく設定や世界観が面白い漫画でした!いろんな動物の特徴をとらえた絵も凄かった。これがデビュー作なんでしたっけ?すごい漫画家さんだと思います。
強いて言うなら個人的には、メロン編はほんの少しフワッと終わった感があるというか、すこーしだけ消化不良感があるかも…。でも、これ以上のエンドも思い浮かばないし、下手にあれこれするより良かったのだと思います。
あと、脇役も魅力的なマンガでした。
寮のイヌ科の仲間たちと、サグワンさんが特にいい味出してて好きでした。
レゴシとハルちゃんの子どもが出てくる続編とか、そのうち出たりするんでしょうかね??
面白くて深みも感じられる良いマンガでした。
他者とどう向き合うか。
最終話での「触れ合いにくいままでいい」というハルからレゴシへの言葉。
これまで登場人物たちが伝えてくれていたことが、
この一言に凝縮されているように感じられました。
誰かと心から関わりたいと願うのであれば、
自分と異なる性質を持った存在として、相手を正しく敬い正しく畏れ、
全ては理解できないかもしれないけれど、それでも理解するために、
ありのままの相手に近づいていくほかない、ということ。
それは肉食草食という極端な関係でなくとも、
例えば私たち人間同士でもきっと同じく、繋がりを築くにはまさしく命がけで、
だからこそ分かり合えたときに得られるものは、きっと何にも代えがたいのでしょう。
自分にとって大事な人たちと、そんな関わり方が出来れば良いな。
またそんな関係性で溢れた世の中になるといいな、と思います。
と、そんなことを考える作品でした。
これからもきっと、たまに読み返してしまう気がします。
Posted by ブクログ
完結巻。
登場人物や世界に、色々ままならないことを抱えながらも、すべては先へ続いていく、といった感じのする爽やかな読後感。
男女差別や人種差別など、様々な課題の比喩とも目されてきた作品だけれど、結局は、あとがきの「自分以外の人間との交流はいつだって異種族交流。その過酷さと価値こそ、この作品で1番描きたかったことかもしれません」という言葉にあるように、人物のひとりひとり、関係性のひとつひとつを丁寧に描いた、青春漫画らしい青春漫画だったと思う。
大団円、なんだけどね…
連載で追っ掛けてた時は、色々と消化不良なエンディングだったので、その点について加筆があるかなー?と思ってたんですが、その辺りについては言及されてない加筆レベルだったので、ややがっかりと共に星一つマイナス。レゴシとハルとルイの物語、という着地点としてはこうするしか無いのかも。少年誌だし。異種族間交配や海棲種族に関してはBEAST COMPLEXでその辺もう少し深く語ってくれると期待してます。後ですね、行きずりのレゴシ父を知りたかった☆
Posted by ブクログ
☆完(全22巻)
〜演劇部編〜
・演劇部のアルパカのテムが食殺される
・レゴシはウサギのハルに恋する
・アカシアのルイは公演を成功させる
〜隕石祭編〜
・仲間と裏市へ
・パンダのゴウヒンと出会う
・ハルがライオンのシシ組に攫われる
・レゴシが救出
・ルイがシシ組の頭になる
〜食殺事件編〜
・テムを殺した犯人を探す
・犯人はクマのリズ
・大晦日の夜に決闘
・ルイの足を食べ決闘に勝利
〜種間関係編〜
・ビースターのヤフヤが接触
・ヒョウとガゼルのハーフのメロンを追う
・逃してしまう
・シシ組の新たな頭となったメロン
・レゴシはメロンと決闘
・一方ルイも会見で裏市について語る
・メロンは捕まり裏市も解体
・レゴシはハルと付き合う
[総評]
前半の勢いが後半は失速
残念