あらすじ
ハルを幸せにするために、強くなると誓ったレゴシ。シシ組のボスに君臨し、裏市を席巻するルイ。一方で、チェリートン学園では、5年間も不在の“ビースター”を決める全生物集結評議会が開催。世界が大きくうねり出す中、レゴシに忍び寄る不穏な影…!!
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すべての動物が共に暮らす世界。それぞれの個性は尊重されますが、やはりお互いの偏見、プライドなども存在します。皆が平和に暮らすためには「本能」を抑えなくてはならなくて…。特に肉食獣が草食獣を食べることは決して犯してはいけないタブーなのです。
思春期の学園生活って色んな事がありますよね…種族が違えばそれはなおさら。
肉食獣と草食獣との恋・友情は成立するのか?平和な社会で求められるリーダーとは?裏社会では禁止されている行為も…!?
全ての動物が擬人化されているのですが、その動物特有の美しさ、愛らしさも丁寧に描かれています。主人公のハイイロオオカミの少年・レゴシが成長して色気が増してくるのがたまりません!!
マンガ大賞ほか数々の賞を受賞し、大注目の大人のファンタジーです♪
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今巻からミステリーの要素が強くなりました。
ガラガラヘビは警備員設定だし、
謎のドールビッグホーンが登場するし、
そしてジュノさんの行動力、
アオバの「お前の恋は信仰だ」という言葉は深いと思った。
えっ?なに?これどうなっていくの???
匿名
すきーーー
レゴシに頑張って欲しいとかおもいつつもまだ二人の仲が絶妙な関係でいて欲しいとか願ってしまう自分もいる。これからの展開楽しみ
ルイ先輩とジュノちゃんの関係も好きなんだよなぁ…泣いちゃった…ルイ先輩強いよ…
ピナくん登場!!めちゃくちゃかっこいいなぁ。ほんとに読めば読むほど面白さも深みも増して心を揺さぶる作品だ。大好き。
レゴシの恋愛は、恋愛というより信仰だっていうセリフ、すごく共感できます。最初のテムの事件がここにきてまた存在感を増しています。
ルイさんの生き方が切ない…
明るい嘘の世界に立つことに疲れたのに違う世界で自分を偽り生きていくのね…誰かこの人を幸せにしてあげて。
〝生きる道を決めるのは社会じゃなくて自分〟
というジュノの真っ直ぐな思いが伝わるといい。
そして当初の草食殺しの犯人探しから裏の世界に足を突っ込んでいくレゴシ…どうなってくの〜
「大層ケガしてる以外は元気そうじゃねーか」って、裏道の医者のセリフがシビれる。
他にも「生徒たちの青春は過酷なんです」と言い切り守る校長のセリフなど、随所に格好いいセリフが散りばめられてます。
言葉のリズムが良く、ユーモアもきいてて楽しめる一冊。
Posted by ブクログ
主人公・レゴシの精神的な成長が著しい。けれどまだまだ危うさもある。肉食獣の業を背負って、草食獣たちへ「恩返し」をしようと傷つく姿は痛々しく、また傲慢でもあり、ルイの語る草食獣から肉食獣への皮肉な「赦し」が、そこにはぶれながら重なるようにも思える。
何にせよこれが青春の物語である以上、レゴシの成長にはまだ幾曲がりも変遷があるのだろうと思う。
ミステリーとしても進展があり、ついに食殺事件の犯人探しが本格的に始まる。
あとは見せ場として、ルイをかばうイブキの啖呵が脇役ながら格好良い。
Posted by ブクログ
評議会からの誰かからのレゴシ視点で
犯人が身近にいることを示す構図が秀逸。
蛇がこの世界観の中では四肢がなく羞恥を覚える種別
という設定とは驚いた。
章タイトルも「イブは林檎を食べたから」で、
イブをそそのかして手足をもがれた蛇ということなのだろう。
「自分の強さに責任を持つ」。この考え方はとても好きだ。
上橋菜穂子先生の『鹿の王』を思い出す。
負担でもあろうに、責任を持とうとするレゴシは本当に偉い。
無法地帯だった裏市を変える。
ルイの存在は最早単なるシシ組のリーダーに留まらぬ勢いだ。
イブキがサラダを買って来てくれるのは嬉しかったが
素直に受け取れないルイの気持ちも分かる。
ジュノが会いに来るのは驚きだった。
いくら肉食でも女の子一人で裏市へ来るなんて。
流石ジュノである。
煙草はシシ組のルイとしてのアイテムなのだろう。
大事な女一匹守れない無力さ。
権力にも本能にも勝てない男が学園のヒーロー?
嘘はこりごりだというセリフが胸にくる。
「実態をベールで隠して道徳と正義の象徴を担うのがシカの俺の役目だった
嘘と弱さに塗れて頂点に立つ意味を見出せなくなったから学校にいる意味はない」
そう言われると、学校をやめたのもシシ組に入ったのも
とても納得がいってしまう。
捨て身になったというのではなく、
悪に染まったのではなくこの社会を受け入れ
肉食獣の本能を肯定して本当の意味で今度こそ強くなりたいという強い意志。
ルイとジュノが踊る姿は愛らしく切なく、
2人で踊るこの時間も嘘になるの
生きる道を決めるのは社会じゃない、自分よ
と泣くジュノの涙が美しかった。
私は自分で選択し続けると憎まれ口を叩くように言って
立ち去るところが本当に可愛らしいし、
案外ルイには彼女のようなパートナーが合っているのではと思う。
イブキが「ボスと呼べ」と仲間に怒るシーンも
あまりにも恰好良い。
こういう男がルイをここまで信用してくれたのは
とても大きいし、それだけルイに魅力と可能性があるのだ。
ピナのキャラクターがとても面白い。
悟り世代で、先輩に対する態度もなっていないが
ある意味分け隔てもなく忖度もないのが気持ち良い。
肉食部員の集まりで空気が悪くなるかと思いきや
レゴシも他のみんなも男子高校生らしくて面白い。
アオバが
お前のは恋愛というより信仰
恋愛くらい普通に楽しめよ
と言うのはかなり腑に落ちた。
流石長く付き合っている彼女がいる男は違うというものだ。
レゴシが風邪気味で、タイマンはるなら今がチャンス
というセリフが挟まれている構成も心憎い。
俺なら守れると愛おしく思うハルに
今でもルイ先輩が好き? と訊いてしまうレゴシ。
折角キス出来そうだったのにと思うが
生きてくれるだけで嬉しいというのも分かるし
彼にとって特別な草食動物はハルちゃんだけではないのだ。
俺の恋は君への祈り。
テムとのエピソードが可愛らしい。
草食が肉食に親しくしてくれるだけで特別というのは
確かにそうなのだろう。信頼していなければ
首元を触らせるなんて恐ろしくてできない。
強くなって力の差が開いてできることがなくなっていくジャックの気持ちが悲しかった。
ずっとどこかで覚悟はしていたのだろう。
強くなればなるほど不幸になるお前を見てられない
という言葉は泣ける。
ゴウヒンを頼るのは正解だと思う。医者なわけだし。