大正時代の日本を舞台に、少年剣士・竈門炭治郎(かまどたんじろう)が、鬼にされた妹を人間に戻すために奮闘する剣劇マンガ。
絵柄はやや独特で、線が粗いためとっつきにくさを感じる方も多いと思いますが、それだけで読むのをためらってしまうのはあまりにもったいない! 「こんな作家を発掘できるとは、さすがはジャンプ!」と思わされる傑作です。
<1.感情表現がスゴイ>
主人公の炭治郎は、残虐な鬼にも同情を禁じ得ない仏のような慈悲の心を持つ少年ですが、それは軟弱さの裏返しではなく、妹の危機に怒りを爆発させる激しさも併せ持っています。真逆ともとれる感情が違和感なく同居しているのが炭治郎であり、その真っすぐすぎる正義感に心を打たれます。
主人公に限らず感情表現の豊かなキャラクターが多く、「今は明治何年だ」と訊いた鬼が「今は大正時代だ」と教えられた途端に激怒するなど(怒った理由は読んでのお楽しみ!)、あっそこで怒るのか、という意外性が人物の性格を引き立たせ、読者は物語に引き込まれます。
<2.語彙がスゴイ>
少年漫画でありつつも、読者の理解を妨げない範囲で、適度に難解な単語や台詞が散りばめられます。
「ご自愛専一にて精励くださいますよう お願い申し上げます 匆々(そうそう)」
「今この刹那の愉悦に勝るもの無し!!」
読者に時代(世界観)を感じさせる言葉のセンス。ネーミングも秀逸で、敵の名前ひとつとっても、「猗窩座(あかざ)」のような見慣れない漢字で構成される名前が多く、鬼の禍々しさを増幅します。
擬音もどこか独特で、何とも言えない味わい。読み進めると、だんだんクセになってきます。
「ミチイ」(スズメが人の手をくちばしでつねる音)
「でるん」(鼻水が出て伸びる音)
「もしゃり」(おにぎりを食べる音)
<3.ギャップがスゴイ>
部位欠損が割と当たり前に描かれます。深手を負ってもすぐに再生できる鬼はもちろんですが、人間も欠損レベルの重傷を負うことが少なくないため、闘いのシーンは予定調和から外れた緊張感のある描写となります。一方でギャグシーンも多く、ほのぼのとした朗らかな描写と、血みどろの残虐な戦闘の描写が交互に展開され、心地よいギャップとともにテンポよく物語が進みます。
<4.構図がスゴイ>
ここぞという見せ場での、大ゴマの構図が抜群に上手い。扉絵や大技のシーンなどは、高いデザイン性を感じさせる出色の出来。冒頭で触れたように、やや線の粗い絵に抵抗感を覚える方もいるかと思いますが、緻密さとは別のベクトルで非常に絵の上手な作家さんと言えるのではないでしょうか。
個性的な新世代の少年マンガをお求めの方に、ぜひともオススメしたい作品です。
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ 2022年07月07日
はじめ、まさか禰豆子ちゃんまで死んでしまうのかと絶望したし、禰豆子ちゃんの痛々しいけど優しい笑顔に思わず泣いてしまったのに…生きてる! しかも喋る! そして太陽の下でも大丈夫!
なんだかものすごい展開になってきたので次も早く読まなくては!
戦いのあとのほっこりする時間が好きなのですが、今回は少しほ...続きを読むっこり度が薄めのように感じました。やっぱりこれからもっと大変なことが起こりそうな感じがするし、そのせいでしょうか。
今回は柱が全員登場しました。全員出てくるのは久々だし、今まであまり出てこなかった柱も動いていて、これから活躍するところを見られるのかなと思うととても楽しみです!
全員集合してみんなで稽古するという展開がとても好きなのでテンションが上がります!話してニコニコしてる禰豆子ちゃん可愛すぎて善逸と同じ反応になってしまいました!
禰豆子が太陽を克服(前ぶれ無し)。どこかに兆しがあるのかと前の巻から読み直したわ。結局珠世様の回想だけだけど、きっと克服するため頑張ったんだね。健気だね可愛いよ禰豆子。
しかし無惨様が気付く・・怖。家政婦と奥様惨殺されて・・・怖。
たんじろうはなぜそんなにねずこを人間に戻すのを望んでいるのか?
鬼のねずこはまだ美人、まだ優しい、人間を攻撃しない、さらに喋っている、永遠に若い、回復も早い、もっと強い、 人間よりいい状態である。
もっと完璧な状態であるんだと思う。
たんじろうが死んだらねずこは寂しいになる? 違う、他の人、鬼...続きを読む(たとえばたまよさん、ゆしろさん)と友達する。
医者が無残を鬼に変わった?
その話はちょっとくだらないね。。。
実は大変くだらない。。。。
無残のことは病気で死んだらいい。
鬼殺隊はabusive. あのからすも。
なぜあの風柱を頭突きしないの?
ネコ可愛い 草
禰豆子が太陽の光を克服!?しゃべってる!?
善逸じゃないけど、おしゃべりしてる禰豆子ちゃんかわいい~!って気持ちはわかっちゃう。
そして義勇さんにそんな過去が…!
ほんとうにみんないろんなものを背負って乗り越えて立っているんですね。
Posted by ブクログ 2021年03月06日
半天狗の過去
何があったんだ?
禰豆子が太陽を克服
何故???
あと、何故無惨にそれが伝わる?
柱稽古の始まり
義勇が思い詰めていた。
錆兎と同期で、最終選別を実力で通過してない過去がわかる。
友が死んだのに自分が生きてることに不甲斐なさを感じてる。
その葛藤と真面目さが柱稽古に参加しない理由。...続きを読む
共感できる炭治郎は問う。
「義勇さんは錆兎から託されたものを繋いでいかないんですか?」
その一言で錆兎からの一喝を思い出す。
大事な過去なのに忘れていたのは思い出すのが辛かったから。
不死川兄弟の不仲
まさかこんなに早く禰󠄀豆子が陽の下に出られるとは思っていませんでした。精神は幼いままのようですが、だいぶ人間に近づいたように思います。
このまま完全に人間には戻らず、新しい種族のようになったりもするのでしょうか…。
Posted by ブクログ 2021年02月10日
『吾峠呼世晴画集-幾星霜―』によれば、作者は単行本10巻が出る時点で物語を終わらせるために動き始めていたという。この巻では炭治郎が今の世代の最初の痣の者であることをはっきりさせ、甘露寺蜜璃と時透無一郎にも痣が出たことでその秘密が明かされ、最終段階に向けて一歩踏み出しているのがわかる。痣が出ればより...続きを読む強くなれるが、命を削ることにもなると示唆されている。ここでは伏せられているが、25歳までに死ぬと宣告された柱2人の気持ちはどうだったのか。
後半は心を閉ざした冨岡義勇と炭治郎のやり取りがあり、その過程で錆兎との記憶が蘇る場面がとてもいい。胡蝶しのぶとカナヲ、産屋敷耀哉と珠世にも動きがあり、「終わりの始まり」を表す大きな転換点として読みごたえがある。
柱稽古が始まると完全にギャグになり、相変わらず騒がしい善逸にほっこり。不死川兄弟とのいざこざの中で玄弥をかばう炭治郎の、こういうところが好きなんだなぁと思う。柱たち一人一人の個性も際立ち、とんでもなく起伏の激しい緩急自在の展開。
Posted by ブクログ 2021年01月16日
鬼が現れなくなった。鬼殺隊の鍛錬は、たぶん死にそうに大変だけど、読んでる方はのほほんとしてしまう。不死川兄弟のことはこれから気になる。鬼舞辻対お館様、どんな因縁があるのか。珠代さんはどうするのか。確信に迫っていくね。
柱のもとで特訓!!
天元さんと無一郎くんは炭治郎に好意的。
無一郎くんの態度変わりように笑った。
不死川兄弟の仲が良くなりますように…次の巻も期待してます!!
恋柱の過去などがわかって面白かった巻です。恋柱は他の柱と違って面白いの満載。炭次郎と仲良しで、嫉妬みたいなことをする伊黒との関係も気になる。
柱が二人、上弦の鬼も二体と随分と戦闘のキャストが盛りだくさんでしたね、、、
約4巻にわたった「刀鍛冶編」の終結・その後の展開もわかるのでオススメです!
禰豆子が死んでしまった・・・と思ったらまさかの太陽克服!そして嵐の前の静けさの間の柱稽古。個人的には時透君の稽古のギャップがツボでした。
風柱の不死川兄怖いっ!!不死川弟も怖かったけどその比じゃない!禰󠄀豆子ちゃんが太陽を克服した後の少し話せる姿を見たときの善逸の反応が見てて癒される。やっぱそうきたか、って感じ。
上弦二体との戦いで誰一人かけずに戦い抜く主人公達。だが、最後の最後で夜明けが近くなりねずこがまさかの、、、
柱になってからのが辛い気持ちだったかもな義勇さん…
義勇さんと炭治郎の救い救われ、守り守られの関係性が素敵です。
そばの早食い対決はどっちが勝ったのか気になるところです。
痣ってそんな意味とか、条件があったんだ!確かに1話時の炭次郎の痣と最近の形違うよなっておもってたけど…
あと、禰豆子ちゃん!!太陽克服ってすごいな!
ここから戦いも激化するだろうから楽しみ!
柱の修行大変そうね…
あーやっと倒した。逃げて隠れてほんとに卑怯な鬼でイライラした。ねずこが太陽克服して良かった。その後の玄弥のニッコリしたところがほんと良かった。泣けるー。あとちょいちょい煉獄さん出てきて嬉しい。次巻も楽しみ!!
・禰豆子ぉ!!日の下で暮らせる様になって良かったねー!(泣) 少しずつだけど言葉も喋れる様になってホント可愛いです!
・来冨岡義勇さんって無敵なイメージでしたが実は劣等感を抱えてた事に驚きました。彼の事が更に好きになりました。
・柱の修行、それぞれ個性があって面白いですね。
ねずこがかわいすぎます( ; ; )太陽を克服するのを自分でわかってたのか、、炭治郎を蹴って里の人を助けるねずこの優しさに感動しました( ; ; )生きててよかった、、!伊黒さんの柱訓練、何回読んでも笑います
夜が開けると禰豆子が危険な状態?!炭治郎は禰豆子を守るか敵を倒すか判断に迷う。禰豆子は死んだと思ったが、まさかの結果だった!
くっそ笑った笑笑 各柱の戦闘訓練が個性的すぎておもしろすぎです!笑 個人的にどう考えてもみつりちゃんのこと好きな蛇柱さんの株が上がりました笑
それにしても禰豆子ちゃんがついに太陽の下に…!!!久々に竹を外して笑うその笑顔が眩しくて…!可愛いよー!ずっとその笑顔でいてほしい…守りたい…!
無惨さんが禰...続きを読む豆子ちゃんを一点集中で狙ってるのが怖すぎます…みんな…備えてくれ…!
読み進めてしまいました。
戦いが終わり、柱の皆さんも沢山出てきたので嬉しいです!お笑い要素もたくさんあり、楽しく読めました。
続きも楽しみです!
何度も読み返してほしい
匿名 2020年02月11日
後の伏線が巧みにちりばめられているから,読み返すごとに味わいが増します。
しのぶとカナエの会話が最初なんだかよくわからず読み進めましたが,後の方の巻まで読むと,二人のこのシーンの重みが格段に違ってきます。
Posted by ブクログ 2022年01月13日
内容が濃かったので、2回読みました。柱はいろいろ抱えて柱になっているというのは本当なんだな。にしても半天狗は身勝手なやつだ。生きてるうちから鬼の素質がある人だったんだな…それはなんか悲しいな。
Posted by ブクログ 2021年09月05日
決着がついて一段落な巻なのに、割と心が引き裂かれそうだった。ネズコが人を助けるために朝日の中を走り出し、炭治郎はそんなネズコに背中を押されて、上弦の四に止めを刺す。切ない…選べないよね…ネズコが死んだって打ちのめされる炭治郎に泣いたけど、生きてて本当に安堵してしまった。
伊之助、子供みたいだな。善逸...続きを読むは正直過ぎていつも面白い。
甘露寺、やっぱ炭治郎に結構似てる…感覚派なんだ…かわいい。
義勇、ホントにちょっと嫌われてるね…でも、自分のことを否定して、後悔して、それでも強さを求め続けてきたのか。切ない…今まで誰にも打ち明けたことないんだろな。炭治郎が四日粘ってくれてよかった。
あんな大人数の飯炊くのに、なぜ飯ごう…それか、宇随のとこで詰まる隊員が思いの外多かったってことか。
カナヲと時透の笑顔が嬉しい。
不死川兄弟、明らかに思い合ってるのにすれ違いが激しすぎて悲しい。炭治郎が笑顔で風柱に喧嘩売ってて面白かったけど、結局接見禁止までなってウケる。
愈史郎といい井黒も、嫉妬に全力で従って面白い。
Posted by ブクログ 2021年03月29日
鬼の非難に対して、炭治郎は自分の言葉で言い返していた。
人を非難するのは簡単だが、その非難は本当にまとを得ているのか。非難されたからといって、自分が悪いとすぐ思わず、本当に正しい言葉なのか冷静に考え納得できる判断ができるようになる必要がある。
Posted by ブクログ 2021年02月27日
半天狗かわいいな。
玄弥、不良な見た目のくせして実は割りと素直。
ねづこちゃん一体!
無惨様が元に戻った時、服も同時に変えられるのね。
かわいかったので、玄弥には将来お館様んちの子と一緒になってもらいたい。
やはり痣とか言われると里見八犬伝みたいであがる。やはり柱は一般人の範疇を越えないとなれないん...続きを読むだな。
富岡さんこじらせが過ぎる。
げ、玄弥かわいそう…。
Posted by ブクログ 2020年10月29日
禰豆子ちゃん、太陽克服。決断できない炭治郎を蹴り上げた禰豆子ちゃん、とてもかっこよかった。様子を見守る玄弥の穏やかな顔がとても印象的だったのに、自分の兄とはうまくいかずで、切ない。戦い終わって、皆の所へ駆け寄る蜜璃ちゃんも、痣が発現した時の蜜璃ちゃんもパンケーキを語る蜜璃ちゃんも、全部可愛かった。冨...続きを読む岡さん、最強くらいに思っていたのに自分では柱でさえない、と思っていたとは。そして錆兎が出てくるとは。読み始めの頃を思い出して泣けました。前向きになれそうだった冨岡さんにお蕎麦の早食い持ちかける炭治郎素敵。
最後まで内容を知った上での感想です。
大まかな物語の流れや設定等々はとても面白く、サクサクと読めるテンポに時々挟まれる緩急あるギャグ調も魅力です。
キャラブックも小説も買いました。
でも、そこまで全部読むと、時系列やらキャラの言動やらで少々引っかかってくるシーンがあり、どうしても気になってしま...続きを読むいました…。
細かい事は気にせずに流れと勢いで読むのも良いとは思いますが、好きなキャラが多いからこそスルー出来ず…。
面白い漫画なのは確かですが、上記の点で☆-1です。
鋼鐵塚さん、やはりいい性格していますね。唯我独尊、ここに極まりという感じです。研ぎの最中に日輪刀を持って行ったのは霞柱の時透君なのに、いつまでも恨みにおもっているし、炭治郎にみたらし団子、死ぬまで持って来いと言い放つし、ある意味では凄いです。また、善逸が炭治郎に褒められてニコニコする姿は、ワンピース...続きを読むのチョッパーが思い浮かび良いです。
Posted by ブクログ 2020年03月15日
第125話 迫る夜明け
◎第126話 彼は誰時・朝ぼらけ(上弦の肆・半天狗)
第127話 勝利の鳴動
第128話 御教示願う
第129話 痣の者になるために
第130話 居場所
第131話 来訪者
第132話 全力訓練
第133話 ようこそ
いきなり、あっさりと首が飛ぶ。鬼という異種を気持ち悪く描いて、敵に対する暴力の衝動を、子どもの心にダイレクトに刷り込む。新興宗教と違い、悪意が無いだけたちが悪い。こういうことがいつか検証される時が来るのか?