あらすじ
農業高校生(♀)が戦国時代にタイムスリップ!?
「山道を抜けたらそこは戦国時代でした」ばりに唐突に現れたのは、憧れの織田信長。主人公・静子はこの時代で生き抜くために「農業で才を示す」約束を信長にしてしまう。寂れた農村を与えられ、来る日も来る日も農業に明け暮れる静子だったが、やがて本人も気づかないうちに、信長にとってなくてはならない存在=重臣にまで上り詰めてしまってーー
こんなライトノベル今までになかった! 知人に言いたくなる「豆知識」ふんだん系新感覚時代小説が登場。
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面白い!
よくある俺ツエー系の転生チート無双ではなく主人公はタイムスリップした普通の女子高生。現代知識による知識チートで戦国時代を生きるお話です。
時代考証などもかなり詳しく、そうだったのかと思う事もしばしばあります。
これからif歴史がどうなるか続刊が楽しみです♪
Posted by ブクログ
著者初読。KU。
夾竹桃の『戦国小町苦労譚 一、邂逅の刻』は、タイムスリップ小説の枠を超え、現代知識と歴史の交錯がもたらす可能性を真摯に描き出した作品である。従来、この種の物語は派手な戦闘力や超常的な能力に依拠することが多かった。しかし本作において主人公が携えているのは、農業高校で培った“知識”という、いわば人間の営みの基盤をなす力である。この選択こそが物語の核心であり、読む者に確かな説得力と新鮮な驚きを与えている。
農業という主題は、単なる生活技術の紹介にとどまらない。耕し、種を蒔き、芽吹きを待つという行為には、人間が歴史の荒波を越えて命を紡いできた根源的な営みが宿っている。その営みを、戦国という苛烈な時代に持ち込み、そこに生きる人々と交わらせることで、物語は単なる異世界譚を超えて「人間と歴史の再発見」の書となるのである。
主人公の知識が現地の人々に受け入れられ、生活を少しずつ変えていく描写は、決して派手ではないが、確かな重みと感動をもたらす。そこには、文明の進展が一朝一夕の奇跡ではなく、無数の努力と試行錯誤の積み重ねであることを示す深い洞察が込められている。まさに「人は知によって歴史を動かすのだ」という作者の静かな確信が読み取れるのである。
また、農業高校生という設定は、専門性を持ちながらも等身大の親しみやすさを失わない絶妙な立ち位置を築き、読者に安心感を与える。読者は彼女の奮闘を通じて、歴史のただ中に生きる民の息遣いを感じ、同時に現代に生きる自らの生活を省みる契機を得るだろう。
総じて、本作は「知識こそが未来を切り開く力である」という希望を、戦国という激動の時代を舞台に描き切った力作である。そこに描かれるのは単なる過去の幻想ではなく、人類の普遍的な営みへの賛歌であり、また未来への静かな灯火でもある。
Posted by ブクログ
小説家になろう のサイトで読めるけど、つい読み返したくなる豆知識がいっぱいなので&ファンなので、紙の本でも読めるようにしたいと思い購入。
使い古されたタイムスリップものなのに、ちゃんと面白い。恋愛要素はない。
1巻では静子タイムスリップから約2年経過して、任された村での食料生産が軌道ににのってきたというところ。
とにかく農業歴女静子のスペックが高すぎて楽しい。さすがに女子高生は鹿を一人で解体できなくないか?
メインの登場人物としては、小間使いの綾と信長の嫡男の奇妙丸が登場してきた。
この先の2巻、3巻で主要キャラがどんどん出てくるので挿絵も楽しみ。
Posted by ブクログ
農業、畜産、林業に詳しく、実戦経験もあり、そして日本史(戦国史)もマニアックなほどに詳細な知識のある女子高校生が、転生直後に信長に会い、配下になり、村長になって、大きな収穫を挙げ、『富国強兵』を信長に説くという物語。ハイイロオオカミまでが懐くというおまけまでつく。続巻も長く、『苦労』感はほとんどないが、爽快な活躍劇が続くのではないかと思う。