あらすじ
備前に生まれた宇喜多秀家は、子どもの頃から豊臣秀吉に見込まれ、重用される。秀吉の養女(前田利家の娘)・豪姫を妻に迎え、四国や九州、小田原征討に参戦して秀吉の天下統一を支えた秀家は、やがて豊臣政権の最高機関である五大老に選ばれる。関ヶ原の合戦では西軍最大戦力で参戦するが敗れ、八丈島へ流されてしまうのだった。時代に翻弄されながらも生き抜いた、戦国の貴公子・宇喜多秀家の波乱に満ちた生涯を描く。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
このコミック版日本の歴史シリーズ、案外侮れないと思った。この複雑な時代と秀家の波瀾万丈の生涯をよくもコミックとしてまとめ上げたものよ、と寿ぐしておきたい。所々、子供向けと思えない突っ込んだ場面がある。
岡山県民として、名城岡山城をつくった宇喜田家のことは、一度は知らなければならないことだった。最近になって漸く広く知られる様になったようだ。知名度がないのは、なんと言っても関ヶ原の戦いでは敗戦の将、書物があまり残されなかったためかもしれない。紐解くと、ちょっと知らないこと多すぎ。
戦国の梟雄宇喜多直家と違い、息子の秀家は父亡き後11歳で家督を継ぎ、直ぐ秀吉の養子となる。その育ちの良さが、秀家をして父親とは正反対の真っ正直な男に成らしめたのだろう。豪姫との結婚、四国征討、九州征討、小田原攻めの交渉役(ここ迄21歳)、朝鮮出兵、五大老、宇喜多騒動、関ヶ原(28歳)、美濃国、薩摩に潜伏、八丈島への遠島(34歳)。常に戦国時代の表舞台に立ち続けて、最後まで時の武将と比べて人を裏切っていない。しかも必ず助命嘆願が出て生命を永らえている。結局、八丈島で84歳の長寿を全うする。八丈島の宇喜多家は、明治2年に赦免されて、75名が本土の土を踏んだという。「戦争と平和」を体現した人だった。
ラジオで原作者の後藤ひろみさんの解説聞いて紐解いたのだけど、なるほど、現代に対するメッセージがあり、登場人物も多彩、NHK大河ドラマに相応しいと思う。ならないかな。