【感想・ネタバレ】コミック版 日本の歴史 幕末・維新人物伝 吉田松陰と高杉晋作のレビュー

あらすじ

激動の幕末をまっすぐに生きた吉田松陰と、松陰の志を継ぎ、歴史の変わり目を駆け抜けた高杉晋作の活躍を描いた歴史ロマン! 新しい時代を信じて生きた2人の生涯とは!?

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Posted by ブクログ

ネタバレ

幕末の英雄の一人、長州の「吉田松陰」と「高杉晋作」の師弟関係を描いた伝記漫画。

前半は「吉田松陰」を中心に描いていき、長州藩の置かれた状況。
当時の外国船が頻繁に来航する中で、危機意識が高まる世相を描いていき、
その中にあって全国各地を飛び回り国を守るためにどうすればいいのかを探し回る松蔭を語る。

外国を倒すにはまず外国を知らねばならないと考えて
「ペリー艦隊に密航して、米国へ渡航しようとする」ほど直情的な松蔭は幕府から危険思想扱いされて投獄される。
自分の行動に何ら罪の意識を持っていない松蔭は、お調べの段階で老中暗殺を企んでいたことをベラベラと自ら話してしまい、処刑された。

跡を継ぐ形で、松蔭門下の弟子たちの活躍が始まる。晋作もその中の一人であった。
晋作もどちらかというと「直情型」の傾向が強く、長州の中では「過激派」と見なされて、「穏健派」の桂小五郎とは対極にあった。
けれど、無謀な事にはとことん反対する柔軟性も持ち合わせていたところから「単なる猪武者」ではない。
長州藩が御所の警備から追放されたことに怒って、京都へ攻め上ろうとしたときにも大反対。

後に初代内閣総理大臣になる伊藤博文は「高杉派」で、弟分のように付き従っていたらしい。
英国との戦いで長州藩が敗北した後の交渉の席で、領土である「彦島」を租借することが持ち出された際に、
晋作は「日本神話のイザナミノミコトの話」を持ち出して拒否。
日本の領土を掠め取られることを防いだ。後に通訳として同席した伊藤が苦笑してその際の事を話している。

土佐の坂本竜馬ともウマが合ったようで仲が良かった。けれど病魔が晋作の身体を蝕み、長州藩と幕府の戦いの最中、27歳の若さで病死する。
幕末の英雄は「戦死」「敗死」「自害」が圧倒的に多く、明治維新前の病死は「高杉晋作」くらいであろう。
維新を迎えてもこの男の奔放さである。


目次

第1章 寅次郎学ぶ
第2章 黒船来航
第3章 上海行
第4章 攘夷
第5章 おもしろきこともなき世をおもしろく…

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2016年01月19日

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