【感想・ネタバレ】街道をゆく 8のレビュー

あらすじ

鉄砲は、未開の孤島ではなく鉄産業が高水準の種子島にやってきた。歴史の面白さである……。熊野・古座街道、豊後・日田街道、大和・丹生川街道、種子島など、山間の道、海の道を歩く旅。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

以下抜粋~
・結局、川へはダムの底の水が流れこむために濁るだという。ダムの底の水は水温が低く、自然、古座川の水温も低くなってそれまで淡水魚の宝庫といわれたこの川に魚があまり棲まなくなったというのである。なるほど氾濫はふせげたが、差引すればどうだろうかという疑問が村々にある。
「河川土木に限りませんが、自然に手を加えるというのは、むずかしいものですな」

・インド神である牛頭天王は、祇園精舎の守護神で、とくに疫病をふせぐ神であった。
京都の八坂神社は日本の神であるスサノオノミコトよりも、その本地であるインドの牛頭天王を信仰していた。
これによって八坂郷がインドの地名の祇園とよばれるようになったわけである。

・徳川幕府の草創のときの大方針の一つは、水軍を絶滅させることにあった。織田・豊臣家の水軍である熊野水軍の九鬼氏を、丹波の山奥に移封させたように、久留島氏(伊予の来島水軍)も、この豊後森というような海とはまったく無縁の山奥に移されたのである。

・薩摩は士族文化の国で、その士族文化というのは、つきつめていえば相手に対する優しさと鄭重さにあるように思われる。

・朝鮮侵略が、焼物戦争といわれるゆえんはそれで、その焼物戦争以前の日本の食器など諸道具というのはほとんど漆器だったことを思うと、日本文化はかれらに負うところが量り知れぬほど大きい。

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2023年06月29日

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