あらすじ
「お前の願いって……なんだったんだ!?」兄は弟の魂の叫びに耳を澄ませた。――希望を胸に、各国から集結した宇宙飛行士の卵(アスキャン)たち。だが、眼光鋭い教官(スポンサー)・ビンスが問答無用で設定した訓練の出発点は、心も渇きそうな地……砂漠!!
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あなたの幼いころの将来の夢は何ですか?もし叶わなかったのなら、その夢をあきらめたのはいつですか?「夢を持ちなさい。」、「夢を簡単にあきらめるな」と人は言うが、そう簡単に誰しも夢が叶うわけではない。一度現実を見てしまうと人は、夢を追いかけることを捨て「どうせ無理だ」とブレーキを踏んでしまうものである。
宇宙飛行士の弟・日々人を持つ兄・六太は、幼いころにした「二人で宇宙飛行士になる」という夢を果たせず、また一人先に宇宙飛行士になってしまった弟に対し嫉妬心を抱いている・・・。そんなある日、六太のもとへ新規宇宙飛行士選抜試験の書類審査通過の通知が届く。六太は兄として日々人に引っ張られることを嫌がりながらも、忘れたふりをし続けた「宇宙飛行士になりたい」という思いを抑えられずにいた。
立ちはだかる数々の試験を突破し、六太は無事宇宙飛行士になるという夢を叶えることができるのか!?挫折と苦悩が入り混じる、31歳無職の男の挑戦に目が離せない。
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Posted by ブクログ
いよいよムッタもアメリカに旅立ち。
旅立つ前にもひと波乱(笑)!?
NASAの厳しい訓練が始まるが、なんと最初は砂漠をチームでひたすら歩くサバイバル訓練!
ムッタ達は生き残れるのか?
そんな中、同じチームのメンバーである新田に異変?
新田には実は弟がいて、弟からの電話を待っていた。
弟は部屋から出れなくなってしまい、新田は弟が部屋から出るきっかけになれば良いと考え、アメリカで弟と一緒に住もうとしていた?
それを弟に伝えるため、電話を待っていたのだ。
なんとか携帯を見つけたものの電話に出れなかった新田だが、弟はたまたま新田のインタビューを見ていた。
続きが気になる終わり方で次の巻をすぐ読んでしまった!
Posted by ブクログ
紫さんが、何年も宇宙飛行士と名乗って来たけれど
宇宙にまだ行っていないというのを聞いてはっとしました。
難関を乗り越えてもまだ辿り着けないのは
本当に厳しいなと思います。
ビンスさんが車のスピードを上げるシーン、
言いたいことはわかるのですが
ビビるかビビらないかはドライバーに対する信頼によるので
一概に言えない気がします。
訓練で順位が最下位になったとき、
罰を受けるのはリーダー以外というのがエグいです。
理由は兎も角としても罰の内容がわからないのに
率先して自分がやると言って、
初日のリーダーを買って出るなんでケンジはやっぱりさすが、と言えるムッちゃんが好きです。
確かに、単独行動なんて
宇宙飛行士が最初に口にする案じゃないですよね。
ムッちゃんは徹底して最初から、常に月にいるつもりで訓練に挑んでいたのだなと思うのです。
おまえなんて殴る価値もないと言ったことを後悔している新田さん。
「お互い様だから言わせてもらうぞ新田
俺はお前みたいな兄貴になりたかった 」
というムッちゃんの言葉がなんだか良いです。
人はそれぞれ何かを抱えていて、隣の芝生も青く見えがちなわけで。
新田さんの動画の「それこそが外に飛び出す原動力」という言葉、良かったです。
知らない人から見たら窓を開けただけかもしれないけれど、とても大きな勇気です。
Posted by ブクログ
おすすめ度:90点
宇宙飛行士候補生、通称・アスキャンとなった六太たちは、2年間の合同基礎訓練を受けるため、アメリカ・ヒューストンにやってきていた。
歓迎会も開かれ、占いが得意なアマンティにさっそく占いをしてもらい、今後の展望的なことをみてもらったのだが……アマンティは何やら不穏な表情を浮かべてしまう。
そして後日、いよいよ合同訓練が開始された。
訓練教官、通称・スポンサーは、先輩宇宙飛行士である、ビンセント・ボールドと、ラリー・パイソンの2名。
バスで砂漠へ連れてこられた六太たちは、1チーム6人制、全5チームに別れることになった。
六太はE班、ケンジ、せりか、絵名、新田、アマンティの6人。気温は40度。背負う荷物は、1人平均12キロ。
これから6日間、アスキャンたちは毎日リーダーを変えながら、70キロ先の目的地「アマリロ」まで、サバイバル生活をしながら歩くのだ。
初日終了時点でE班の順位は最下位、遅れた罰で腕立て伏せの罰を受けることになってしまう。
サバイバル訓練4日目。全体の半分まではきていたが、E班はいまだ最下位だった。この日のリーダーは新田。誰よりも早く宇宙へ行きたい新田は、順位がつけられるとわかっているものなら、全部トップを狙わなきゃダメだと焦り、飛ばしていた。
サバイバル訓練5日目。
六太たちE班の順位は4位まで上がっていたが、ひとつ問題が起きていた。
新田が大事に持っていた携帯を、ここに来るまでのどこかで落としてしまったらしいのだ。
しかもその電話は、今晩かかってくる予定とのことだった。新田は自分だけ取りに戻ると言い出すが、この日のリーダ―である六太は、みんなで進むことを決める。夜になれば、携帯は着信でチカチカ点滅するはずである。そのことに気付いた六太は、夜になってからみつけにいくのが得策と思い、先へ進む判断をしたのだ。
その夜――。満点の星空の中、六太と新田は昼間歩いてきた砂漠の道を戻っていた。その道中、重い口を開く新田。
「……俺にも一人、弟がいる」
今晩電話をかけてくるのがその弟で、話すのは2年ぶりになるという。
新田の弟は部屋から一切出ず、出ない理由をきいても、「僕にもわからない」としか答えない。新田は、兄としてずっと何とかしてやりたいと思っていたが、今まで何度も、そのチャンスを逃してしまっていた。たった1本の電話で、どうにかなるとも思えないが、それでも希望を持っていたのだ。
しばらくして、前日食糧があった地点に到着した六太たち。
目を凝らしよくみると、草の陰でチカチカ携帯が光っていた。
『俺はまた……チャンスを逃したんだな……』
着信はあったが間に合わなかったようだ。悲しみと悔しさの顔を浮かべる新田だった。
その頃新田の弟は、今晩アメリカ上空で見える流星群の情報を、JAXAのホームページで確認していた。
そして何気なく、アスキャンたちのメッセージ動画に、新田の名前を見つけると――。
『今……自分の居場所がないと強く感じていて――小さな世界に閉じこもっている人がいたら、聞いてください。それこそが、外に飛び出す原動力です』
それは、『一歩踏み出す勇気をもって欲しい』という、兄・新田からのメッセージだった。
電話では話すことができなかったが、それでも新田の想いはカズヤに伝わっていた。
Posted by ブクログ
今まで語られなかったクールな新田くんの熱い一面が明らかになり、より人間味あるキャラクターになってきた。
引きこもりの弟をなんとか救いたいと願う切実さに泣けた。
本当はこういうキャラだっていうのが、アニメはちょこちょこフォローされていたと思う。
宇宙兄弟はマンガもアニメも素晴らしい出来だ。
ムッタ始動
スパルタ訓練にムッタは耐えられるか!でもみんないろんな悩みを抱えていて、それを打ち明けるうちに結束が強くなっていく。感動します。
Posted by ブクログ
宇宙飛行士の弟と、宇宙飛行士を目指す兄の物語10巻まで。
ここまでで、兄は正式に宇宙飛行士候補生としてJAXA職員になり、弟は月での生活を始めた。
兄は、有名人の弟の兄というだけでなく、見るべきところのある候補生としてきっちり課題を消化している。
10巻手前での大事件として、弟の月での転落事故があったが、極限状態でのサバイバルは盛り上がる。
兄や、微妙な立場となった吾妻が個々で活躍を見せたのも良い筋立てだった。
面白い。
ここから、宇宙飛行士候補生の訓練生活だ。あり得ないレベルぎりぎりの胡散臭さを楽しもう。
Posted by ブクログ
ヒューストンに旅立ち特訓へ。
絵名の描写は今まで少なかったのでやや急な印象。ココに来てやたらと強烈なキャラが増えるのもフィクション感が強すぎて残念な部分もある。しかしその分訓練の強烈さが出てくるので別の部分で魅力がある印象。紫との会話で緊張感を高めているのも訓練の強烈さに巧く絡んでいる。
最初の訓練で日本人全員が同じチームで活動するので親しみやすい。一人だけ追加されたアマンティもインパクトがあるので展開にすぐ目を向けられる。
他のキャラに比べれば表面的な描写しかなかった新田を深める展開も。しっかり審査の時点の台詞を引用しているので、ここまで引っ張っていても違和感無く受け入れられる。