あらすじ
その少年は、幼い頃すべてを失った。夢も家族も居場所も──。この物語は、そんな少年がすべてを取り戻すストーリー。その少年の職業は──やさしさ溢れるラブストーリー。
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これは、様々な人間が「何か」を取り戻していく、優しい物語。そして、戦いの物語。(公式サイトより引用)
主人公の桐山零は、将棋界史上5人目となる中学生でプロ入りした若手棋士。幼くして家族を亡くしてから深い孤独を抱えていた彼が、三月町に住む川本家の三姉妹と出会った。健気であたたかい三姉妹との交流を重ねるうちに、人の優しさを改めて知り、人間的に成長していく、というヒューマンドラマである。
棋士たちが背負う想いがぶつかり合う熱いバトルがメインのお話だが、三姉妹との出会いとほのぼのしたかけ合いが、バランスよく描かれている。将棋漫画でありながら、人と関わる大切さを教えてくれる、儚さと強さを秘めた作品である。
いろいろ疲れていた心にじわじわと染み入る特効薬はいかがですか。
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将棋の中学生プロ
本編はマンガparkで以前、通読していました。本だと、やはり先ちゃんのコラム等が期待通り、良いです。
零君、この時点ではまだまだこれからのようなので、過去の事例でいうと、10代の渡辺明九段に近いような。今の藤井聡太八冠、が史上5人目の中学生プロにしても、正真正銘に異次元の強さなのです。
川本姉妹の絡むエピソードが如何にも羽海野チカさんの作品で、身に沁みます。あと、義姉・香子さんとの関係も……。
ライバル・二海堂君の表情が能條純一さんの「月下の棋士」になるところとかも好きです。あの作品にも村山聖九段とそっくりな棋士が出てきていました。
私と同級生でしたが、29歳で夭逝しています。
Posted by ブクログ
生きていくために将棋に縋った主人公の零が、ある家族と出会って少しずつ、一つずつ出来ることを着実に増やしていく。最初は主人公や3姉妹の悩みが深刻で読んでて苦しい。
お互いがお互いを頼りにして、それを声に出す信頼関係が気づかれていく、それを気づかせて導く周りの優しい大人たちの言葉が身に沁みる。
零が自分に必要なことや大切なものを少しずつ認識して、ぐっと堪えて行動を続けて、現状を変えていく姿をみると勇気をもらわずにはいられない。
15巻あたりから、居場所を作るための将棋であったのが新しい居場所に充足したことでスランプ?に陥る展開でまた苦しくなってきた。でも零は絶対に今の居場所を手放さない。
人に与えられた時間は平等で、何を取って何を捨てるのか、これまでの物語で棋士毎に掘り下げられてきた。零がどのような選択をとるのか楽しみでならない。
将棋
将棋についてそんなに詳しくはないけどどれだけ大変な道かはなんとなくわかった
そしてそこに進むしかなかった人生
零がどんな気持ちでここまで来たかはまだわからないけど、ただ誰か抱きしめて投げる人ができたらいいなと思った
異色の将棋マンガ
将棋の世界、東京の下町、家族愛、その喪失と再生、人同士の偶然の出会いから始まるかけがえのない繋がり。そういう色々な物語が輻輳して紡がれる感動のマンガ作品。
天外孤独
事故で家族を失い天外孤独の身となった零。
父の友人の棋士に引き取られるが、なまじその家の子よりも将棋が得意だったためにそこでも居場所を失い、中学生でプロ棋士となり卒業と同時に一人暮らしを始める。
偶然知り合った和菓子屋の川本一家との交流で心を開いていくお話。
零もこの環境だから必死になってプロになれたのかもしれないなぁ。
Posted by ブクログ
「おいで」と言ってもらえた場所ができただけで……
そのコトバだけで
うれしくておなかがいっぱいで
もう
充分な気がした
*****
桐山零、17歳、プロ棋士。
幼い頃、事故で家族を失った彼は深い孤独を抱えていた。
*****
『ハチミツとクローバー』の羽海野チカさんによる新作。
『ヤングアニマル』で連載が始まるという広告を見て、先ず驚き。
出版社も変わっているし、青年誌だし。
そして、将棋。
『月下の棋士』(『3月のライオン』の中でその原作タッチを見ることができるコマがあります)のドラマにはまり、羽生善治さんが好きで、『しおんの王』という将棋マンガ(サスペンス要素も有)を読んでみたりしている私は単行本化をすっごく楽しみにしていた。
羽海野チカさんの新作、というだけでもひかれるのに、将棋!キャー!
私自身は”並べ方”は分かれど”勝つための指し方”は分かっていないという情けないレベルなんだけれど。
監修は先崎学八段。
お話に出てくる盤面の説明や将棋の知識などを教えてくださいます。
主人公、零は東京の下町で一人暮らしをしている17歳。
家族はいません。
無愛想なわけでもなし、人付き合いがとんでもなく下手なわけじゃあない。
でも、彼は誰かに”甘える”ことができずにきたために、誰かに甘えたり、頼ったりができなくなってしまった子なんだと思います。
”生きる為に”、将棋と共に生きる道を選んだ零。
”棋士”という肩書きを持ち、”五段”という評価を得、同じ土俵にいる人間と闘わなければならない-それがどんなに近しい人間であろうと。
ほんわか包んでくれるあかりさん、お年頃のオンナノコ、ひなたちゃん、ちっちゃくて愛くるしいモモちゃんの3姉妹と零が一緒にいる場面はとてもやさしくて好きです。
ご飯のシーンは食欲も刺激してくれちゃう。
零くんだけのシーンがどうしてもシリアスな空気勝ちになっているので、3姉妹が登場すると、ほっとします。
3姉妹の前では零くんが素直に喜怒哀楽を感じることができるんじゃないかな、と思います。
あと、ちょっとした表情がすごく憂いを含んでいて、素敵だなと感じます。
独特の世界観。
動も静もしっかり織り込まれている。
サブキャラクタが個性的で皆魅力的なことも羽海野さんのすごいところだなと。
個人的に気に入っているのは、将棋の師匠でもある幸田さん、晴信(プラス、花岡さん…)。
幸田さんと零の回想シーンなんて、号泣。
その一方、実子である香子や歩の気持ちもビシビシ伝わってくるし、色んな意味で零に対して抱く嫉妬心も理解できるしで、苦しいシーンでもありました。
晴信は純粋に「負けたくない」、それを隠そうともせず指す将棋、今後もドキドキワクワクさせてくれそう。
将棋色はまだ基盤を敷いたところかなと思いますが、これからトーナメントなどが開催され、個性的な棋士たちの戦いを読むことができるのかということも楽しみです。
そして、零くんの成長していく姿、彼がしあわせになるように願いつつ、見守りたいです。
羽海野先生の描く物語、やはり素敵です。
将棋マンガですが、将棋を全く知らないひとでも十分楽しむことができます。
願わくば、そこから将棋に少し興味を持ってもらえると、何だか嬉しい。
Posted by ブクログ
アニメ先行組
零にとっての将棋が居場所の確保と生きるすべと解釈できるのですが、父親が存命中は、そこそこ好きだったようにも見えたのでした。
零の回想が多めなのは、常に過去と戦っているからかと。
まっさらな零の部屋とごちゃごちゃで狭い川本家の対比がなんとも。このまま行くのかと思ったら、零の部屋に二階堂が、さらにカーテンやらと、零の空っぽな心の象徴たる部屋に変化が出てきました。
匿名
面白いよと薦められても「将棋を通して心温まるストーリー」だよ。って事でなかなか買ってみる気にはなれず、1巻読んでみたけど少し気になる程度。でもとりあえず2巻も読んでみました。
2巻からはすっかりハマり結局、今出てるものは結局全巻買ってしまった。
将棋も、暗くてカッコ良くない主人公桐山も好きではなかったけど、学校の先生や会長、クセのある対局者のキャラが面白くて。周りのキャラに支えられて気が付けば桐山が凄くカッコ良く見えるようになるのは羽海野マジック?
ただ、桐山とひなちゃんとのカップリングにはイマイチです。桐山的には穴熊でお願いしたい。
Posted by ブクログ
感想
昔おばあちゃん家にあった録画で見たことがあった。
その頃は暇つぶしに見ていたけど今みるとめっちゃ良い。人間関係の難しさや、人の温かさがよく伝わってくる。
Posted by ブクログ
主人公も、主人公の世話になる所も崩壊家庭で、かなりシリアスな育ちだし、主人公も色々悩み続けて浮上できていないのに、鬱っぽくならずにサクサク読めてしまう不思議な漫画。
主人公が斜め上な思考で天才だからこその頭の回転故か、良い意味で『普通じゃない』からなのかも?
義姉とか川本父とか、出てくるとイラっとする最低な人たちはいるけど、主人公のメンタルの強さと、それを支えてくれている川本家のほんわかした家族愛に毎回ホッとします。
主人公の成長物語になると思うこの話、結末はどこに向かうのか楽しみ。
まだ様子見
キャラクターはさすが羽海野チカ絵。かわいい。
物語が時系列に進んでいくのではなく、回想を挟みながら進んでいくので、1巻の終わりでやっと桐山零の性格が暗いのか分かったところ。
まだどんな話に進んでいくのか見当がつかない。