あらすじ
「【破滅の導き手】……【約束されし妖精】……エルフ? 【疾風】のこと?」
18階層の宿場街にもたらされる殺人の凶報。犯人は黒表の賞金首――【疾風】。
耳を疑うベル達がリューの容疑を晴らすべく、彼女の行方を追い始める中、カサンドラは『最悪』の予知夢を見る。
告げられし十七節の予言。
予言の成就は大切な者達の『死』。
絶望に打ちひしがれる悲劇の予言者は、破滅に抗う孤独の戦いを始める。
そして真相を追う少年が、黒き復讐の炎に焼かれる妖精と邂逅を果たす時、かつてない【厄災】が産声を上げる!
これは少年が歩み、女神が記す、──【眷族の物語<ファミリア・ミィス>】── ※電子版は紙書籍版と一部異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください
「出会い」に憧れるヘタレ駆け出し冒険者のベル君と、
ベル君と相思相愛の仲になることを夢見る、ダメ主神ヘスティア様。
この二人で構成されたダメファミリアと、
個性溢れる迷宮都市オラリオの住人たちが織りなすドタバタラブコメディ。
かと思いきや。
丁寧に丁寧に描かれた王道ジュブナイルファンタジーであります。
神々や他ファミリアの策略に翻弄されながら、
挫折し、もがき、冒険者として成長するベル君の姿は爽やかで小気味良く、
緊迫した戦闘シーンは手に汗握り、
酒場の店員達の優しさや、ヘスティアとの絆にはホロリときます。
1巻から全開のハーレム要素、ちらちらと見え隠れする俺TUEEEE要素も抜かり無く。
侮れぬ筆力で描かれた正統派ファンタジーに、お約束もきっちり盛りこまれた傑作です!
感情タグBEST3
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ベルくん、強過ぎないか?(笑)
面白かったです。
12巻で強くなったことは確認してましたけど、ここまでとは・・・
腕が飛んだ時にはジョジョの第二部最後を思い出してニヤリとしましたけど(笑)
ベルくんが強くなりすぎて、作者の与える試練も強烈になってますよね(-_-;)
読んでて、そこまでいじめなくてもいいんじゃ・・・とか思っちゃうレベルでした。
上下巻という事なので、次巻を楽しみにしたいとこです。
気になる展開を残して気になる〜
ヘルメス様の手のひらで踊らされてる?ヘルメスファミリアから情報得て一緒に捜索に行った日に敵は手ぐすね引いて待ち構えてた。嵌める完璧なプランだった様な気がする。あんな大掛かりな仕組みはエンカウントして直ぐは無理でしょう。今までにないくらい極限な状況で続きが気になります。今度はなるべく早く出して欲しい。
Posted by ブクログ
大森藤ノ著『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか13』は、シリーズの中でもひときわ緊迫感と重厚さを湛えた一冊である。深層に追い込まれたベルとリューの姿は、単なる冒険譚の枠を超え、極限における人間の脆さと強さを鮮烈に描き出している。リューの過去と罪を背負う苦悩は、彼女という人物を“疾風”という異名以上に生きた存在へと引き上げ、読者の心に鋭く迫る。一方で、仲間を想い、運命に抗おうとするカサンドラの覚悟は、希望の灯火として物語に力強さを与えた。
また、ジャガーノートという存在が象徴する“ダンジョンの免疫機構”は、この世界そのものの厳格な論理を体現し、人知を超えた深淵の恐ろしさを浮き彫りにしている。それゆえにこそ、なお抗い続ける冒険者たちの姿がいっそう際立ち、読む者に深い感銘を与える。絶望の連鎖の中で、ベルが見せるひたむきな闘志は、英雄譚としての本作の核心を示し、物語全体に魂の震えをもたらしている。
13巻は、闇に覆われながらも決して消えることのない光を描き出した作品であり、その余韻は読み終えた後も心に長く響き続ける。