あらすじ
コーヒー豆と和食器の店「小蔵屋」の近くに、ライバル店「つづら」が開店した。つづらは元和菓子屋だったが、近隣では経営難のオーナーから詐欺まがいの手口で土地家屋を買い叩く業者グループがいるという噂がある。小蔵屋を営む気丈なおばあちゃん・杉浦草(そう)は、背景を調べ始めるが……。人気シリーズ第2弾。
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Posted by ブクログ
*コーヒー豆と和食器の店「小蔵屋」の近くに、ライバル店「つづら」が開店した。つづらは元和菓子屋だったが、近隣では経営難のオーナーから詐欺まがいの手口で土地家屋を買い叩く業者グループがいるという噂がある。小蔵屋を営む気丈なおばあちゃん・杉浦草は、背景を調べ始めるが…人気シリーズ第二弾*
人に勧められて手に取りましたが、端正な文章も含め、とても凛とした作品です。よくある、善人のおばあちゃんのお節介物語ではないところがとてもいい。寂しさとやるせなさを抱えつつ、静かに、時には厳しく物事を見守る。いろいろな事情を抱えた登場人物に、控えめに手を差し伸べる。キャンドルの灯のような、さりげない優しさと寂しさが心に沁み入ります。
Posted by ブクログ
和食器とコーヒー豆を扱う小蔵屋を営む杉浦草ことお草さん。
お店の近所で出会ったタケルという男の子との出会いときっかけに知り合った設計士の田沼という男。
芸術家という夢を叶えた病魔に犯されるナオミから頼まれた昔のこと。
評判の良くないつづらというお店の悪業の裏にあったもの。
お草さんの昔の見合い相手の呉服店マルフジの藤原と田沼の意外な関係。
ダイデン不動産とマルフジによって店も商売も取られ借金だけとなって泣く人たちの存在をお草さんは知ってしまい
自らのお店も少なからず正体不明な影が忍び寄るなか
お草さん直々にすべての元凶の藤原に会うまで。
お草さん、お久しぶりです!
すごい大冒険だったような。ドキドキした。
Posted by ブクログ
【あらすじ】
コーヒー豆と和食器の店「小蔵屋」の近くに、ライバル店「つづら」が開店した。つづらは元和菓子屋だったが、近隣では経営難のオーナーから詐欺まがいの手口で土地家屋を買い叩く業者グループがいるという噂がある。小蔵屋を営む気丈なおばあちゃん・杉浦草は、背景を調べ始めるが…。
【感想】
Posted by ブクログ
お草さんシリーズ第2段。最早日常ものミステリーの枠を超えて、田舎町人間模様短編集という体をなしてきた。ミステリー要素もあるにはあるが、フーダニットはおまけの扱い。紅雲町をとりまく小悪人どもvsお草さん一派の行き詰る日常…これはこれでオモロいけどね。
お草さんの生き方が相変わらず素晴らしい。彼女の凛とした生き方、処世の術を読むにつけ、どんなに困った事態になろうとも日常を丁寧に生きる事の大切さと、それによる強さを思い知らされる。
きっちり掃除し、暖かい旬の手作りの料理を食べ、物を大切に使い、背筋を伸ばして生きることの大切さ。そうやって生きる人の強さ。
やっぱ、このシリーズハードボイルドやわ。カッチョええわぁ
Posted by ブクログ
前作の最後で幼馴染の由紀乃さんが遠くへ行ってしまい、どうなるのかと思っていたら、
時が巻き戻っていた。
四季折々の話が一つの方向に向かって流れ込むという展開は好きだが、
彫刻家との縁はちょっと唐突かな。
知り合った時も共通点なしの偶然だし、
30年ぶりのこれまた偶然の再会で、
面倒事を頼む方も頼む方だし、受ける方も受ける方だし。
最後の話の親子の確執の決着も、ちょっと安っぽい。
ところどころに心を刺すようなガラスの破片が埋め込まれている良さがあるのに、
切れ味が今一つ鋭くなくて、傷口がじくじく痛むような感じがする。
人の心の綾に痛みを感じさせられるところは、
宮部みゆきにも似ているが、
その痛さがスパッとしていて、
ある意味気持ちがいいのとは大違い。
自分の店にありきたりなものを置きたくないと納品を断った潔さがありながら、
過去の自分を責め続け、囚われ続ける主人公のもがきが
その根源なのだろうか。
それとも、人とはそういう矛盾した存在であるということを、受け入れられない私の未熟さのせいか。
Posted by ブクログ
紅雲町珈琲屋こよみシリーズ2作目。『小蔵屋』の近くにライバル店『つづら』が開店。小蔵屋はつづらから嫌がらせを受ける。また、つづらの店舗は、経営難のオーナーから詐欺まがいの手口で土地家屋を買い叩いたとい噂もあり…
1作目と違い、連作短編で読んでて楽しかったけど、相変わらず不穏なシリーズ。なのに気になって読んでしまう不思議(・・;)
今回は、色々スッキリしなかった。つづらはどうなったのかとか気になる…
Posted by ブクログ
自分の中の罪の意識に苛まれながらも、自分が関わった様々な人々の困難が良い方に向かうよう、ひと役買おうと奮闘する主人公。
何かに一生懸命になることで、重い記憶も少しずつ形を変え、徐々に光のようなものが見えてくるのではないかという希望を感じました。