あらすじ
神奈川県警刑事部長・竜崎伸也のもとに、著名な小説家・北上輝記が小田原で誘拐されたという報が舞い込む。犯人も目的も安否もわからない中、竜崎はミステリ作家・梅林の助言も得ながら捜査に挑むことに。劇場型犯罪の裏に隠された、悲劇の夜の真相とは――。累計330万部突破の大人気シリーズ、記念すべき第10弾!
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同じキャリア警察官の主人公「竜崎」と、幼馴染「伊丹」の物語。
とにかく「竜崎」のキャラ設定が秀逸!万事の『原理原則』に忠実で、しがらみの多い警察機構の中、ただひたすら『正論』『理屈』を武器に超合理的に全てを進めていく姿が痛快になってくると、あなたは立派な「竜崎」ファンです。堅物過ぎてヤな奴なのは否めませんが、対照キャラの「伊丹」が、それだけじゃないことを読者に説明してくれます。
的確な判断と部下への指示。こんな上司なら一生ついていきたいっす(かなり堅苦しいけど)。
ドラマ出演者が形容したのは「警察版 半沢直樹」。主人公のキャラは全く違えど、組織内の権力争いとスッキリする読後感は確かに似ているかも。1巻ごとの完結ですが、続巻も読みたくなること必至!そして続巻も期待以上です。(書店員・ラーダニーバ)
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Posted by ブクログ
ハイパー優秀合理主義警察官僚の竜崎が主人公のシリーズ物もついに10作目。
有名な小説家が誘拐された事件が発生し、ミステリー作家と一緒に協力をしながら(というかミステリー作家が首を突っ込んで)捜査に臨む話なんですが、主人公の竜崎に加えてミステリー作家も中々の曲者、ただなんとなく馬が合う雰囲気で、バディ物とも言えない絶妙な距離感が心地良かったです。
事件そのものは過去の作品と比べると決して面白みがあるわけではないですが、時勢を表していたり、なにより竜崎の内面がより魅力的に感じられるようになるなど(エピローグがある意味クライマックスだったかも)、シリーズを10作品目までちゃんと読み続けている人にとってはたまらない仕上がりになっています。
Posted by ブクログ
2025/1/25
なんか竜崎さんの歯切れがやや悪くなってきた気がしつつ、人間らしくなってきたとも言える。
人間らしくなって欲しいような欲しくないような。
でも成長のない物語は味気ないしな。
でも竜崎さんはそのままが良くない?
と行ったり来たりしますが、まあいいか竜崎さんやし。
ちょっと一人なんか竜崎さんとキャラ被ってない?みたいな人がいたね。
いたっけ、あんな人。
小説家にそんなペラペラしゃべっていいんかい?は常に思ってた。
Posted by ブクログ
著名な作家北上輝記の誘拐事件とポーランドに留学中の息子が東大を辞めたいという公私二本立てといつものパターン。
決して批判的なわけでなくそれがいつも通りで心地良いのです。
友人だという作家梅林賢が小田原署へ事件の推理をするから捜査に加えて欲しいとやってくる。原理原則主義の竜崎が何故か一般市民に相談してしまう。なんだか腑に落ちない、、
なんだかんだ展開していくうちに北上の自作自演の誘拐かなと推測出来てしまったが、神奈川県警刑事部長の竜崎と幼馴染で警視庁刑事部長伊丹のいつものやり取りも好きなところ。息子も作家さんに会えて将来に生きてくる経験になったようで丸くおさまりました。さらっと一気読みですね。
Posted by ブクログ
今野敏め、開き直ったな(笑
警察小説のリアリティさを犠牲にしてでも、竜崎と(伊丹と)小説家の絡みを書きたくなったんやろなぁ、というシリーズ10作目。
あの竜崎が一般人にここまで捜査の相談をするというのは、ちょっと逸脱幅が大きいような。犯人もトリックも結構序盤で読み切れてしまうので(そう思わせといて…が、まさかそのままそう思わせたまま)ミステリーとしても歯応えはなく。
それじゃ何故この本に☆4つもつけたのかというと、最早竜崎ファンタジーなのである。
竜崎が「警察官の妻だったことで後悔したことはあるか?」ときかれた奥さんの即答がこの本最大の山場かも知れない。
できれば次作以降はもうちょっとリアル路線に戻してほしいなぁ、とは思う。
Posted by ブクログ
安定の面白さですがミステリー要素は少し弱い・物足りないです(そういう設定だから仕方ない部分もありますが)。村上春樹には許可取ってるのかな?
Posted by ブクログ
全体的に落ち着いた展開でした。派手さはないものの、引き込まれるように読み進め一気読みしました。「10」でも新たな一面を見せてくれるこの作品はやみつきです。