同じキャリア警察官の主人公「竜崎」と、幼馴染「伊丹」の物語。
とにかく「竜崎」のキャラ設定が秀逸!万事の『原理原則』に忠実で、しがらみの多い警察機構の中、ただひたすら『正論』『理屈』を武器に超合理的に全てを進めていく姿が痛快になってくると、あなたは立派な「竜崎」ファンです。堅物過ぎてヤな奴なのは否めませんが、対照キャラの「伊丹」が、それだけじゃないことを読者に説明してくれます。
的確な判断と部下への指示。こんな上司なら一生ついていきたいっす(かなり堅苦しいけど)。
ドラマ出演者が形容したのは「警察版 半沢直樹」。主人公のキャラは全く違えど、組織内の権力争いとスッキリする読後感は確かに似ているかも。1巻ごとの完結ですが、続巻も読みたくなること必至!そして続巻も期待以上です。(書店員・ラーダニーバ)
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Posted by ブクログ
隠蔽捜査シリーズ、このシリーズ好きなので…
竜崎部長のブレないところとか。
今回は、事件に関連して作家が登場します。
純文学とエンタメ作家は、友だちなのか仲間なのか。
ものを創り出すという事、ファンになるという事。
竜崎の息子が大学に通う意味が見出せず、苦労して入った東大を辞めたいと言い出すが、息子に対して放ったエンタメ作家、梅林賢の言はなかなか深いものでした。
梅林が話す作家業についての話も興味深く、一割の法則で言えば、今野敏氏は0.1%に該当するのでしょうね。
小説も音楽も興味がない竜崎、そんな人を宇宙人か?とつい尋ねた本部長も人間味あっておもしろかった部分。
このシリーズ、竜崎部長のキャラで成り立ってるところも大きいと思ってますが、事件解決の間の対人関係がこれまた良いのです。今作はいつもよりほのぼの感があって楽しく読みました。
Posted by ブクログ
感想
ストーリー自体は単純だったが、キャラが立っていた回だった。
息子の邦彦は相変わらず親に心配しかかけない困った野郎だな。しかし、最後に邦彦が作家に話を聞く場面が印象的で良かった。考えなしに大学に入ってもいい。4年間立場が与えられるのだからどう過ごしても自由だ。ここが説得力があって良かった。
あとは竜崎が警察に入った動機も面白かった!伊丹をコキ使ってやりたかったと。
あらすじ
有名作家が誘拐されたかもしれない。作家の友達である梅林が捜査協力すると申し出て、竜崎が応対する。一方、家庭の方では邦彦がポーランドから帰り、大学を辞めると言い出す。
誘拐捜査は、有名作家本人が無事に保護されたことで終結し、実行犯も逮捕されたが、犯人が一人での犯行が難しいことや、作家の方が記憶が明確な点に違和感があった。事件はやがて他の事件と繋がっていく。
Posted by ブクログ
シリーズも10冊目となるともう最初の頃とだいぶ変わる気がする。といいたくなるほど最初の頃のキレッキレだったイメージがなんだかぼやけた気が。人に揉まれて変わったと言いたいのか、あるいは。
大学の時間を無駄にできる期間(猶予期間)のありがたみはホント、その通り。もっと遊んでおけばよかったし、色々とやっとけばよかった。。。