内藤正典のレビュー一覧
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内藤正典『イスラームからヨーロッパを見る』<岩波新書>を読んでいたのだが、中東事情やイスラム教等々について、あまりに分からないために挫折した。そうしたわけで、新書の中で出てきたトルコを事例に、同じ著者の本書を読んだ。
現在、西欧世界では、「イスラム」という言葉を聞いただけで「嫌な感じ」を受ける人が増えており、日本でも同じように、イスラム教の信者というだけで怖いと感じる人も多い。筆者は、こうした態度に対して、「私たちは果たしてイスラムのことをどれだけ理解しているでしょうか?」と投げかけ、知らない文明や文化について、簡単に好き嫌いを口にしてしまうことの危うさを指摘する。そして、「日本のものさし -
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とてもわかりやすい!
この本を読むと、いかに自分がイスラームについて無知か、そして巷にはびこるイスラームのイメージが、いかにアメリカや西欧諸国によって作られたものかがよくわかる。あまりに無知すぎたので、イスラームの歴史のところなどは、地図と照らし合わせながら読まないとわからないなと思いつつ読み飛ばしてしまったが、この本は発刊が少し古い(2012年)ため、同じ著者の新しく出た本も読んで復習したいと思う。
ものすごく大まかに言うと、西欧諸国にとっての近代化の絶対条件が世俗主義(政教分離)だが、これをイスラーム諸国に押し付けるのは間違いだという内容である。
「アラブの春」(これも西欧諸国の都合 -
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「イスラム」とか「タリバン」とか「シーア派」とか、よく聞くけれども分かっていない、もしかすると偏見だけで固められているかもしれないことを、分かりやすく、歴史と宗教を見ながら、今の情勢について解説する本。「パレスチナ問題」とか「クルド問題」とか、中東の時事問題の定番になっている事柄に触れられている。
読んでいてやっぱり途中でゴチャゴチャしてきて、結局飲み込むところまで行かなかったが、たぶんちゃんと読めば分かりやすい本なのだと思う。ノートとかにまとめながら読み進めたい衝動に駆られた(結局、なかなか出来ないけれど…)。
断片的だが、以下は気になったところのメモ。「信徒でない私からすると、ムスリ -
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とても勉強になった。
2020年に書かれたものなので「今」のヨーロッパとイスラームの現状がわかる。
シリア内戦によって多くの難民がトルコに行き、さらに西ヨーロッパに移動することになった。
ヨーロッパとイスラームの共生は、なぜうまくいかないのか?まずはヨーロッパはキリスト教なので、うまくいくわけがないと思った。過去には共生しようと努力した国もあったそうですが、9.11のテロでムスリムに対する感情が180度変わってしまった。「良いムスリムと悪いムスリムがいる」そんなことはみんな知っている。ムスリムが全員テロリストなわけではない。でも怖いよそりゃ。
日本人でよかった。 -
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EUの、国連の、領域国民国家という概念の「限界」を、現実の中東・欧州の情勢から指摘する。非常に示唆に富んでいる。以下、メモ。
・EUの限界
リベラルの正体が、難民問題で露呈。難民ではなく不法移民だとEUは言うが、なぜ難民が発生するか、シリアで自国民を虐殺している政権があるせいなのは知っているはず。これまでヨーロッパ諸国が普遍的な価値として共有してきたはずの自由、平等、人権は、人類すべてに適用されるものではなかったということが露呈した。しかも難民排斥をしている側は自分を「リベラル」と呼ぶのだ。
移民に対して「同化を求めない(多文化主義)」国(オランダ、イギリスなど)は、じつは他文化に対する「 -
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ヨーロッパにおけるムスリム移民やトルコ等を研究対象にしている
著者による、第1次世界大戦以降から現在までのムスリムと欧米
による中東政策を解説した作品である。
「はじめに」で「日本は決してこの戦争に参加してはならない」とされ
ているのだが、残念ながら著者の思いは実らなかった。日本政府は
言い逃れをしているけれど、ISが拘束している邦人2人の殺害に
至ったのは、やはり安倍信三の演説が引き金だもの。
状況を公平に見ようと思っても、どうしてもバイアスがかかるんだよな。
特に日本の報道は欧米メディアの視点でしか中東関係を報道しない。
以前は衛星放送でアルジャジーラの放送が見られた