内藤正典のレビュー一覧

  • トルコから世界を見る ──ちがう国の人と生きるには?

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    30年前に書かれた内容に少し現在の状況を書き加えられた内容。
    トルコはイスラム教だが、政教分離を掲げている国である。というトルコの政情から、バイラムというイスラムにちなんだお祭り、労働者の話、多岐にわたる内容が解説されている。
    薄くて読みやすい。
    秩序をつくるより、文化を異にする社会同士で、コモンセンス(共通の理解)を、作ることが大切である。
    この一文が心に残る。

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    2023年01月20日
  • トルコから世界を見る ──ちがう国の人と生きるには?

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    タイトル見て「なんでトルコ?」と思ったけど、読んでみたら「なるほど、トルコ!」と腑に落ちた。
    東洋と西洋の境目にあって、独自路線をとる国・トルコは、現代社会の国際情勢を複眼的に捉えるためには恰好の国だ、ということだった。
    というとこまで読んで、そういえばオルハン・パムクの小説ってそこが眼目じゃん!と思い出した。

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    2022年12月27日
  • トルコから世界を見る ──ちがう国の人と生きるには?

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    トルコにいるうちに読んでみようと思った1冊。とはいえトルコのことを全く知らなかったので、勉強になった。内藤さんはトルコや中東・イスラムへの思い入れが多分強く、時々他を下げトルコを上げる、という書き方になっている気がする。

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    2022年11月23日
  • トルコから世界を見る ──ちがう国の人と生きるには?

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    ウクライナ侵攻の今、2022年11月、トルコの立ち位置を興味深く見ています。トルコの理解をすることは、日本の行く末を考える意味でもためになります。薄い本ですが考えさせられます。

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    2022年11月23日
  • イスラームから世界を見る

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    とてもわかりやすい!

    この本を読むと、いかに自分がイスラームについて無知か、そして巷にはびこるイスラームのイメージが、いかにアメリカや西欧諸国によって作られたものかがよくわかる。あまりに無知すぎたので、イスラームの歴史のところなどは、地図と照らし合わせながら読まないとわからないなと思いつつ読み飛ばしてしまったが、この本は発刊が少し古い(2012年)ため、同じ著者の新しく出た本も読んで復習したいと思う。

    ものすごく大まかに言うと、西欧諸国にとっての近代化の絶対条件が世俗主義(政教分離)だが、これをイスラーム諸国に押し付けるのは間違いだという内容である。

    「アラブの春」(これも西欧諸国の都合

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    2022年03月22日
  • イスラームからヨーロッパをみる 社会の深層で何が起きているのか

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    ムスリムと西欧世界(ヨーロッパ中心の)の状況がよくわかる本。
    人間世界は難しい。文明の衝突、宗教的固定概念などという言葉が双方にあるのだろうと考えさせられる。もはや地球外に人類が植民するしか方法はなさそうな気もする。とはいえ今日探査機の火星着陸がニュースになっている段階であり、まだ人類は月以外の他天体に到達していないのでこれは即効薬にはならない。当分は何とかいろいろなだめすかしてやっていくほかはないのだろう。う~ん…

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    2021年02月19日
  • イスラームから世界を見る

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     「イスラム」とか「タリバン」とか「シーア派」とか、よく聞くけれども分かっていない、もしかすると偏見だけで固められているかもしれないことを、分かりやすく、歴史と宗教を見ながら、今の情勢について解説する本。「パレスチナ問題」とか「クルド問題」とか、中東の時事問題の定番になっている事柄に触れられている。
     読んでいてやっぱり途中でゴチャゴチャしてきて、結局飲み込むところまで行かなかったが、たぶんちゃんと読めば分かりやすい本なのだと思う。ノートとかにまとめながら読み進めたい衝動に駆られた(結局、なかなか出来ないけれど…)。
     断片的だが、以下は気になったところのメモ。「信徒でない私からすると、ムスリ

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    2021年02月12日
  • 限界の現代史 イスラームが破壊する欺瞞の世界秩序

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    ネタバレ

     著者の筆の勢いから著者の危機感がひしひしと伝わって来る。
     西欧諸国が築いてきた世界秩序及び領域国民国家の欺瞞が崩れ始め、欧米は保護主義化し、今後、ムスリム同士の連帯は「領域」を超えて拡大し、敵対的共存という難しい政治バランスをとるトルコとロシアを例に帝国割拠の世界における外交の困難さも極めることを示し、米国に依拠してきた日本の外交のあり方やその意識に危機感を顕わす。
     本著者の講義を受けている、または研究を指導されている学生が羨ましい。

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    2020年12月20日
  • プロパガンダ戦争 分断される世界とメディア

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    ネタバレ

     メディアが流す情報、為政者等からの偏った情報の垂れ流しなのかそれとも現地をしっかり取材した上で誰の立場で語られた情報なのか、心して受け止めよ、という強いメッセージを感じる一冊だ。
     巷にあふれている情報をどのように拾い取るかは自分次第ということだ。ただ、「どのように拾い取るか」というところにも自分のフィルターが働くし、すでに情報に操作されたフィルターなのかもしれない。

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    2020年12月09日
  • イスラームからヨーロッパをみる 社会の深層で何が起きているのか

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    世界は繋がっており、つながっているからこそ分断がある。そして欧州におけるそれは、もはや破綻していると言わざるを得ないー。そんな切実な状況が伝わってくる。

    無宗教とも言われる日本国民にとって、移民の問題は民族問題だと受け取りがちなものだ。
    しかしそこには民族を基調とした欧州の考え方と、民族ではなく宗教にこそ寄る辺をもつイスラームとのわかりあえなさからくる断絶が横たわっている、ということがよくわかる。

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    2020年08月25日
  • イスラームからヨーロッパをみる 社会の深層で何が起きているのか

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    とても勉強になった。
    2020年に書かれたものなので「今」のヨーロッパとイスラームの現状がわかる。

    シリア内戦によって多くの難民がトルコに行き、さらに西ヨーロッパに移動することになった。
    ヨーロッパとイスラームの共生は、なぜうまくいかないのか?まずはヨーロッパはキリスト教なので、うまくいくわけがないと思った。過去には共生しようと努力した国もあったそうですが、9.11のテロでムスリムに対する感情が180度変わってしまった。「良いムスリムと悪いムスリムがいる」そんなことはみんな知っている。ムスリムが全員テロリストなわけではない。でも怖いよそりゃ。


    日本人でよかった。

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    2020年08月02日
  • 外国人労働者・移民・難民ってだれのこと?

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    外国人労働者を「人」として受け入れる心得

    望むと望まざるとにかかわらず、今後日本も、言葉、宗教、価値観が違う人たちと交流する時代がやってくる。世界の今を知り、お互いへの理解を深めるために読んでおきたい。

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    2019年12月27日
  • イスラム――癒しの知恵

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    イスラームへの理解を深めるために手に取った。
    自殺しない、孤立させない、持てる人は喜捨や施しをすることが善行に繋がる、などなど。わかりやすい言葉と事例で、読みやすかった。
    結婚の推奨という項目は、既に中年女性となり子どもを産む可能性が低くなった自身に置き換えると、内容は理解できるが耳が痛いなと感じた。それ以外は、相互扶助や人をもてなす精神など、概ね日本人にも馴染みやすく理解しやすい。他者を助ける、喜捨するという点においては、大坂の町人文化の価値観と似たところもあるのではないかと思った次第。

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    2019年10月20日
  • 限界の現代史 イスラームが破壊する欺瞞の世界秩序

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    EUの、国連の、領域国民国家という概念の「限界」を、現実の中東・欧州の情勢から指摘する。非常に示唆に富んでいる。以下、メモ。

    ・EUの限界
    リベラルの正体が、難民問題で露呈。難民ではなく不法移民だとEUは言うが、なぜ難民が発生するか、シリアで自国民を虐殺している政権があるせいなのは知っているはず。これまでヨーロッパ諸国が普遍的な価値として共有してきたはずの自由、平等、人権は、人類すべてに適用されるものではなかったということが露呈した。しかも難民排斥をしている側は自分を「リベラル」と呼ぶのだ。
     移民に対して「同化を求めない(多文化主義)」国(オランダ、イギリスなど)は、じつは他文化に対する「

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    2019年04月13日
  • イスラームから世界を見る

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    内藤さんの本も何冊目?
    ある程度重複してる箇所もありますが、復習にいいかなw
    ムスリムの考え方などを分かりやすく説いてくれて勉強になります。とりあえず、これは読んどいた方が良い本。

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    2019年04月12日
  • イスラームから世界を見る

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    イスラムのことを全く知らないので、マスメディアなどに流れてくる報道を冷静に受け止めることもできない。
    世界中には10億を超えるムスリムがいるので、少しでも知りたかった。この書はそんな初心者にも優しく説いてくれた。一冊で分かった気になってはいけないが、「難しくて挫折」、させない書です。

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    2017年09月17日
  • イスラム戦争 中東崩壊と欧米の敗北

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    ヨーロッパにおけるムスリム移民やトルコ等を研究対象にしている
    著者による、第1次世界大戦以降から現在までのムスリムと欧米
    による中東政策を解説した作品である。

    「はじめに」で「日本は決してこの戦争に参加してはならない」とされ
    ているのだが、残念ながら著者の思いは実らなかった。日本政府は
    言い逃れをしているけれど、ISが拘束している邦人2人の殺害に
    至ったのは、やはり安倍信三の演説が引き金だもの。

    状況を公平に見ようと思っても、どうしてもバイアスがかかるんだよな。
    特に日本の報道は欧米メディアの視点でしか中東関係を報道しない。
    以前は衛星放送でアルジャジーラの放送が見られた

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    2017年08月22日
  • イスラム戦争 中東崩壊と欧米の敗北

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    ネタバレ

    一般向けに書かれたイスラム文化書では、内藤先生の解説がとてもわかりやすいと思う。
    一番わかりやすい本は『となりのイスラム』だが、本書も難しい内容ではない。
    なるほどとうなった部分を挙げる。

    <人頭税について>
    テロ組織が異教徒を人質にして身代金を要求することは、人頭税の一種ということ。
    欧米はテロ資金の源になると批判するが、イスラムにはイスラムの考え方があり、相手の文化を知らなければ、相互理解(=平和)には結びつかない。
    地獄の沙汰も金次第という言葉が頭をよぎった。

    <人材不足>
    中東のエキスパートが不足しているということ。
    そもそも中東に興味を持つ人が今後増えるのかどうか怪しい。
    ニュー

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    2017年03月16日
  • トルコ 中東情勢のカギをにぎる国

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     中東崩壊の危機のなかで唯一、民主化と経済発展に成功した国。しかもそれを「再イスラム化」によって実現した国として、トルコの重要性を説く。
     トルコ人の大部分はスンニー派のムスリムである。しかし、トルコ共和国建国の父であるムスタファ・ケマルの意志・遺志により、トルコはイスラムを徹底して公の場面から切り離そうとしてきた。本書は第一章・第二章で、トルコの建国から近代化と脱イスラムの歴史を説き起こし、つづいて「再イスラム化」の過程を描いていく。ここらへんの流れはたいへんわかりやすい。
     第三章はヒズメト運動、第四章はトルコと欧米諸国との関係、第五章はトルコと周辺(の中東)諸国との関係を解説。アメリカの

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    2016年04月10日
  • イスラム戦争 中東崩壊と欧米の敗北

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    イスラム地域研究の専門家が、イスラム国の台頭に至る中東地域の混迷について、歴史、宗教、政治権力、世界のパワーバランス等様々な角度から分析、解説し、今後の日本の取るべきスタンスを提言している。
    本書で著者は、
    ◆1979年のイラン・イスラム革命以降の米国の中東政策は失敗の連続であり、その原因は、イスラムに関する無知、先入観、偏見に根差した「イスラム・フォビア(イスラム嫌悪)」にある。
    ◆ムスリムには、同じ唯一絶対神から啓示を受けた「啓典の民」であるキリスト教徒やユダヤ教徒に対する憎しみはなく、彼らの敵意は、歴史的に自分たちを力で支配してきた英仏などの欧州列強諸国、シオニズムに基づく領域民族国家イ

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    2016年01月11日