内藤正典のレビュー一覧
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[ 内容 ]
06年サッカー・ワールドカップ決勝戦で、ジダンは何に激怒してマテラッツィに頭突きをしたのか。
この問いかけから、イスラム教徒(ムスリム)は、何に怒っているのか、そして我々のイスラム理解はいかに間違っているか、なぜ西欧はイスラムを執拗に嫌うのか、をわかりやすく解きほぐす。
ムスリムに対してしてはいけないこと、そしてそれはなぜいけないか、なども豊富な実例つきで解説。
異文化交流への道を探る。
[ 目次 ]
序章 ジダンは何に激怒したのか
第1章 「テロとの戦い」の失敗
第2章 隣人としてのムスリム
第3章 西欧は、なぜイスラムを嫌うのか
第4章 すれ違いの相互理解
終章 ムスリムは -
Posted by ブクログ
自分たちの持っているイスラムへのイメージが偏っているものであることを感じることができる本だ。
トルコに行くとき、関西空港の中の本屋で買い、行きで読み切ってしまった。
私にとっては、ぼんやり見聞きしている話の真相を、この本で理解するようなエピソードも多くあった。
作者の名前に見覚えがあり、手にとった一冊だったが、読んでよかったと思う。いろんな人に読んでほしいなと思った。特にトルコに住んでいる友人たちに読んでほしいと思った。この本に書いてあることがすべてトルコで当てはまるというのではないけれど、知っておきたいような話もたくさん載っていたように思う。 -
Posted by ブクログ
【目次】
はじめに
第1章 イスラムと政教分離のはざま
イスラムの国ではないトルコ
ケマル・アタテュルクの決断
イスラム主義の台頭
イスラム政党はどうやって民衆の心をつかんだのか
スカーフ着用の自由を!
イスラムと女性の自由
民主化のジレンマ
第2章 だれも正義の味方になれない民族の問題
トルコ人であること
憎しみは憎しみをよんで
報道される民族問題のかげに
ヨーロッパが残した傷痕
正義をふりかざす前に
第3章 素顔のトルコの人たち
子どもはたからもの
赤ん坊にとっての日本とトルコ
日本人への熱いまなざし
ヨーロッパ人のおしつけがましさ
悲劇が紡いだ日本との関係
バイラムおめでと -
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イスラム戦争 中東崩壊と欧米の敗北
著:内藤 正典
集英社新書
中東におけるイスラム教徒の紛争とはいくつか軸があるように思えます。
本書は残念ながら総花的うまく軸を捉えて切れていないように感じました。
基本:イスラム教とは何か
軸1:アフガニスタンのタリバンから、イスラム国、ボコハラムに至る過激派の系譜
軸2:シーア派とスンニ派との対立
軸3:パレスチナをめぐる、イスラエルとアラブ諸国との闘い
軸4:トルコの対ロシア戦略
軸5:クルド人の情勢
軸6:湾岸諸国の産油国の動向
軸7:親米イスラム諸国の動向
・イスラムを創始したムハマンド自身商人でしたので、その教えには、都市に暮らす商人の宗教 -
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個人的には殆ど知識や実体験の無いイスラムに関する一冊。宗教にもさほどの興味・関心は無かったのだが、昨今の世界中で起きている、異なる価値観の間の「分断」や「衝突」を見るにつけ、これからの世界はやはり宗教や民族、イデオロギーの対立を読み解いていかなくてはならないのか、と危惧する中、手に取って読んでみた。
一読しただけでは深く分かったとは思えないが、そもそも歴史的に「陸続き」の中で複数の民族、文化、イデオロギーを包含して発展して来たヨーロッパの国々が、イスラム(教、信徒、文化等)とどのように接し、共存・共生を図って来たのかについて一通りおさらいさせてもらえた気はする。
いや~、しかし、深い。
自分自 -
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日本は難民を受け入れていない。
日本は豊かになったため、他の国に働きに行く人が少なかった。
ずっと住み続ける場合は移民、短期は外国人労働者、移民は家族と暮らす場合が多い。
医療は外国人労働者も受けられるか
医療はドイツのほうが安いのでトルコ人は帰らない。
移民の家族の問題。政治参加の問題。
ドイツでは、30年以上たって、ようやく帰らないことを納得した。
難民は命の危険から国境を超える人
難民条約で、強制送還してはいけない。
サウジアラビアやUAEは、石油のおかげで労働力を外国人に依存した。人間扱いしなかったため、難民は行きたがらない。
中東、アフリカの人は人権侵害に敏感。
難民は、いつかは国 -
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トルコの歴史・文化・政治についてオムニバス形式で色んな人が書いている。
地理・気候
アナトリア高原と南東ヨーロッパのトラキアからなる。アナトリア高原は短い夏は暑いが、冬は零下20度にもなるところがある。小麦が取れる。沿岸部は地中海性気候。
歴史
古代ではヒッタイトが有名。製鉄を最初に始めたとも言われる。その後、アレクサンドロス大王が通過していったり、ヘレニズム諸王朝やローマ帝国の支配下でギリシア化が進んだ。ローマ帝国とビザンツ帝国の時代にキリスト教化される。11世紀にトルコ系遊牧民のセルジューク朝が入ってきて急速にイスラム化が進んだが、土着の信仰の影響も残った(神秘的傾向のあるスーフィー)