あらすじ
06年サッカー・ワールドカップ決勝戦で、ジダンは何に激怒してマテラッツィに頭突きをしたのか。この問いかけから、イスラム教徒(ムスリム)は、何に怒っているのか、そして我々のイスラム理解はいかに間違っているか、なぜ西欧はイスラムを執拗に嫌うのか、をわかりやすく解きほぐす。ムスリムに対してしてはいけないこと、そしてそれはなぜいけないか、なども豊富な実例つきで解説。異文化交流への道を探る。【目次】序章 ジダンは何に激怒したのか/第一章 「テロとの戦い」の失敗/第二章 隣人としてのムスリム/第三章 西欧は、なぜイスラムを嫌うのか/第四章 すれ違いの相互理解/終章 ムスリムは何に怒るのか/おわりに
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Posted by ブクログ
こわい題名だ・・・と思いながら早朝のファミレスで頁を捲りはじめた。
作者の著書は本当に面白く、最近内藤先生の本ばかり読んでいる。
ジダンの引退報道については、当時のおぼろげな記憶しかないが、ムスリムであることが原因になっているとは全く思いもしなかった。
今までの人生ではムスリムと出会ったことはないが、これから先出会う可能性がないとは言い切れない。
本書でムスリムとの付き合い方を知ることができて良かった。
私の夫にも、ムスリムと知り合った場合やその奥さんには何をしてはいけないのかを話した。
(文化的なものに興味のない夫もずいぶん面白そうに聞いていたのが良かった。)
本棚に置いておきたい一冊である。
Posted by ブクログ
最近の世界情勢から、さすがにもうちょっとイスラムのことも知らねばな・・・という気になってきて、とりあえず読んでみた本。入門書として、非常に分かりやすく読みやすかった。勉強になったー。
Posted by ブクログ
日本人のイスラムについての理解の誤りを正してくれる本
たぶん、このような日本人のイスラム観は欧米(特に米国?)からの輸入なのですよね。
キリスト教の国ではないのに、欧米とイスラムの間で起こっている争いで、欧米に追随している日本の愚かさに赤面する。(-_-;)
Posted by ブクログ
ムスリムが何に怒っているのか、分かりやすく読みやすく解説されている。スカーフ問題の矛盾など、興味深い点が沢山あった。この本を入口に、さらにイスラムについて理解を深めたい。
Posted by ブクログ
ムスリムについて分かりやすく書いてある。
イスラム原理主義というのは西欧のキリスト教側からつけたもの。
ムスリムにとっては何のことやらわからないもの。
ムスリムは寛容である。
第一自殺は罪。
他人にイスラムを信仰せよと強要することはない。
すべては神の思し召し、という考えはある意味日本の「おてんとうさまに聞いてみな」、という感じで理解できる気がする。
因果という考えがないことは時に問題でもあるようだ。
(本書では乱暴な自動車運転、事故を挙げている。)
原因がわかったからといって解決しない問題は多い。
そういうときにムスリムの考え方は解決の方法のヒントをくれるのではないだろうか。
原因と結果という考えが生まれにくいことが難点になることもあるようだ。
因果を明らかにしたうえでそれを超えた
Posted by ブクログ
なぜジダンは06年ワールドカップ決勝戦で頭突きをしたのか?あのシーンを見ていたムスリムには、彼が何に怒ったのか見当がつくのだという。それは人種差別発言でもなくテロリスト呼ばわりでもない。では、いったい何が?
イスラムの教えがどんなものか、ムスリムが大切にしているのがどんな価値なのか。「イスラム原理主義」という造語やテロリズムとの連想が、いかに誤解と偏見に基づいているか。自分の無知を痛感せざるを得ない。前提の違う相手との対話は、相手をよく知り、尊重することから始まるということを、豊富な事例が実感させてくれた。
Posted by ブクログ
知りたかった疑問が体系的に理解できた。
ムスリムを誤って判断していた。
過去の情報操作によるものなのだろう。次はイスラエル建国について読んでみたい。
Posted by ブクログ
パレスチナ問題やデンマークのムハンマド風刺画の件などの具体的な時事や歴史的背景から、非ムスリムが超えてはならない一線とは何かについて解説した本。高校の授業で無理やり暗記しただけの中身のない知識に血肉が付いていき、イスラム圏のニュースの見方が変わる。同著者の「イスラム-癒しの知恵」とともに読むとさらに理解が深まって面白い。
Posted by ブクログ
日本に住んでると自分も含めて「イスラム=怖い=テロ」程度の貧弱なイメージしかないかもしれない。
価値観に善悪をつけられるものでもないと思うけど、もっともだと思う所、それはちょっとどうなの、と思う所、いろいろある。それらを考えるとっかかりになって良かった。
Posted by ブクログ
ジダンの頭突きや江頭のトルコでの話とかからムスリムが命に替えても守ろうとする一線に迫る。ムスリムがいかに物事を考えているかを知り、非ムスリムの傲慢さに気付かされる。ムスリムと一夫多妻や性について、中東地域で十字軍まで共存していた三つの一神教、現代のムスリム欧州移民たちとイスラムの関係、スカーフを被る女性側の考え、楽天的な性格のイスラムなど、違った角度からものが見えるようになる。
Posted by ブクログ
フランスでイスラム女性のスカーフが禁止されたニュース。日本では女性差別に関連付けて報道されていたが、これはフランスの政教分離の結果とのことを初めて知った。フランスでは行き過ぎた宗教傾倒の歴史を見直し、公共機関では宗教を連想させるものを持ちこまないことがルールとなっているとのこと。だから、十字架を学校に持ち込むのももちろん禁止。
一方、イスラム女性にとってスカーフを取ることはとっても恥ずかしいことだという。いつもズホンの女性にミニスカートをはけ、と言っているようなものか。
それぞれの文化があり、それぞれの思想がある。私たちはどうしても欧米よりの視点で見てしまうが(報道もそのような視点でされている場合が多い)、常に多面的に物事を見る必要があると思った。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
06年サッカー・ワールドカップ決勝戦で、ジダンは何に激怒してマテラッツィに頭突きをしたのか。
この問いかけから、イスラム教徒(ムスリム)は、何に怒っているのか、そして我々のイスラム理解はいかに間違っているか、なぜ西欧はイスラムを執拗に嫌うのか、をわかりやすく解きほぐす。
ムスリムに対してしてはいけないこと、そしてそれはなぜいけないか、なども豊富な実例つきで解説。
異文化交流への道を探る。
[ 目次 ]
序章 ジダンは何に激怒したのか
第1章 「テロとの戦い」の失敗
第2章 隣人としてのムスリム
第3章 西欧は、なぜイスラムを嫌うのか
第4章 すれ違いの相互理解
終章 ムスリムは何に怒るのか
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
自分たちの持っているイスラムへのイメージが偏っているものであることを感じることができる本だ。
トルコに行くとき、関西空港の中の本屋で買い、行きで読み切ってしまった。
私にとっては、ぼんやり見聞きしている話の真相を、この本で理解するようなエピソードも多くあった。
作者の名前に見覚えがあり、手にとった一冊だったが、読んでよかったと思う。いろんな人に読んでほしいなと思った。特にトルコに住んでいる友人たちに読んでほしいと思った。この本に書いてあることがすべてトルコで当てはまるというのではないけれど、知っておきたいような話もたくさん載っていたように思う。
Posted by ブクログ
イスラムについての考え方が変わると思うよ。
ただ講義の内容を前提にせず文面だけで読むと、
かなりイスラムに肩入れしているように見えちゃうかも?
新書なんで、言いたいこと言い尽くせてない感じです。
Posted by ブクログ
どうして、世界は平和にならないのかな。
どうして、テロはなくならないのかな。
世界は、どうしようもない事の繰り返し。
宗教、民族、政治。
簡単になんて、解決出来ない事を知る。
対立する、それぞれの、考え方を理解する事で、歩み寄るしか道は無いのではないかと、そう思う。
Posted by ブクログ
この本を何故読んだか?
それは
ジネディーヌ・ジダン(サッカー選手)が
ドイツワールドカップの決勝で
何で相手選手に頭突きをして
退場になったか?
普通は試合中に頭突きをしません。
しかも大舞台のの決勝で!
そこには何かがある!
でもジダンは多くを語らなかったし、
理解できませんでした。
だから、そのままになっていました。
その疑問を解決してくれたからです
彼が頭突きをした理由は
彼がイスラム教徒(ムスリム)で
あった事にあったようです。
彼は純粋なフランス人ではありません。
アルジェリアからの移民です。
彼が移民であった事は
知っていましたが、
イスラム教徒であった事は
知りませんでした。
イスラム教は
厳しい宗教です。
神や家族、性にに対する冒瀆は
許されません。
その境界を破った者に対しては
暴力を持って制裁を与えることも
あるようです。
ムスリムという人々は
「自分の命を捨てても
守らなければならない何か」を
イスラム生誕以来、
1400年間にわたってきっちり守っている(p.19)
相手選手は
家族(姉)に対して
暴言を吐いたようです。
私達日本人は
仏教徒であることが
多いですが、
ある意味無宗教です。
宗教に無関心であり、
厳しい宗教観がわからないことが多いです。
でも、異教徒に対して理解を示す事や
知る事、認めることは大事ですよね。
彼らが
どんな世界観を持っているか
少しずつ学んでいきたいと思います。
Posted by ブクログ
【キーワード】イスラム、ムスリム、政治、宗教、中東
「ジダンがなぜ06年ワールドカップ決勝で頭突きをしたのか?」という目を引くフレーズで買ってしまいました。
なぜムスリムはテロを起こすのか、イスラム原理主義とはなんなのか、イスラム女性は差別されているのか、ムスリムの怒りに触れるものはなんなのか。以前からモヤモヤしていた疑問を一気に解決してくれます。
本書を読んでイスラム教やそれを信仰する人のイメージがすごく変わりました。イスラム教はとても合理的で人を許す宗教なんだなと。
欧米が数百年も前からイスラム圏の人たちにしてきた悪行もここに描かれています。知らないこともたくさんありました。911以降のテロでアメリカが悪い、イラクが悪い、イスラムが悪いと言う前にまずは本書を読んで対象についての知識を得てから非難しましょう。